光明が差すまで 3/3

囲われてから承認欲求を強引に満たされるまで

こもりでは囲われたりもした。

この月は自分のイベントやって半年の記念イベントと誕生日イベントをやった。
その月の最後がこのイベントであった。
自分にまつわれるイベントは某日の早朝に気づいた自分が関わってないイベントを合わせると、4つ目になる。
別に何となく存在が認知されて、
いてもいい場所ができるだけでよかったのだが、
これがここまで来た。
所属欲求だけではなく、承認欲求まで満たされるとは思っていなかった。

こもりでは謎に慰める会など個人を囲って、
慰労する会が自分の周りで行われている。
元来、イベントごとには冷めて目でみていた性格だったが、
何かあった時に集まってもらえると、
それだけで嬉しいものなんだというのがわかってきた。

この日は最初の方は人が来なくて、無に囲まれており、時期は前後するが、湘南の時と同じようにやはり囲う人間など、
いないんではないかと疑心暗鬼になりながら、人を待っていた。
本来、この日は主賓で人がいる状態で来るのが形としては当然だと思うのだが、
それとは逆で、先に主賓が来てから「さぁ、囲え!」と待ち構えていなくてはならなかった。ダサい。

一瞬、野郎3人呑みになったりと普通の帰りの居酒屋と変わらないような悲しい会になりかけたが、
最終的には人がそろい、今まで店で良くしてくれた人たちが集まった。

本当に平和で良かった。
会の後半、話は8月末の異装バーという仮想や異性装が主体のバーの話となっていた。
あー、そういやそんなのあったなぁ。
自分は別に見た目に自信もなければ、気にもしてなかったし、興味もなかったので、ただ聞いていた。

「フゥムさん女装、似合うと思うんですよね!」

…?何を言ってるんだろう。

「おお、それは面白い」

いや、ちっとも面白くない話が展開されてるぞ。何がどうなってそうなったんだ。

「私、前から言ってましたよね!?」


怖い。瞳孔が開いている。そうか。メンツが悪かった。
危険な人種のダメな組み合わせが自分の会にスターターキットとして組まれてたんだ。
こんな効果があるなんて、説明書を読んでおけばよかった。
イベントと人間の組み合わせでこんな効果が発動するのか。

かくして、俺は33歳になったばかりで初めての女装を計画された。

それから動画見たり、道具買ったり、化粧教えられたりと忙しい1カ月になった。
結構、やっててうまくいかず、嫌にもなった。







元々、肯定感が低く、承認もされてなかったので、
自分のことでうまくいかなくなると嫌になる。
まして軽い醜形恐怖みたいなのも抱えていたので、
鏡や写真は嫌いでこのイベントとはそもそも相性が悪かった。

それでも、周りがあれだけ言っていて、
やらないのも寂しい限りだし、今後はこういう機会もないと思った。
現に9月を過ぎ秋に入って、大きな企画は特になく、
自分が主体になったイベントもなかった。

ここでやらなければ、何も起きずに終わってしまっただろう。

この時、バイトのシフトが増えて忙しくなり、
イベントやその準備を並行していた。
ここでの頑張りが報われ、
公的料金や私的な負債を9月に解消することができた。

そもそも店とかに行かず、
実家暮らしでのんびりやっていれば抱えなくて済むものも多く、
返すものも早く返せたかもしれない。
それでも自分の人生をどうしても生きたかった自分は、
負担を背負ってでも今の生き方を選んだ。
実際のところ、実家暮らしで働いてるだけでは得られないものは多かった。
体験したことのないこと、知らないこと、
新しい出会いなど多くのものに触れられた。

その全てが今日を逃したら明日はないものばかりだった。
それをリアルタイムで受け止めて、体感できてよかった。

金がなくて、生活が大変だからという理由で全てやらなければ、
何もない時間を過ごすことになっただろう。
仕事を辞めて、今の生き方をしている意味がなくなってしまう。
それならば、仕事を続け、少ない所得の中で生きていけばいいだけの話だ。
ただ、その場合は何も得ることはなく、考え方も今より暗いものになっていただろう。

精神面で変われたのは店や人のおかげだ。

が、見た目まで変わることは望んでなく、性癖も変えるつもりはない。
もちろん今も変わってないが、なんでも受け入れてくとこんなことになるのだと思い知らされた。

それからすっかり女装をする人のイメージを人々の脳の片隅に焼き付けてしまったようだ。

しかし、漢だとか言って祭り上げられてしばらくしたら、女装してるなんてどうなってんだ。
この界隈には漢らしい男がいるから大きな声で「俺が漢だ!!」とかは言えないんだけど、少なくとも乙女では絶対にないわけで。

