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UCD(ユーザー中心設計)の4原則

今更なのですが、今の会社の採用面接で、

ユーザー中心設計についての知識はありますか?

と訊かれ、

デザインシンキングなら分かります

みたいな中途半端な回答しかできなかった記憶があり、、

社内でもUXについての教育を進めていくとのことだったので、それに先立ってここで、【ユーザー中心設計】についてまとめてみようと思います。

優れたUXを生み出すための【ユーザー中心設計】

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まず最初に、ユーザー中心設計とはサービスやプロダクトによって優れたUX(ユーザー体験)を生み出すために作られたフレームワークのようなものです。

具体的なプロセスでいうと
①調査 →②分析 →③設計 →④評価 →⑤改善 ⑥反復となっていて、あくまで骨格ではありますが、こう言った流れでサービスやプロダクトの開発を進めていくと言った内容になります。

ユーザー中心設計の4原則

ですがこのプロセスを進めていく前に、ユーザー中心設計には4つの原則があります。

・ユーザーの声聞くべからず
・1人のためにデザインする
・手を動かしながら考える
・早期に失敗する

以上の4つ、さらっと書きましたが結構思い切った【原則】です。

例えば1つ目の「ユーザーの声聞くべからず」、ファンミーティングとかで真逆の事やって成功してる会社もあるくらいですからね。

① ユーザーの声聞くべからず

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「こんな機能、こんな特徴があればいいと思う」みたいなユーザーの意見は、しっかりと分析されていないことがほとんどです。

車が無かった時代に、より良い移動手段を市場調査でリサーチしても『もっと早く走れる馬車が欲しい』と言われるだけだ。

これはスティーブジョブズの名言ですが、たぶんこういうことですよね。

またアートディレクターの水野学氏は、

市場調査に基づいてデザインをしても、失敗したときの責任転嫁になるだけ

といったことを著書で述べていた気がします。

これはたぶんどちらも正しくて、市場調査をすること自体が悪いわけではなく、調査結果を分析せずにそのままデザインに反映させても、結果的に失敗したときの責任転嫁になるだけ、といった感じでしょうか。

市場調査自体が悪いわけではなく、ユーザーの声を何も考えずそのまま反映させてはいけないということですね。

② 1人のためにデザインする

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これはなんていうか、既に業界のスタンダードになっているような気がします。

全てのユーザーの要望を満たそうとして、機能を全部付け足したら「コンバーチブルのバンでオフロード仕様の車」みたいな誰も使わないものが出来上がってしまいます。

逆に近年は、この逆をいって成功した例が多いですね

・ipodに音楽の再生機能しかついていない
・ダイソンの掃除機に「モード選択ボタン導入」の強い要望があったが却下された
・バルミューダの炊飯器に保温機能がついていない

これってそれぞれ

・ポケットの中に1000曲を
・吸引力が落ちないただ一つの掃除機
・土鍋で炊いたご飯の再現

みたいな感じで、プロダクトのコア体験を最優先した結果、いらないものは採用しないみたいなイメージなのかなと思います。

ハードウェアじゃなくてソフトウェアの話になると、アプリケーションっていう枠組み自体が1つの体験をもたらすものとして設計されているので、成功しているプロダクトはこの点を強く意識している気がします。

例えばLINEなんか【公式アカウント機能】【ニュース機能】、【広告機能】とか【LINE Music】、【LINE Pay】とか色々やってますが、メインとなるチャット機能を全然邪魔してない、そこらへんの体験設定がすごく上手いなって思います。

③ 手を動かしながら考える

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これは以前の投稿でも少し書きましたが、いわゆるラピッドプロトタイプというやつですね。

(↑パナソニックのデザインエンジニア川島さんの部分です)

早い段階で形にすることで、素早くレビューがもらえるし、アイデアを飛躍させられるということで、最近のデザインツールでプロトタイプ機能が充実しているのはこのためですよね。

④ 早期に失敗する

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ユーザー中心設計では、

・Fast 手遅れになる前に早めに失敗しよう
・Small 大失敗は致命傷になる。小さく失敗しよう
・Often 1回の失敗でめげずに、何度も挑戦しよう
・Smart 同じ過ちを繰り返さないよう、徹底的に原因を究明して“賢く”失敗しよう

とのことで、できるだけ早期に失敗し、それを究明することが大事だと解かれています。

ただ単に作ってレビューして、というフローを繰り返せば良いというわけではなく、失敗にもしっかりとフォーカスするのが大事だということでしょう。

さいごに

参考にした書籍は↓の通りです。


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