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寺子屋の先輩・後輩

島食の寺子屋の一年間コースへ入学したいという女性が試験を受けにきた。

昨年の日本仕事百貨の記事が、島食の寺子屋を知ったきっかけ。
記事を読んだのが今年の3月31日で、今年の春の入学に間に合わず、
この一年間ずっと島食の寺子屋に入学したいと思い続けてくれていたらしい。

一年間コースに入学したいという方には、現地を見てもらいながら、
島の野菜と魚を使って一品か二品を校舎で作ってもらう。
試験では、作るのは和食じゃなく好きなものを作っていいし、
料理の技術は関係なく、料理への姿勢をみる。

料理が好きであればそれで良い、といっても過言ではない。

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試験が始まる直前に、料理に使う柑橘系のものが欲しい!となり、
寺子屋校舎の前にある、まだ青い八朔を棒ではたき落とした。

試験の開始時間が迫るなか、こんなにドタバタして緊張しないのかな、
と思ったけど、最後まで食材を探し続けることを、本人はむしろ楽しんでいた。

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最初は一品だけのつもりが、緊張がほぐれてくるとともに、
「もう一品作っていいですか?」となってきて、
佐藤講師はいいよいいよ好きに作ってと答える。
2時間弱のあいだに、最終的に3品が出来上がった。

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料理が終わったら、簡単に面談をする。
どうして島食の寺子屋に入りたいと思ったのか、
料理の道に進んでどうなりたいのか。

料理の経験者でない人にとって、
料理の道に転換するというのは大きな決断だ。
彼女自身、この一年間ずっと他の選択肢を見ないようにして、
自分の決断がぶれないように一生懸命だったとのこと。

将来的には、和食を「伝える」仕事をしたくて、
その為にはまず料理人になることから始めようと思い、
四季の移ろいを感じながら料理人になれる場所として、
島食の寺子屋を選んだと話してくれた。

面談も終わった頃に、マリンポートホテル海士の厨房での仕事を終えた、
今年の生徒の一人が校舎を覗いてくれて、応募者の方と少し話した。
既に料理の道で働き始めている生徒に向かって、
「先輩」という言葉を使っていたのが新鮮だった。

同じような決断を先にした人は、人生の先輩に見えるようだ。
一年後の目標があるにはあるけど、
これから見るもの聞くもの感じるもので、自分がどうなるのかはその時に決める。そんな話をしている二人は、とても頼もしい。

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夜は離島ワーホリのみんなとご飯を一緒に食べ、翌朝の高速船で島を離れた。来年の3月末にまた島に来て、島食の寺子屋での一年を始めることが決まっている。それまで別々の場所で時間を過ごすのが、少しもったいない気もする。






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2015年から隠岐諸島の一つ海士町に住む。 海・山・里に囲まれた離島で、和食の料理人を育てる「島食の寺子屋」を運営。 http://washoku-terakoya.com/
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