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読書感想文「黒い海 船は突然、深海へ消えた」伊澤 理江 (著)
オネスティーとは何か。
ただただ「気の毒」である。あきらかにオカシイと誰からも突っ込まれてしまうことを報告書にまとめ、そのことを聞かれても「わかんない」と答えるのだ。なぜ、そんな木偶の坊が出来上がってしまうのか。安きに流れてしまっているのだ。法的根拠を持ち、事実をもとに公正さを実現しようとする職業倫理に照らし、デタラメを排除し、公明正大であろうとすることだ。仮に、いま、全てをつまびらかに語るには、どんな隘路があって難しくしているかを明らかにするだけでもいい。きちんと自分の頭で考えるべきなのだ。
不運や不幸は襲ってくる。それは天然自然由来ばかりでなく、巨大組織や目に見えぬ圧力、風聞によってもたらされた結果でもある。渦中の者にとっては、訳がわからない現実にただただ苦しい日々が続く。だからこそ、救いがあって欲しい。チンケな保身のために閉ざされてしまっていることは、社会全体の不利益だ。
いつまでも、バカと小心者が作る高い壁に翻弄されてはいけない。本当にそう思う。
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