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週刊金融日記 第443号 中国のガソリン車全廃宣言と日本の原発再稼働、米大統領選挙はバイデンで決まり、レストラン紹介コーナーは自粛中、瀬戸大也選手の不倫問題が界隈で話題にならないのはなぜですか、他

// 週刊金融日記
// 2020年10月28日 第443号
// 中国のガソリン車全廃宣言と日本の原発再稼働
// 米大統領選挙はバイデンで決まり
// レストラン紹介コーナーは自粛中
// 瀬戸大也選手の不倫問題が界隈で話題にならないのはなぜですか
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 最近、日本に帰る計画を立て始めたのですが、やはりコロナ大検疫時代なので、いろいろ考慮することが多いですね。特に空港での検査のあとに、日本は公共の交通機関を利用できないなどが大変なところです。香港はスマホと連動したリストバンドで14日間自宅隔離を監視されるなど厳しいのですが、空港か専用ホテルで検査結果を待って、陰性ということがわかったあとに自宅まで行く際は、マスク付けるなどの義務はありますが、公共の交通機関を使っていいんで、そこがむしろ日本のほうが厳しかったりします。日本での隔離は「要請」なので、おそらくちょっとぐらい破っても罰則なしで、そこはゆるゆるなんですけどね。

★前回、香港に戻ってきたのはちょうど日本のGWぐらいですね。ここから2週間の隔離生活がはじまりました。

 香港は市中感染者ゼロの日が続いており、第三波はほぼ計画通りに封じ込めたようです。11月からは、中国本土から香港居住者が戻る際の隔離が免除されそうです。また、同じような防疫体制で経済環境がとても似ており、政治的問題も少ないシンガポールとの観光客まで含めた隔離なしのTravel Bubbleも始まりそうです。一方で、アメリカやフランスなどの欧米諸国やインドなどの感染者が多い地域は、出発地でのPCR検査での陰性診断と香港政府が指定する隔離ホテルの2週間の予約が必要になっております。香港では、隔離免除、自宅での2週間隔離、さらに厳しい制限という、3つのグループに分かれることになります。
 僕は日本も封じ込めをして、アジアの封じ込め国とTravel Bubbleになることを望んでいたのですが、日本はこのまま医療崩壊は避けつつ新しい生活様式で再生産数が1以上になることを防ぎながら、ある程度の蔓延を許容する「ウィズコロナ」で行きそうなので、せめてより厳しい入境条件が課される「蔓延国」には指定されず、通常の自宅での2週間隔離で大丈夫なグループに入っていてもらいたい、といったところですね。

★徹底したヒトの鎖国とコロナ封じ込めで国内経済が好調な中国本土とつながると、香港経済はほぼ正常運転になりますね。

 さて、いま世界経済で最も重要なイベントは米大統領選挙なのですが、さすがに今回はトランプ大統領は厳しいのではないか、というのが大方の見方ですね。僕は基本的に経済のボラティリティが高まる方が何かと楽しくなる性格なので、天の邪鬼的にここでトランプ再選になると、また、それも面白いかな、と思っております。

★Twitterを見てると、アメリカ在住の学者などのインテリの人たちは、あと4年間もトランプ大統領の顔を見続けないといけないとなると発狂しそうな雰囲気です。

★直近の選挙予想など、やはり相当にトランプ再選は難しそうですね。

★日本は様々な分野でアメリカ追従が基本なので、コロナ対策で正反対に意見が分かれているアメリカ大統領選挙の結果は、日本のコロナ対策にも大きく影響しそうです。

★日本人は良くも悪くも大変にまじめなので、マスクや手洗いなどが徹底された結果、コロナ以外の呼吸器系の感染症も激減しているのですが、残念ながら性感染症のほうは減っていないようですね(笑)。

 先週号でも書きましたが、性病検査については、この一連のバックナンバーによくまとめられているので、必要な人は目を通すといいでしょう。

週刊金融日記 第394号 誰もが知りたかった性病検査マニュアル決定版
週刊金融日記 第396号 性病検査について続き
週刊金融日記 第400号 性病検査キットで結果が出ました

