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今年やってよかった20のこと【プロダクトマネジメント編】

はじめに、これは何か

こんにちは、@kazkobayと申します。普段はアプリのプロダクトマネージャーとしてデザインをしたり、企画したり分析をしたり色々やっています。

今回のエントリでは、今年仕事においてやってよかった事・反省点などを、項目ごとに短文形式で振り返っておこうと思います。

誰に向けた記事か?

未来の自分に向けた仕事の振り返りとしての忘れないようにしたい備忘録と、自分と同じような仕事をしている人に向けた記事です。公開する理由は似たような境遇の方の参考になれば嬉しいと思っています。

※自身の備忘録として書くので、文末はである。などの断定口調になっているところもありますので気になる方はご容赦頂けると幸いです。

主な対象者
・プロダクトマネージャー・プロダクトオーナー
・コンセプト段階で関わっているデザイナー
・サービス企画者・プロデューサー・ディレクター

1.最初はラフに絵を描きながらつくる

私たちが何を作るべきか、何をしていけばいいのか、決まっているという状況は仕事においてほとんどありません。むしろ不確実性が高い物事の解像度をあげ、成功の角度を1%でもあげること、それ自体が僕らの仕事と言えると思います。

その時に有効なアプローチは収束と発散を繰り返すプロトタイピングだと思っています。まずはラフスケッチレベルでいいので、思っている事を図示したりする事を意識しています。
なぜスケッチがいいのかというと、僕はダヴィンチ理論を推しています。数学者・発明家・芸術家様々な顔を持った彼は描く事で、観察・分析・解剖する事で万物の共通点や自身の思考を整理していました。

今までの経験としても「スケッチ」は企画段階で非常に有効なアプローチだと思っています。

2.チームの方向を描く事で指し示す

何かを作ると言う事は、ほとんどの場合1人では完結できません。特にプロダクトマネジメントにおいては様々な専門家たちと一緒に作っていく必要があります。その時に役立つ方法として明快な文章とデザインがあると思っています。

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最近読んだ本の中にいい言葉があったので、ここから引用します。

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実際に今年仕事で具体的に生かした方法としては、プロジェクトの初期段階においてこのような簡単な図を作り、チームと関係者の認識を揃える事に役立てていました。

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簡単なもので良いので、図に落とし込むだけでも言葉だけでは伝わらない抽象的な概念や共通認識もグッと伝わりやすくなると思います。


3.リアルタイムで共有し、考えをアップデートする

最初に考えた事が100%あっている事はほとんどなく、仕事をする中で、アップデートをしていく頻度が一番大事だと思っています。その時に思っている事はリアルタイムに吐き出した方が忘れません。今の時代はSlackで常時つながっている状態なので、自分が思った事や考えた事は発信と他者からのフィードバック意見のループが回る事で、さらにブラッシュアップされます


4.お互いが素直に良い悪いを言いやすい環境を作る

上記のようないいフィードバックループを回すには、自分1人で思った事を呟いていても回りません。そのためチームメンバーと普段からよく話し、お互いの事を認識し雑談をしたり、チームメンバー全体の心理的な安全性を保つ事が大事です。

Googleが研究したプロジェクトアリストテレスで、効果的なチームとは何かを分析したものでは以下のような特徴を持つチームであると定義されています。

・明確な目標をもち
・仕事に意義を感じ
・お互いを信頼し
・心理的安全性があり
・チームの使命が社会に良い影響を与えると信じ
・安心してリスクを取れる


5.作ることに執着しすぎない・何を作るのかを大事にする

デザイナーやエンジニア出身者あるあるだと思うのですが、なまじ作る事ができてしまうから、とりあえず自分で作ってしまう方向にいってしまう事が多いと思います。ですが僕らが目指すのは作ることそのものではなく、作った先のユーザ価値をもたらすことです。こういう方向にいってしまう事をビルドトラップと呼ぶそうです。最近読んだ本からのメッセージを引用します。

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6.意見を出しやすい仕組みをチームで持つ

心理的な安全性が保たれていても、面と向かって話す事は勇気がいる事だと思います。そこでおすすめなのが、メモという形でSlackに話したい事を書いておく方法です。

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こうする事で自分の考え方の整理にもなるし、お互いの考えている事が伝わりやすくなったように思います。

7.チームで作ることを意識する

PdMの意見はあくまで、一つの意見でしかなく、最終的にチームのメンバーの考えを集約し、意思決定する方が精度が高くなると思っています。

2013年7月に投稿されたGraylockのパートナーであるJoshによる「A Product Manager’s Job」記事から引用します

最高のチームは、全員が確かなオーナーシップをプロダクトに対して発揮し、互いにアイデアをもちより前へ進めていくことの出来るチームです。そのため最高のPMというのは、チーム全員からの情報を集め、反対意見に対し説明責任を果たし、コンセンサスを集め(少なくとも全員がプランにコミットできるようにし)、キーとなる意思決定を行うためのコーディネートを進めていく人間です。


8.意思決定のプロセスもできる限りオープン化する

チームで作った時になぜそのような意思決定が行われたのか、どういう背景や意図の元で判断がされたのかも、できる限りオープンにしておく事がチームとしての透明性をさらに高めることに繋がると思っています。