実際の俺はしょぼくれた三十路なんだけど、みんなの概念の中では好きなようにカスタマイズされているようだ。
もう生きたインターネットコンテンツとして頑張っていくので、
面白おかしくやってくれ。

できたら、経済を生んで、お店に富をもたらしていただきたい。

なお、こもりではこういった会を開いたり、イベントをこもりの通常営業と並行してできるので、レンタルスペースとしても使いやすい。
平日にはタロットをやっていたりもして、お酒を楽しみながら、
占ってもらうことができる。
割と的確にズバズバと言ってくれて、
占いというより生き方コンサルみたいな感じで合理的なアドバイスを受けられる。
相談料も普通の占いと比べれば格安なので、相談がてら呑みがてら行くのもありだ。

エデン神田でワチャワチャしてきた

9月にはサポートとして呼ばれたエデン神田で出張mojaバーが行われたが、一体、謎のイメージがついた俺の扱いはどうなるんだろうかと少し考えた。
バイト帰りで余裕がなくて、とりあえず、行くだけ行った。

そもそもエデン神田も3カ月ほど経ったし、mojaも開店して1年過ぎてるのに、どうしてこのタイミングで出張なのだろう?
しかも、店長の他にすでにサポートがいて、呼ばれた理由も謎。いや、わかってはいるけど、カウンターの中に3人もいたらわけわからん。
とりあえず、神田でmojaをやりにいった感じだ。

その前にも1度来店したことはあるが、オフィス街にあり、本当に会社帰りにふらっと寄りたくなるような環境だ。
熱心で気さくな店長がフルサポートしバーテンダーを助け、イベントを成功に導く店だ。


ただ立地がいいというだけではない。綿密なやり取りと日頃の情報交換から得た新鮮な知識を店の運営に導入することで、
盛況な店づくりを実現している。
もちろん、バーの親近感も大事にしていて、初めてバーでイベントをやる人や初来店のお客様にも優しい雰囲気も忘れずに作っている。
noteでもその様子は伺えるので、参考にすると面白い。

今まで都内西側エリア、城西地域ではエデン系列のイベントバーはあったが、都心は初進出となる。
これまでの行われたイベント経験をフルに生かし、より集客力の強いイベントを効率よく企画していった。
そのどれもがことごとく成功し、エデンの人脈を使ったバーテンダーも用意し、さらに盛況ぶりに拍車をかけた。

エデンで培われたあらゆる経営と文化がブラッシュアップされて導入された店がエデン神田という印象だ。

立地、文化、ノウハウ、人脈など全てが先鋭化され、隙の無い店の運営が展開されている。
今は店長の個人努力でその全てを支えているように思えるが、いずれは拡大し、個人の負担を減らし、
より効率的で高パフォーマンスな店として今後も栄えていくだろう。
すでに完成形を見せつつも、今後の成長の余白も見せてくれる将来性の高い、今後が楽しみな店舗だ。

変わる店、新しい店

北千住のおまえンちが大きく変貌を遂げていた。

営業時間帯を一気に夜から朝方に変え、水商売や2軒目の客層を狙う方向にシフトした。とてもムードのあるつくりとなっており、連れていくと
よくこんな店知ってるなぁと評価が上がる。
ネット上の反応もよく、行ってみると時間を忘れる程、リラックスできる。
まだこれから発展する余地があり、こちらも進化が楽しみだ。



エデン界隈ではこちらの記事が話題となった。

もうこの界隈を見ていると東大生が珍しくなくなるのだが、
割とmojaに近いところにあり、気になった。実際にmojaにも来店し、
物件の相談にも来た。とても社交ができていて、
商売するにあたって必要な動きと準備ができてる人だと感じた。

そして、満を持して開店したお店がこちら、ローストビーフである。

エデン会長直々のネーミングである。すさまじいセンス。
なお、ローストビーフは作ってもなければ、置いてもない。(執筆時)
台風とともに開店をしたわけだが、お客様も来たそうで、幸先が良い。
こちらは行ったことないので、何もわからないが、
何となく向こうもわかってなさそうなので、お互いに困惑しながら、
お店にいるのも面白そうだ。
ちなみにこちらが店長出演の動画となる。

関係者でなくても面白いので、観てから感想を伝えにお店に行くのもいい。

バーカウンターの内側に立つ者として

これでも自分もイベンターの一人と言っていいのだろうか。
そうだとすれば、1年近くやってきたにもかかわらず、コンテンツ力が弱く、
もう少し売り上げを安定させないと申し訳ない気にもなる。
いい方法はないだろうか。しかし、自分に売れるものなんてあるのだろうか?

