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意味がない奥様運びの障害物競走

幸福世界一で知られるフィンランドですが、おかしなゲームがたくさんあります。
例えば携帯投げ選手権。
はい、じゃあこれから投げるよ。と通話して現役で使用中の携帯電話をいきなり思いっきり遠くまで投げるのですから、もちろん壊れます。なんて馬鹿なことを・・・と思うけれど、なんというか、この支離滅裂な発想がフィンランド人だったりします。

私が以前から注目して密かに練習までしていたのが、奥様運び競争です。これは、パートナーとペアで出場する障害物競走なのですが、男性が女性をおんぶ、抱っこなんでもいいけれど抱えて走るのです。抱えたまま池に飛び込んだり様々な障害物を超えていくゲームで、女性が落ちたら失格です。落ちないように工夫を凝らした結果、女性が男性の背中に逆さまになって足を首回りに回してしがみつくというエストニアンスタイルが定着してきました。毎年名もないような小さな村で行われる世界選手権で毎年優勝を重ねてきているエストニアの選手団が研究し尽くしてこれが一番だ!となったスタイルのようです。

みている方は大笑いだったりするのですが、実際にやってみたら、過酷なレースです。フィンランド人の友人に一緒に出よう!と誘ったら、半年先のレースに間に合うようにトレーニングする時間が今年は取れない、という真面目な答えが返ってきました。この生真面目さがまた、フィンランド人の典型だったりします。

節分には恵方巻を作って黙ってかぶりつくんだ、と教えたら、大学でみんな一斉にそろってし〜んとして一つの方角を向いて黙々と食べていた、ヘルシンキの何年か前の2月を思い出しました。真面目なフィンランド人は、何をするにも真剣で真面目です。誠実で言葉通りにする人たちです。だから、遊びでもなんでも、真剣そのものというか、一生懸命するのです。だから、携帯投げ選手権だったり、エアギターだったり、奥様運び競争だったりが楽しくなるのです。真面目すぎるほど真面目な人たちなので、ものすごく真剣に遊びます。

遊びというと、気ままに手を抜いてリラックスしてやるものというイメージが強いかもしれないけれど、真剣にエネルギーと時間を注いで、なんの生産性もない無駄なことをやるのが楽しいのです。平坦な道でやればいいのにわざわざ様々な障害物を作って困難にしてそれを楽しんだりするのも遊びです。

どうでもいい、意味ないことを一生懸命にやる。
生産性がないどころかぶち壊したりすることを意図的にやる。
この精神性が、もしかしたら世界一幸福と言われる国民性を表しているのかもしれないと思いました。合理性で説明できない何か、これこそが人生を豊かに面白くしているのかもしれない。

というところで、風の学校Tuuliは、そんなところから真剣に遊んでいるのです。
ご一緒に遊びませんか?

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