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9.できる限り早く作って壊すを繰り返す(プロトを小さく出し続ける)

最初から構想し、作り上げたものは完成度は10%程度だと思っています。むしろそこからが本当のプロダクトのスタートラインだと思うくらいで、常に作っては壊すを繰り返す必要があり、そういった意味で、組み立てやすさと壊しやすさを最初から考慮しておくことが重要だと思うようになりました。

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10.少しでもアップデートしたら、本番データに寄せて触る

作ったものを正しく評価するためには、できる限り、ユーザが触れる状態と同じ状態で触らなければなりません。そのため少しでもアップデートしたら、その本番データに合わせて触って評価するという事を繰り返すことが、良いプロダクトを作ることに繋がります。

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11.毎日元気で、楽しくいるための努力を怠らない

プロダクトマネージャは正しい意思決定を行うために、常に自分の状態を適切でパフォーマンスが高い状態で保っておくのが大事です。そのため、自己管理を徹底し、いつ何時どの角度から意見をいただいた時も、正常な判断を下せるようにしておくのが大事であり、メンバーとも楽しく開発できる状態を保っておけると理想だと思っています。

12.自信を持って話す

これは元々学生時代から自分が得意ではなかったことでした。弊社CXOの坪田さん@tsubotax にも指摘され、非常に自分のためになった事の1つ。
プロダクトの意思決定を行う上では、自身の考えを理知整然とさせ、様々な意見を持つ人たちと対話し、本当に必要な事を取り入れ、自信を持って話せるようにしておく事が大事です。

13.投げるボールのタイミングを考える

仕事をする上で、相手の状況を鑑みて必要なタイミングで、適切な情報量でボールを投げれる事は意外と大事です。相手が求めているのは、正確なデータなのか、コミュニケーションに寄る思考のアップデートなのか、今のラフな考えなのかは適切に判断し、必要に応じてどういったボールを投げるべきなのかを考慮が必要。

14.チーム外の人の意見をよく聞き、伝えたい事にピントを合わせる

自分たちが深く考え、プロダクトに対しての思いがあるほど、プロジェクトに関係の無い他者からの意見や、より上の立場からの意見を聞き入れにくくなるバイアスがかかります。しかし、往々にして他社からの意見は客観的な視点が多く、深く考えている自分たちの意見が絶対に正しいと考えずに、相手の伝えたいことにピントを合わせて理解をする事が非常に大事だと思っています。

15.上の立場の意見を汲み取り、きちんと議論する

これも同じく、プロダクト外の上司や社長など、より上のレイヤーで考えている人が伝えようとしている意見には素直に耳を傾けるべきだと思っています。自分のレイヤーでは見えない事考慮して相手は話しているので、何を勘所として伝えたくて、どう汲み取るかに神経を集中させ、議論から逃げない事。

16.報告は全体感を伝えて、重要なポイントを指し示す

これも他者の状況を理解しようという事ですが、上のレイヤーにいけばいくほど、日々膨大な情報の中で、スピード感を持って意思決定をおこなっています。その中で、まず全体感としての方針を伝えて、意思決定判断に足る重要なポイントを指し示す事ができれば、ステークホルダーはその判断の良し悪しの判断が容易になります。

17.相談ポイントを作ることで意見を引き出す

意思決定はたとえそれが確実に正しいとしても、1人で全て決めてはいけません。意思決定に関与して、自分の意思が入った状態で決めた、というプロセス自体が重要な時もあります。そのため、事前段階からメンバーやステークホルダーと対話し、相談の場を設けて、きちんとその意見を反映させる意思決定のプロセスを作ることが大事です。

18.言われたことは確実に忘れるので、その場でメモする

日々多くの意思決定をしていると、確実に他者から言われた事は忘れます。できる限りそのタイミングで、他者から見られる場所で、公に何をすべきTodoなのかをメモとして残しておくと良いです。これは、他者の意図がきちんと伝わっているかの確認にもなりますし、第三者からの仕事量の認識にも繋がります。

19.日々、気づきを共有しメンバーと話す

プロダクト開発をしていると、毎日新しい発見があると思います。自分が気づいた事やアイディアは積極的にメンバーと話すことでまた新しい発見に繋がります。毎日朝会で話していますが、スタンドアップMTGで時間をかけずに、ラフなアイディア相談から意思決定・バックログへの追加までを短い時間で行えると理想です。


20.世界を注意深く観察して、毎日を何となく生きない

世の中には様々な事が日々起こり続けています。そのため日々世の中に注意深く目を向け、何が起こっているか、世論はどう動いているのか、人間の生活はどう変わっていっているのか?人間は何に対してお金を払っているのか?など注意深く観察しろと、大学時代の恩師からずっと言われてきましたが、これはまさに起業家やプロダクトマネージャーのような職種をお行う上では、必須のスキルだと思っています。

世の中を注意深く捉え、新しい気づきを毎日少しでも持てるようにする事が大事だと思っています。

終わりに

今年も多くの方々に助けられ、仕事面でも多くの事に挑戦させていただき、プライベートでも健康で楽しく1年を過ごす事ができました。
来年も関わった方に少しでもお返しできる事があれば幸いです。

良いお年をお迎えください。

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