そういえば、前にエデン本店でやらしていただいたとき、相談相手にいいという身に余る評価をいただき、
タロットを勧められたこともあった。
こもりでのタロットとは別に自分なりの方法でやっていければ面白いと思った。

早速、入ったばかりの給料で家賃を下ろし、負債を消し飛ばし、タロットの本を中古で買い、タロットを東急ハンズで購入した。
自分の食事代より高くて、迫りくる貧困を余儀なくさせたが、とりあえず、飯なぞは生きていければ構わない。
それよりもコンテンツの拡充を優先させた。

とはいえ、これを書いてる時点でバイトに追われすぎてて、
タロットに触れられてないので、
書き終わる辺りにはもう少しタロットに構っていけるようにしたい。

さて、他に何か武器はあるか…?


…。

……。


あれか。あれをやるしかないのか…。
占いはこもりで見せてもらい、やったら面白そうと評価ももらったので、
やるに値した。
やはり、人からの評価を受けたものをそのままやるのが一番いい。
0から手探りで評価を積み上げていくのは評価されるかわからないバクチ要素もあるし、ちょっと面倒だ。

で、人から一定の評価を受けてて、認知を受けている手持ちのカードは…。

女装しかねぇ。

自分のこの判断はマジかと思ったが、仕方ない。
いろんな自分の中の自分と多くの協議を重ねた結果、出た結論がこれなんだ。
じゃあ、何ができる?酒?料理?ボクシングやレスリング、武術などの格闘技?
いい大学は出てる?会社は?技能はあるか?若くて何か目指してる?
この何ができるかフローチャートをたどった結果、自分にできることは。

まるっきり何もできやしねぇ。

そうなると、たどり着く結論は女装になってしまう。最悪だ。
だが、神様はいつも自分に都合のいいもので成功させるようにはしてくれない。
これは試練だ。乗り越えて、
ちゃんと売り上げ見込みのあるバーテンダーとしてやってくぞ。

いや、本当はライター志望でやってきてて、
この調子で店とバイトに生きてて、
いつの間にか仕事を辞めてから1年以上が経過してしまったのだ。
しかし、いい機会だし、
これを逃したら先はないのがイベントの運命(さだめ)だし…。

イベント(祭り)を仕事にするのも楽じゃないな。
全然、収入にはなってないけど。

今とこれから

夏に生活と活動のためにシフトの延長を受け入れたバイトは秋には削る予定だ。
代わりに自分の活動はもちろん、
店を通じて得た仕事で臨時収入を得るつもりだ。

本当に人とお金が回ってるところにいると何かしらあるものだ。
バイトはいいように使われ、楽しいことなど皆無だが、
バイトがなければ、今まで書いた全てができなかったので、やるしかなかった。

去年は不安定だが、
入れれば短期で1日長時間入って大きく稼げる肉体労働系の派遣バイトをやっていたが、
健康と精神面、金銭的にも不安定なため、今の固定バイトに入った。
肉体的には楽になり、精神的ストレスは店に入ることで解消していた。

居場所を求めて、自由になった結果、うまくいかなくて、
結局は職探しというオチは散見される。

自分もそういった自由を求めた類に当たるのだろうけど、
今のところ、不幸になったり、
後悔することはなかった。むしろ辞めてなかった方が絶対に後悔してた。

もし会社を辞めてなくてもmojaには客として行っていたかもしれないが、
間違いなく後悔していた。
俺がいなくても別の誰かになるか店長がやってるかもしれない。
それをまた眺めてるだけの日々。もう苦痛でしかない。
会社だけでも苦痛なのに、
それを楽しんでいる人たちを軟禁状態で見させられる日々。
考えるだけでも地獄だ。

睡眠や食が削れようが、精神的に満たされてる今が一番だ。
何となく、目の下のクマもあまりない気がする。
正規雇用の時より不健康な生活を送ってるが、
体調や精神は今の方が良好である。

当然、体力があるからできることでみんなに勧められるものではないけど、
必ずしも辞めたり、突然初めても後悔は意外としないもので、
生きてれば何とかやってける。
ただよく「脱サラして年収が倍増」みたいなおいしい話はなかなかないものだけど、
割と普通にやっている。
ネットに転がっているダメな人の逆転劇なんてのはないが、
別に転落劇もない。
人間というのは極端で刺激的な話しか記憶しないものだから、
すごいうまくやってるか失敗してるかを想像しがちではあるが、
たぶん大半の人たちはのらりくらりやってるんだろう。

よく、一般社会で定期的に定時で働いて帰るような人たちからは、
どうやって生活してるのか?どのくらい稼げるのか?
など、生態について疑問視される。
それは心からの疑問であり、
嫌味であるとか上から見下ろしたいとかではない。
素直にどうやって生きてるかが疑問なのだ。

