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市議会の陳情審査を視聴する。

国会では、陳情について、会議でしっかり取り上げで審議することはほどんとありません。議員が質疑等の中で、個別に取り上げてはじめて、扱われることになるというのが実態だと考えます。

これに対し、地方議会では、陳情についても、しっかりと委員会等で審査されます。私も以前から興味がありましたが、フィールドとしている茅ケ崎市議会の委員会で、初めて陳情審査をオンラインで視聴できました。

市民の身近な問題について、実に分かりやすく、しっかりとした審査が行われ、その様子がオンラインで生で、そして翌日にはオンデマンドで公開されています。問題について、市の説明を聞ける実に良い機会だと思いました。陳情が出され、それがしっかり審査されたのは良いことだと思います。

また、この陳情により、市側から、「現在市のホームページの方でもですね、市のハザードマップと合わせて県の浸水想定区域図を参考に載せているところではありますけれども、具体的なこれからの進め方、今年度の警戒区域の指定を受けて、また来年度 それにそれを踏まえたハザードマップを作成していく、そういった旨の内容をホームページの方にも掲載していきたいと考えております。また地域の防災訓練などの際もですね、そういったことはお伝えしていきたいと思います。」という具体的な対応を引き出したのは、陳情者、議会の成果として素晴らしいことだと思いました。

陳情の採択について、意見が分かれ、多数決で結局採択されなかったのですが、討論がなかったので、どういう理由か分からなかったのは残念です。異議なしでない場合は、是非、討論で、その理由を示してもらえればと思いました。

それにしても、実に大事な議論がなされていると思いましたので、陳情審査の部分についてオンデマンドで視聴したものを文字にしてみました。正式な会議録ではありませんし、私が聞き間違いしているかもしれませんので、実際のオンデマンドの画像を見ていただくなり、正式な会議録で確認いただく必要があるかと思いますが、ご参考までに載せさせていただきます。
(公正を期すため、陳情部分の審査を全て掲げたつもりです。「あ」とか「まあ」とかのつなぎの発声や明らかな言い間違い部分等は削ってます。)

茅ケ崎市議会 総務常任委員会(令和6年6月24日)
(動画を添付します。残り18分30秒あたりから陳情審査です。)

(阿部委員長)次に移ります。陳情第6号、茅ヶ崎市津波ハザードマップの早期改定と小中学校の避難計画早期見直しを求める陳情を議題といたします。陳情者より趣旨説明の申し出がございます。
それでは進行の説明をさせていただきます 趣旨説明をされる方は氏名をおっしゃってからお願いいたします。なお時間は5分以内です。残り時間に関しては、左手にございます タイマーにてご確認をお願いします。5分経過いたしましたら、ブザーが鳴りますので、途中であっても趣旨説明を終了してください。事前に提出した資料以外のものを提示することはできません。事前に提出した資料であっても拡大等するなどして提示することもできません。また本委員会はインターネット中継を実施しております。個人情報に関する発言や誹謗中傷差別用語の使用は謹んでください。なお趣旨説明は着座のままでも、起立して行っていただいても構いません。それでは準備が整いましたら、趣旨説明を開始してください。

