全般性不安障害 回復とまさかのアクロバット断薬
前回の記事ではセカンドオピニオンを受けて、病状が少し回復した様子を書きました。
久しぶりに食欲が湧いた日から、少しずつ少しずつ症状が軽くなっていきました。
こう書くと、毎日少しずつ順調に右肩あがりに真っ直ぐ良くなっていったように聞こえるかも知れません。
でも実際は違います。ほんの少し昨日より胃の調子がマシだなと思える時間が増えたかと思うと翌日にはドーンと落ちて一日中胃の不調に悩まされたり、激しい動悸に襲われたり、なんでもないことが心に引っかかって取れなかったり。
まさに3歩進んで2歩下がるならぬ1.5歩進んで1.2歩戻る、そんなイメージです。
それでも確実に前よりも良くなっていると感じられる日が増えていきました。
病院も最初は2週間に1回だったのが1ヶ月に一回になっていきました。
通院から5ヶ月。季節は秋になろうとしていました。
その時の受診で体調が安定していることを確認された後
医「そろそろ、薬を減らしていきましょうか」
という提案がありました。
ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、精神疾患で処方される薬の中には、良くなったからといってすぐにやめてはいけない薬があるのです。
効くまでは時間をかけて少しずつ量を増やして、効く量になったらそれを続けて、状態が安定したら今度は時間をかけて少しずつ減らしていくのです。
その時僕は「やっとここまで(薬を減らせるところまで)きたか」と思いました。
せっかちな僕はすぐに結果(薬が効く)が欲しい、結果が出たらすぐに薬をやめたい。そんな風に思っていました。だからこそ、最初に薬を飲むことに抵抗があったのだと思います。
1ヶ月後の受診を予約して、帰路につきました。
その2週間後。僕は異変に気づきます。
薬がない・・・。
決められた量を毎日欠かさず飲んでいたにもかかわらず「トリプタノール」が残りわずかです。絶対に受診日までの量は残っていません。
どうやら、薬の管理が悪く2週間分ほどの薬を何処かで紛失(おそらく自宅内のどこか)してしまったのです。
折悪く、その時期大学院の課題が忙しく、また調子も安定していたので、見つからない「トリプタノール」は諦めて、「半夏厚朴湯」だけで凌ぐことにしました。
薬が切れた初日。
また、症状が悪化するのではないかとめちゃくちゃ不安でした。しかし、特に変化はありません。次の日もその次の日も・・・。
結果、次の受診日まで特に体調は特段悪化することなく過ごすことができました。
そして、受診日
先生にその事実を告げました。
すると
医「じゃあ、思い切ってやめてみましょうか?」
僕「え?いいんですか?」
医「2週間大丈夫だったので、そのまま様子を見てみましょう」
こうして、僕の薬生活は超アクロバットな形で断薬となったのでした。
*たまたま僕の体がそういう状態だったというだけで、今服薬している薬を勝手にやめないでください。ちゃんとお医者さんの判断でお願いします。
ちなみにこの時お守りとして1ヶ月分の「半夏厚朴湯」が処方されていました。
結果、その後調子を大きく崩すことなく僕は大学院の卒業まで過ごすことができたのでした。
途中、発作が起きそうな時は「半夏厚朴湯」を飲んでやり過ごすことで最悪の状態に陥るのを防いでいました。
薬をやめて数日後、特に体調に変化がないことを実感した時、言い知れぬ解放感がありました。
あれだけ苦しかった病気とやっとおさらばできる。薬を一生やめられないかも知れないという不安もない。
何より一生やってこないと思っていた食事がおいしいと思える日が戻ってきた喜びは何事にもかえ難いものでした。
だからあなたも
今辛くても大丈夫。必ず良くなる。
今日のところは、ここまで。
最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。
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