Twitterで謎の文を書き、店にフラフラ立っていて、いい歳していて。

実際のところはただのフリーターが余暇を使って、
暴れまわっているだけなのだが。

ちなみにこんだけの時間がありながら、
家にいるときは何をしているのかと聞かれると、
結構、追われてて何もできてなかったりする。
だから、バイト先で聞かれた時も答えに窮してしまう。

遊びに行く、バイトに行く、店に行く、終電逃してどこかに泊まる。
部屋にいないことも多い。とにかく動き回ってる。
これを一般人に説明するのは困難だ。
イベント?バー?ネット?何なんそれ。
というところから入るので、
いつも短く応答が済むような会話を頭の中で用意している。

こういうのってあるあるではあるが、
答えたところで理解してもらえないし、
したところで関心なさそうにされて、なんかがっかりしてしまう。

そうなりたくないからこそ、
一般社会で仕方なくやるときはしっかり仮面をかぶり、
周りの人たちが困らないようなコミュニケーションを取る。

でも、これがないとイベントバーの人で完結してしまい、
今まで嫌がっていた組織の中にしかいられないことと変わらなくなってしまう。
それでは本末転倒であり、やはり今の生活になった理由がなくなる。

もちろんちゃんと会社勤めしている人たちに引け目を感じないかというと嘘になるが、
前よりも生きているだけで感じていたコンプレックスはなくなった感じはする。
結構、キャス配信などして話や声までよく言ってもらい、
人間的な部分は受け入れられた感じがする。
見た目、声、考え方など本当に自信がなく、
これがダメだから社会でもやってけないのかと悩んでいた。
でも、社会的能力と人物評価は別で社会でダメだと言われても、
人間そのものがダメなわけではない。

前の自分はそれが分からず、
とりあえず生きてるだけでダメなんだと思ってるところもあった。
正直、前回のnoteに書いてある時期らへんではそういう気持ちを振り払うためにがむしゃらになってたところがあった。

今では毒気が抜けたようなところがあり、自分のいいところも認め、
ダメなところも受け入れられるようになっている。
多分、認知のゆがみが治ってきたというものなのだろう。
そのおかげで攻撃性がなくなり、どこか弱くなった感じもするが、
また別の切り口でやっていくことにしよう。

もう変動的な働き方と生活にすっかり慣れてしまった。
前は嫌でも決まった時間に起きて、労働という拘束時間を耐え、
また決まった時間に寝るような生活をしていたが、
今のこの生活も慣れると調子がいい。

バイトもやっているおかげで多少の社会性は保てている。
割と困るのはそこで、仕事辞めて自由な身になった人たちに言いたいのは、
小遣い程度でもいいからバイトは定期的にしとけ、週3でもいいから、ということ。
特に一人でできる趣味が充実してる人ほど金のためだけに動く時間をどこかで作った方がいい。
社会で人間を保てなくなってしまうから。

生活リズムが他の人間と合わせづらくなってしまい、苦しくなってしまう。
そうならないための訓練とちょっとした小遣い稼ぎだと思ってバイトは必要だ。
また世間の人の気持ちや行動を理解するためにも必要となる。

無職バーなどとふざけた企画をやり始めて以来、知り合いがどんどん増え、
行く先も大分増えてきた。
名刺交換なんてしないけど、Twitterのアカウントで相互になった人数は増え、
その相互は大体会ったことのある人だ。

仕事で得たかったものが辞めてからたくさん得られた。
給料が低いのも確かにきつかったが、それ以上に世界が狭まることが辛かった。

今も金がないのは変わりないが、逆に世界は広がり続けている。
もう正規雇用の時以上に関わった人の数は増え、関係の深さは深くなった。

これから先、不安になるべきかもしれないが、どことなく大丈夫な気がしてるし、
人間いずれダメになるのだからそれを気にしても仕方ない。

本当に気にするべきは自分の意思が自由にできるかどうかではないか。
ストレスで頭が回らなくなって、その中で削られながら生きて、さらに身動きが取れなくなる。
これを繰り返すと魂のなくなった動く屍と変わらなくなる。

そう考えると今の生活を初めてようやく一人の人間として始まった気もする。
今までの人生はそれを迎えるための準備のような感じもする。

これが前向きなのかわからないが、
少なくとも今を生きられるようになっていて、
そう思えたのも店とそれを通じて出会った人々のおかげである。
今の自分を形成してるのは今の環境だ。
この記事が全てを物語っている。この出会いがなければ書けなかった。

一体何が起こるか自分でもわからないが、
さらに半年くらいして振り返ったとき、
また光り輝くような思い出で満たされていることを願う。

はじめへ

読んでいただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。 ところでこの「さぽーと」って何ですかね?神が使う魔法かなんかですかね??良くわかりませんが、これ使う人は人間以上の徳がある人なんでしょうね。