(趣旨説明者)はい。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。東海岸北にすんでおります佐藤健也と申します。会社員をしておりまして記者として働いております。本日はですね、一市民として、お願いがあり、うかがわせていただきました。切実なお願いです。ここからは着座にて失礼いたします。
来年小学校に上がる娘がおります。日頃地域のニュースを取り上げている仕事柄ですね、海岸に近い小学校で津波避難計画がどうなっているのだろうということが気になりました。そこでですね、市の津波ハザードマップを見て疑問に思ったことがあります。
海にほど近い小学校であるにも関わらず、娘の通う予定の小学校ですね、津波の津波浸水エリアに含まれていないように見えました。
隣の街の藤沢市ではですね、同様のような距離感にある中学校が、ほぼ全域が浸水エリアに指定されているというのを存じておりましたので、少々驚きました。なぜこういうふうになっているのだろうと。そこでですね、市の担当課にちょっと足を運びまして、話を聞いて少々驚きました。
茅ヶ崎市の津波ハザードマップは、最新である2015年の県の津波浸水想定図ではなく、それよりも冬古い、東日本大震災の翌年の2012年に公表された県の津波浸水予測図に準拠しているというものだったからです。最新のその想定図でですね 見比べたところ、娘の通う小学校は今度はですね、大幅に浸水エリアに含まれているというものでした。
調べてみてですね、さらに驚くことがわかりました 相模湾沿岸の全ての市町村13自治体ありますけれども、そのうち津波ハザードマップで、旧予測図に準拠したものを使っているのは茅ヶ崎市のみでした。残りの12自治体は2022年3月までに最新の想定図に基づいたハザードマップに更新を終えており、早い市町では三浦市が県が想定図を更新した2012年度中に。鎌倉市のように複数回改定していたケースもありました。
茅ヶ崎市の現行の津波ハザードマップは2012年6月に発行されたものと認識しておりますが、今日まで一度も更新をされていません。 2018年に改定の検討が行われたということですけれども、県の津波災害警戒区域の指定を経てからの方がより精緻なマップができるということ、それからまた、複数回改定を重ねることは市民の混乱を招く恐れがあるという理由などから見送ったということでした。
 ですが、他の市町にできて、なぜ茅ヶ崎市はできないのでしょうか。疑問に思います。
 一市民としてですね、非常に不安を感じています。今 この瞬間、県の最新の想定図に位置づけるような地震や津波が発生したとしたら、近隣市町では助かる命も、もしかしたらこの町では犠牲になる恐れがあるのではないでしょうか?
 市民は、救急時に基づいた現行のハザードマップを判断材料に避難するでしょう。ハザードマップにはこう書いてあります。日頃からよく目にするところに貼っておき、避難先避難経路を常に意識するようにしましょう。私自身、家の冷蔵庫にですね、ハザードマップを貼っております。
想定外の災害に備えることが14年前の東日本大震災で得た教訓だったはずです。最悪の想定とていつ訪れるかは分かりません。市民の生命と財産を守ることが基礎自治体としての責務です。茅ヶ崎市は市の実施計画2025の最終年度にあたる今年度、ハザードマップの改定を位置づけるということですけれども、今現在も更新はなされていません。市の小学校のですね、避難計画やその他の防災計画も、市が発行する津波ハザードマップに基づいて改定されると言います。子どもたちを災害から守るためにも、可及的速やかにマップを改定し、避難計画についても見直していただくよう、お願いし、趣旨説明とさせていただきます。ご清聴いただき、ありがとうございました。

(委員長)それではこれより趣旨説明に対する質疑に入ります ご質疑はありませんでしょうか?
ご質疑がなければ、これにて趣旨説明に対する質疑を打ち切ります。議事の都合により残時休憩いたします。
休憩前に引き続き会議を開きます。次に執行部への質疑および必要に応じて自由討議を行い、審査を進めていきたいと思います。まず執行部へのご質疑はありませんか?

(柾木委員)何年か前に新しいハザードマップができて予算で計上されてたっていう記憶があるんだよね。でそれが執行されなかったっていう理由もなんとなく覚えてるんだけども、それについてもう一度説明してもらえますかね。

(防災対策課長)お答えいたします。津波ハザードマップの作成等の経緯について少しご説明をさせていただきます。市の津波ハザードマップにつきましては、神奈川県が東日本大震災を受けて県の方で浸水想定区域を見直し、(平成)24年の3月にまず浸水想定区域図を作成し、市の方では24年の6月に現在のハザードマップを作成しております。その後25年の12月に内閣府の方とですね、首都直下地震モデル検討会というところから報告書が上がり、約2000年から3000年、またそれ以上の発生間隔で起こる最大のクラスの津波につきまして、新しい知見が出たことを受けて、神奈川県の方ではこれを見直し、27年3月に現在の浸水想定区域図を見直しております。
これを踏まえまして、先ほど陳情者の方からもお話ありましたけども、各市町では、27年度から概ね令和元年度にかけて、ハザードマップの見直しを行っております。
本市も平成30年度に津波ハザードマップの更新をすべく予算措置まで行っておりました。ただ同時にですね、この時を同じくしまして、県の方から津波災害警戒区域の指定をしていきたいというような意向が示されており、本市も浸水想定区域図だけではなく県の警戒区域の指定を受けて、これと整合を合わして、ハザードマップを作成していくという予定でおりました。ただ、平成30年度の上半期の時点で意向は出ておりましたけれども、具体的な手続きですとかスケジュールについて、示されることがありませんでしたので、この時点で繰越明許などの(予算)措置もすることができず、また一方で、この時点で浸水想定区域図を基にしたハザードマップを作ると、その後県の方から近々にスケジュールが示された際にまたすぐハザードマップの改定をしなければならないというような状況もありまして、30年度そうなりますと、市民の皆さまに混乱を招く恐れがあるということ、また財政的にも二重投資になる可能性があるということで、30年度の作成を見送ったという経緯がございます。
その後の31年の3月にですね、県の方が方針の具体的な進め方を示しております。その際にはいくつかの自治体をブロックに分けて意向を確認しながら、警戒区域の指定について進めていきたいというような意向を示し、令和元年度からですね、モデル地区としてですね、最初、小田原市、真鶴町、湯原町、ここを最初モデル地区としまして令和元年度に指定し、以後2年3年と順次進めているとで本市につきましては、5年から7年にかけてのこの市の実施計画に位置づけて、今年度計画区域の指定を県と協議し、来年度ハザードマップの作成をしていきたいというような計画を立てているというのがこれまでの経緯でございます。以上でございます。

