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日本で入手不可!衝撃を受けた米国プラントベース食品!

はじめましてKazu LAです。
早速ですが、初めてのNote投稿という事で、まずは簡単に自己紹介から。


自己紹介

  • LA在住、5歳娘の父親。長崎県出身。

  • 新卒で大手食品会社入社後、食品の研究開発に従事。

  • 米国出向、米国での転職を経て日米でのキャリアを積む。

  • 2022年、食分野でのキャリアを活かして、株式会社MISOA FOODS共同創業。米国で興味を抱いたプラントベース食品(日本市場向け)を開発している。

  • 趣味は、60〜70年代のソウルミュージックレコード収集とキャンプ。

という感じで、日米で培った食品の研究開発のキャリアと経験を活かし、現在は共同創業したMISOLA FOODSでプラントベース食品の開発という新たな挑戦に挑んでいる。
自分たちの事業全般のことや、なぜプラントベース食品に取り組むことにしたのか、趣味のレコードなどについては、はまた別の機会にして、ここではプラントベース食品に関するトピックで書いてみようと思う。

日本でプラントベース食品に対して感じた事

開発に取り組んでいるプラントベース食品分野、日本ではまだまだ知名度は低いと認識してはいるが、とはいえなんとなく興味があるとか、気になっている人たちは結構いるのではないか、と思っている。

一方で、先日日本帰国時に感じたのは、スーパーもレストランもプラントベース食品のオプションはとても少なく、思った以上に情報も少ないという事。特に私の住む米国に比べるとその差は大きく、少し大袈裟だが日本がこの分野で今後もっと遅れをとるのではないか、という危機感みたいなものを感じた。
(ちなみに食品全般の日米おいしさ比較だったら日本に軍配、その差は大きいです笑)

そこで、せっかく私も米国にいるので、プラントベース食品に興味をもつ日本の人たちに、こちらの情報や状況をお伝えできればどうかな、と思うに至った。
ちょっと一方的になってしまうが、きっと海外製品情報にも興味をもってもらえるはず、と思っているので、ここでは米国の製品レビューを踏まえながら紹介できればと思う。

情報源はFood Tech関連ニュースとか展示会に行って情報収集、新製品が出たら食べてみるというのがメインになるが、米国のプラントベース食品については人並み以上に興味をもち、アンテナを張って情報収集を行っているつもり。

そうやって得た情報の中から、実際に食べてみて、“これはすごいぞ!!”と感じた製品を、驚き度で評価(5点満点)、高評価だった製品を紹介してみたい。(実際の製品評価をする時には驚き度なんかで評価することは無いが、こっちの方が伝わりやすいかなと。)
先に言うと、有名な製品もあり目新しさに欠ける内容だが、少なくとも日本では買えない製品情報であるし、それはそれで本当にすごい製品なんだと思って見てもらえればありがたい。
拙い内容に加え、個人的主観、感想多めですがそれもお許しを。

米国製品紹介① 
IMPOSSIBLE FOODS/GROUND BEEF

驚きレベル:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

Californiaの有名なIMPOSSIBLE FOODSの製品。
なんだこれか、新しさ無いじゃんと思われるだろうが、その感想は実際食べてから。
この製品は調理するたびに驚かされる。調理前は赤味のある生肉っぽい色が加熱すると本物の肉を調理した時の様に変色するし、ほぐれてもいくので調理してる感じは肉と同じ。フェイク品を扱っているという感じ、ほぼゼロ。
したがって、作業的にも、マインド的にも今までとおなじ肉(本物)を扱っている感覚になるので、肉(本物)から切り替えるハードルが無意識のうちに下がっている気がする。

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加熱前の状態
加熱による色味変化

品質面では、柔らかすぎず、硬すぎない食感で、Just about rightな肉食感。
このまま食べるよりも、ミートソースのパスタとか麻婆豆腐にしたりする事が多いが、水分多めのソースに浸っても食感良好。従来の植物性タンパクだと水を吸って、ふにゃふにゃになってしまうものが多かったのでこれもすごい。

かなり肉に近いのは間違いないが、弱点もある。
これで餃子を作ったが、肉の結着性とか肉を練ることで出る弾力性は無いので、想像以上にほろほろした食感になってしまい餃子向きではなかった。子供には好評でしたが。
他に挙げるとすれば味・風味。既にややしっかり目の味がついているのと、わざとらしくて強めの肉っぽい香りがある。これは主原料の大豆タンパク質の香りをマスキングするために使用している天然香料(肉の香り)由来と思われるが、調理時にキッチンいっぱいに広がる強い独特の香りは好みが分かれると思う。ちなみに我が家では妻からクレームが出た泣

一方で彼らのすごいのは、技術的なアプローチ。
これも有名な話だが、肉が赤いことや、肉としての味を感じるための成分としてヘムというものがあり、IMPOSSIBLE FOODSはこのヘムを大豆の根っこ由来のレグヘモグロビンに置き換えて肉らしさを再現している。
大豆レグヘモグロビンをコードする遺伝子を酵母に組み込んで、発酵培養後に精製したものを製品に配合、肉の様な品質を作り出している技術だ。遺伝子組み換え技術を敬遠して嫌っている人もいる様だが、このヘムが加熱時の色の変化や肉の様な味を出していて、技術をベースに他社と差別化しているすごい製品。なので、私的には星5つ。