 米中関係の重要ニュースでは、昨日、香港で国家安全法で起訴されていた民主化運動の活動家らが、香港の米国領事館に逃げ込んで亡命しておりました。これで米国が亡命を認めると、中国政府、香港政府、アメリカ政府のメンツとかがいろいろ入り組んで、さらに物理的に領事館が中国の都市であり、一国二制度の香港にあることから、非常にややこしい問題(笑)になるので、どうなることか、と思っていたのですが、米国はあっさりと亡命を拒絶したようです。

★アメリカの大企業も巨大な中国経済と密接に関わっており、香港で多数活動していますから、やはり穏当な方向に行きそうですね。

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 瀬戸大也選手の不倫問題が界隈で話題にならないのはなぜですか
- 来年の東京オリンピック開催の可能性と海外での報道について
- コロナの影響が厳しいですが外資系投資銀行に就職するため交換留学したいです
- 右肩下がりの会社にいますが転職に踏ん切りがつきません
- 非モテコミットして一度撃沈してしまった新婚女性にまたトライしたい
- やはりどうしても非モテコミットしてしまいます
- アグレッシブな女プレイヤーに対してはよりアグレッシブな戦略で対抗する

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.中国のガソリン車全廃宣言と日本の原発再稼働

 米国大統領選挙も来週ですし、欧州の感染爆発からのロックダウンなど、世界情勢はコロナ禍を巡って大きく動いている中で、エネルギー政策についても、日本と世界で非常に大きな動きがありますので、今週はまじめに経済と環境問題について書きたいと思います。
 いろいろな評論家が新コロ禍を論じていますが、1月の最初期からこの問題をウォッチしている僕は、世界の主要国の感染状況と対策を把握している新コロ禍アナリストを自負しております。そして、新しい読者は知らないかもしれませんが、じつは僕はエネルギー政策にも詳しいです。福島で原発事故が起こり、日本中で反原発ブームが起きていたころ、冷静にエネルギー政策を論じる本を出版しました。あえて言えば原発推進派というか、反原発ではないエネルギー政策の本としてはおそらく一番売れて、日本の政策担当者にも広く読まれています。
 いまでも状況は変わっておりませんし、ここでまとめたデータやロジックは普遍的なものなので、一度目を通すと日本と世界のエネルギー政策にとてもくわしくなれます。

『反原発の不都合な真実 』 https://amzn.to/34BZTU1

 じつのところ、地球環境問題とエネルギー政策はとても簡単です。地球環境問題とは、温室効果ガス、要するに人類が化石燃料をどんどん燃やすものだから、地球の二酸化炭素濃度がすこしずつ増えて、二酸化炭素は太陽から地球に届く光は透過するけど、温められた地面が発する熱線は吸収する性質があり、だんだんと大気のエネルギーが増していき、温暖化したり異常気象が起こりやすくなって、これは大変なことになる、という問題です。
 エネルギー政策のほうもとても簡単で、一番安く電力を作れるのはおそらく石炭火力なのですが、これが最も環境汚染するし二酸化炭素を出すわけです。原子力はどこまで放射線対策をするかなんですが(これは科学というより政治です)、やりようによっては石炭火力と同等か同じぐらい安価に電力を作れます。そして、原子力は二酸化炭素を出しません。
 結局、大気汚染の主因であり大量の二酸化炭素を出すのは、発電所と自動車のふたつなんで、このふたつを何とかするしかなくて、もう答えは原発と電気自動車以外にありえないんですが、原子力というのは原子爆弾のイメージもあり、世界中に反核運動家がいて、民主主義国ではなかなか不人気です。そこで、ソーラーとか風力みたいな話が出てくるんですが、まあ、こんなもので現代社会のエネルギー需要はまったく補えません。健康被害という点でも、統計的に見れば原子力は圧倒的にクリーンなのですが、これも民主主義国ではなかなか大衆に理解されません。
 以上のようなことは、すでに一冊の本に僕は書いているんで、ここに書いたことを「本当にそうなのか?」と疑問に思う方は、どうか本を買って読んでみてください。

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