(柾木委員)予定してたんだけども、上位団体というかね、上位団体ないんだけど本当は、県、国の都合というのがあって、それに翻弄された結果、こうなったんだろうっていうのは見て取れるのね。モデル地区定めて、たまたま順番で最後になっちゃったんだろうっていうのは、そこまで推察できるんですよ。
ただまあ、住んでいる人にしてみたら、なんで神奈川県が先にあって、近隣がやってんのに、これはね、しかも、ごもっともなことだし、うちは何やってんだって言われてしまうのは間違いないと思うのよ。
だからその経緯っていうのを本来載っけなくちゃいけなかったんだと思うのね。うちでは用意して、こういう理由があるとか、地域の指定があるんだとか、国・県と一体化しなきゃいけないんだっていうのがないと、なんで直近のものと3.11の時でちょっと違ってるじゃないかって言われれば、自分のお子さんとかなんかそこんとこ行ってれば、当然こういう話は出てきて当然なわけ。だから、よくよく考えると国や県に翻弄されているんだけども、目線は市民に向けておかないと。ただまあどうしても行政の縦割りの組織なんで、国県市っていう縦割あっちゃいけないんだけど、そういう部分からいくと、そうなることが多いわけよ。だから今日の部分受けて、来年にはこれできるんだろうけども、それまでの間ね、やっぱりどこを基準にどっち見るのっていうところは補足なりなんなり、載っけていく必要あったんじゃないの。だからこういう陳情が出てくるの、これごもっともなものかと思う。その辺についてはね、今回陳情が出てきた段階でどういうふうにお考えになったのかな。そのことについて伺っておきます。

(防災対策課長)お答えいたします。現在市のホームページの方でもですね、市のハザードマップと合わせて県の浸水想定区域図を参考に載せているところではありますけれども、具体的なこれからの進め方、今年度の警戒区域の指定を受けて、また来年度 それにそれを踏まえたハザードマップを作成していく、そういった旨の内容をホームページの方にも掲載していきたいと考えております。
また地域の防災訓練などの際もですね、そういったことはお伝えしていきたいと思います。

(柾木委員)やっぱりタイムラグができてるから、そのことについて心配な人は多いと思うよ。だから今回ね、こう採択する云々どうのこうのじゃなくて、やっぱり担当課として、そういうものを市民にちゃんとしっかり公表してって、不安を払拭するっていう作業は行っていくという考え方あるのかないのか、それについて伺っておきます。

(防災対策課長)お答えいたします。今お話がございましたように、ここまでタイムラグがあるような経緯も踏まえまして、市民の皆さまにしっかりと、今後のことも含めまして、説明をしっかりしていきたいと考えております 以上でございます。

(水島委員)今の話の流れの中で、いろんな経緯はわかったんですけども、ハザードマップのこともそうですけども、まあ2025年の予定しているこの避難計画、こういったものの今後の流れ、進捗状況っていうのは今どういう状況ですか?計画通りにちゃんと進んでるということで、よろしいんですか?