米国製品紹介② 
EAT JUST/ JUST Egg

驚きレベル:⭐️⭐️⭐️

こちらも有名なEAT JUST社の製品。
驚きレベルはさがるものの、でも、やっぱりこれもすごいんですよ。
緑豆タンパク質をメインに使用した液卵の代替品で、初めてみたのは2019年の展示会。当時は代替食品に対して“どうせフェイクでしょ?”くらいの思いだったのだが、その思いが完全に覆った実演調理だった。
米国人大好き、スクランブルエッグを作っていたのだが、加熱で固まっていく様子は卵そのもので、食べた時の食感も本物に近い。
他にも米国で発売されているプラントベース卵もトライしたが、熱による変化は通常の卵とは大きく異なり、調理の仕方にも戸惑った。結果としてフェイク感が印象に残ってしまい、残念ながらリピートしようという気にはならなかっのだが、この点JUST Eggはクリアしている。

主原料となる緑豆
実演調理の様子

JUST Eggはよくできている製品だが品質面では改善の余地もあり、味や風味は本物の卵とは距離感があるな、と感じた。
スクランブルエッグにしてケチャップをつけてしまえば卵の味風味は特に気にならないので、それはそれで良いとは思う。この点については、どういう食べ方をするか次第だと思う。
例えばチャーハンなんかは、煙が出るくらい加熱した油に卵を入れて、ブワッと揚げる時に独特の食感とか香りが出てくる訳だ。これも再現できたら凄いぞと思ってJUST Eggでトライしたが、流石にこれはむりだった。米国でこんなチャーハン作る人も多くないので、使い方として想定されてないんでしょうが。。。

技術的には原料にトランスグルタミナーゼという酵素が使われているのも特徴。
この酵素はタンパク質同士を架橋して、くっつける働きがありタンパク素材の接着剤として利用される事が多いもの。例えば、練り製品などに使用して弾力のある食感を出したりもするので、同様にこの酵素で卵の様な弾力のある食感を出すために使われていると推測できる。
突き抜けた技術ではないけど、ユニークな発想と技術で差別化を図っている製品なので驚きレベル星三つ。

米国製品紹介③
GELATO FESTIVAL/ Vegan Oat Gelato

  • 驚きレベル:⭐️⭐️⭐️⭐️

続いてプラントベースジェラート。2022年のNatural Product Expoで食べて、星4つレベルに衝撃だった一品。
プラントベースアイスクリームはふつうにおいしいものが多いが、ちょっと硬いとか粘っとする(増粘剤)印象だったので、これも期待せずに試食したら完全に見当違いだった。もちろんいい意味で。
めちゃくちゃ滑らかでクリーミー、くちどけも良いし甘さと味のバランスも抜群。プラントベースと言われなければわからないし、ミルクを使用した動物性のものより美味しいくらいだった。
Gelato Festivalというジェラートのコンペティションイベントがあって、このイベントでアワードを取ったプラントベースのジェラートだった様で、それは美味しいはずだ。

左3つがOatをベースにしたVeganジェラート

手作りに近いスモールスケールで作られている様で、一流ジェラートシェフによる職人技がつまった製品という感じ。
ジェラートは乳化の状態が品質に大きく影響するので、その乳化をいかにコントロールするかなどフードサイエンスの要素が詰まった技術を要する食品な訳だが、やはり職人技はすごいなと感じる品質だった。

米国製品紹介④
HOUSE FOODS(ハウス食品)/TOFU

驚き:⭐️⭐️⭐️

これは完全に番外編。
日本で有名な企業が米国で展開しているTofu(豆腐)で、なんと米国のTofuシェアTop3に入っている。
日本人としてはこの事実も驚きだったが、もっと驚いたのはその硬さ。米国で初めて買ったTofuは絹ごし豆腐✖️10倍くらいの硬さだった。
あとから知ったのは、硬さにはSoft〜Extra Firmのいろんな種類があることと、米国でTofuは代替プロテイン(プラントベース食品)として使われること。炒め物などにも使える様に硬いものが主流で、私が買ったのはExtra Firmだったという訳だ。

これは純粋に品質面での驚きと、Tofuが米国で代替プロテインとしてポジションが確立されていることへの驚きという日本人ならではの感覚ではあるが、星三つレベルにはびっくりしたのでノミネート。

製品情報紹介は以上だが、少しでもご興味を持ってもらえたら嬉しい限りです。
これを書いてMISOLA FOODSの事業でもお客様に驚きをもってもらえる様な商品開発をしないとな、と自分に喝が入った。がんばります。

お知らせ

最後に唐突な感じもするがMISOLA FOODSで実施しているクラウドファンディングのお知らせです。
大人も子供も飲みやすいことを考えて、「おいしさ・安心安全・環境にやさしい」を追求したオーツミルクを届けることを目指し、今後の量産化に向けクラウドファンディングに挑戦中。
詳細はリンクのクラウドファンディングページをご覧頂き、ご興味があればぜひご支援とSNSや口コミでのシェアを頂けると嬉しいです。
※7月19日の公開初日で当初目標金額を達成する事ができました!更なるご支援、拡散よろしくお願いします!


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