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リノベーションの効能は?

 ぼくたち(ぼくと妻と)が、中古マンションを買ってリノベして移り住んで、1週間が経った。開けられてない段ボールもあるし、カーテンはまだ間に合わせだし、やっぱりこの家具ちょっと合わないなぁ等とも思ってはいるけれど、いったん今の時点で、リノベーションしてよかったことを列挙してみようと思う。

引っ越しはパワーだ。

 引っ越しをするだけでも、充分に労力を費やした。今回、より狭い部屋への引っ越しになったので、モノの選別が必要だった。いまのところそれは、ぼくたちの生活にとってプラスの影響を与えているように感じる。買ってはみたけれど取り回しの悪かったダブルベッドを、引っ越しを機にシングルベッド二つに買い替えたのは、この機会がなければ思いきれなかっただろう。

人類の住環境は、進化している。

 築10年ちょいのマンションでも充分に満足していたつもりだったけど、今回フルリノベーションで新しいあれこれを入れてみて、人類の住環境の進化を垣間見た。
 さっと拭けるガラストップのコンロ、ぱかっと開けて簡単に洗える換気扇、ボタンひとつで洗い物してくれる食洗器、継ぎ目なく掃除しやすく保温抜群のバスタブ、ふかふか柔らかですぐ乾くバスルームの床。10年あると、色々なものがけっこう進化するものなのだ。生活することの小さなストレスが解消されるというのは、ふだん意識しない分、思いのほか快適になるものだった。

思い通りにできるのだ。

 ぼくも妻も背が高いので、普通のキッチンだと腰にくる。今回自分たちにあわせて作ったキッチンを使っていて、あらためて思った。洗い物も料理も、ぜんぜん平気にできる。
 キッチンの高さ以外も、間取り自体、ドアやスイッチや照明やコンセントの位置、床材や壁や天井の色、洗面台や水栓やドアノブの形、トイレットペーパーホルダーの細かい取り付け位置に至るまで、何もかも、自分たちの思い通りにできた。思い通りにできたら何がしたいだろうと二人で考えることは、そのまま、日々の生活をどうしていきたいだろう、という、ある意味においては生きることそのものに近い問いかけになって、ついつい適当に日々を暮らしがちなぼくたちの背筋を、伸ばしてくれたようにも思う。

つまるところは

 家を建てるというのは、三度やって初めて満足できるものらしい。大工の孫である、ぼくの妻からそう聞いた。
 やっぱりこうしたらよかったね、という点はいくつもあるけれど、それも含めて自分たちが決めたことなので、住むことに対する納得感はぐぐっと上がったと感じている。つまるところは、自分で決めたことによる納得感、というのが、リノベーションで得られた効能だった。

 写真はリノベーション後の、アクセントに空色を塗ってもらった壁。
 ピクチャーレールもつけてもらったので、これまで持て余して仕舞い込んでいた絵を、今は飾って暮らせている。

以上。