(防災対策課長)お答えいたします。計画としましては、まず今年度、県の津波災害警戒区域の指定を受けるべく、県の方と今協議を進めております。その中では住民の皆さまなどへの説明会なども事前に行った上で、県の方の警戒区域の指定を受ける。その指定を受けた際にですね、現在の浸水想定区域図に加えまして、津波が建物にぶつかってせり上がる高さ、これを基準水位といいますが、そういった新たな条項をですね、この警戒区域を受けるとデータとして受けることができますので、ここまででを考慮したハザードマップを来年度作っていく、併せて、それに対する避難計画というのも今年度同時に並行して検討を進めてまいります。

(早川委員)それにしてもタイムラグ、先ほど、柾木委員もおっしゃってましたけど、タイムラグがあります。来年の、早くとも、早い時期になるんだと思うんですけど、それまで何か起こるんではないかっていう住民の不安は変わらないと思うんですね。そこのタイムラグに関してですね、どのような対応されるのか、伺います。

(防災対策課長)お答えいたします。先ほど柾木議員からにご質問を受けたお話と同じようになるかもしれませんけれども、まずは今の市の津波のハザードマップと県の浸水想定区域図 このあたりの違いなどもさまざまな場面で説明を加えながら、実際に避難行動をどうとっていくのかということについて、丁寧に説明をしてまいりたいと考えております 以上でございます。

(早川委員)あと小中学校の津波避難計画を早期に見直すようという、学校の対応はどのようにされるのか、伺います。

(防災対策課長)お答えいたします。小中学校につきましては、現在、学校防災計画というものを定めておりますけれども、この中でですね、新たに浸水想定区域となる学校も含めまして、沿岸部の学校につきましては、津波警報等が発令された際には3階以上に避難するというような計画となっておりますので、津波の避難行動という面では大きく変化するものはないとは思うんですけども、計画域の指定と合わせて、さまざまな情報あるいは変更点があった場合には、しっかりと伝えてまいりたいと考えております。

(柾木委員)うちの場合、津波だけじゃないんですよね。横に揺れて火災出た場合は全部クラスターだから燃えて死んじゃう。だから、それの時に山側に逃げるったってみんな死んじゃうわけよ。津波の場合についても、基本的には地面の地図だけ出すんだけども、実は海底の図面出さなきゃいけないわけよね。そうすると辻堂から鎌倉にかけては岩盤が出てるから、岩盤出てる分、波の高さは上がるから津波はでかくなるわけでしょ。だからそういう多角的なところから見ないと、ただ津波だけだっていうんじゃなくて複合的な要素が多いから。だからその津波の浸水計画が出てるとしてもケースバイケースの状況を踏まえて、細かな行動指針を出していかないと、おそらくできないんだと思う。だから逆に言うと、ちょっとタイムラグがある分、そういったところまでしっかり乗せていく必要もあるだろうし、そういう部分の教育も行ってかなくちゃいけないんだと思うのね。ただそういう付加価値を付けたことにしないと、翻弄された部分は分かるけども、後発である以上、1番最新じゃなきゃいけないと思うのよ。だからそのくらいの覚悟は持っていく必要があるんだと思うんだけど。担当課としては、その辺どう考えてんのかね。これは大事なところだから伺っておきます。

(防災対策課長)お答えいたします。まず、今、津波ハザードマップの件ということで、こういったご審査いただいている部分ありますけれども、当然 津波だけではなく、クラスター地域があるとこにはクラスター地域の火災の問題、地域にもよりますけれども、そういったところにつきましてはさまざまな学び講座なども含めまして、さまざまなリスクについては、いろいろと今もこう啓発を進めているところではありますけれども、より具体的にですね、今の市の津波ハザードマップっていうについての考え方、また県の方で示された浸水想定区域図の考え方で、実際にはどういうことが起こり得るのか、そういったことも含めまして1つ1つ丁寧に啓発を進めていきたいと考えております。

(委員長)執行部への質疑はこの程度でよろしいでしょうか?
それでは自由討議を行いますか?
特になければ、これにて執行部への質疑および自由討議を打ち切ります。これより討論に入ります。ご意見はありませんか?
ご意見がなければ、これに討論を打ち切ります。
陳情第6号、茅ヶ崎市津波ハザードマップの早期改定と小中学校の避難計画早期見直しを求める陳情につき採決いたします。本件を採択すべきものと決するにご異議ありませんか?
異議がありますので、起立により採決をいたします。本件を採択すべきものと決するに賛成の委員の起立を求めます。起立少数と認めます。よって本件は、採択することは否決されました。
以上を持ちまして、総務常任委員会を閉会いたします。

茅ケ崎市議会速報映像の該当部分から書き起こし

(扉の写真は、茅ケ崎市議会本会議の写真で、今回の陳情審査の風景ではありません。実際に委員会を傍聴していれば、写真撮影も可能だったと思います。茅ケ崎市議会は、傍聴席からの撮影が認められます。)


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