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日常の判断は脳で思考したものではない|脳科学が教える意識と無意識


1.はじめに


おはよう!
目覚めたその瞬間から今日という日がスタートします。
朝は誰もがとても忙しい時間です。

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身支度、朝食、学校や仕事に行く準備…。
帰宅してものんびりできる時間もなく、ぐったりして就寝。

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時間に追われる毎日は、充実しているといってもいいのかもしれませんが、やるべきことだけに時間を奪われ、気付いたらいい年齢になっていた…なんてことも多いのではないでしょうか?
代わり映えしない生活は安定していて、それなりに楽しいのかもしれませんが、より楽しい人生を送るためには少しだけ、思考のパターンを変える必要があります。
ただ、毎日同じことの繰り返しでは、同じパターンの毎日を過ごすだけだからです。そして、同じ思考を繰り返すということは、そのパターンを無意識の領域である潜在意識にしっかりと刷り込まれていきます。つまりそれは、無意識の思考により行った判断で行動をしてしまうことに繋がるのです。私たちは何の疑問も持たず生活をしていますが、実は行動の90%以上が無意識の思考で判断をし、行動に結びついているのです。

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無意識の思考から抜け出して、人生を楽しむにはどのようなことに意識を向けるとよいのでしょうか?
今回は、自動的判断、無意識の思考についてご紹介します。

2.日常の思考


思考とは脳内で考えや思いを巡らせることを指します。
脳が思考する回数は1日に約6万回といわれ、常に何かを考え何かを思っている状態であり、脳内は忙しく活動しています。

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(1時間あたり2,500回、1分あたりおよそ40回。1.5秒間に1回は何かを考えていることになる。無意識で考えていることが多く日頃はあまり気にならないことが多い)
1日6万回といわれる思考の中でも約80%はネガティブな思考をしているといわれ、人間は基本的にはマイナス思考だということがいえます。

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たちは自分の頭で考え行動に移し、日常を過ごしています。
何をどうすればどうなるかを知っていますので、日常の動作は簡単にこなすことができます。
ここで脳科学のお話になりますが、人間の行動の中で意識的に行う行動と、無意識で行う行動があります。
私たちは、どの程度、意識的に行動をしていると思いますか?
80%?
90%?
ほとんどの行動は自分で考えて行動を起こしていると思いますよね。
ですが、脳科学的には意識的に思考し、行動をしている比率は5%程度であり、95%は無意識の思考によって判断をし、行動をしているといわれています。

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しかも、その思考のほとんどが昨日と同じことを考えているのです。
なぜ脳は、昨日と同じことを繰り返し考えるのでしょうか?
それは誰もが日々、安心、安全に生活をしたいと望んでいるからです。

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昨日の行いが安全であれば、今日も同じ思考をすることで無事に生活ができると脳は判断します。
また、人間は変化を嫌う生き物でもあります。
仕事でしたら転勤や職場の移動、学校でしたら新学期や転校する時など、生活環境が大きく変わる時は不安を抱え、大きなストレスになることがあります。
環境に限らず、ちょっとした場面でいつもと違うことに対して違和感を覚える時、ストレスになってしまうこともあります。
私たちの日常の思考は、自分自身でコントロールしているように感じますが、無意識の思考に支配されている状態なのです。

3.顕在意識と潜在意識

 
さて、人間の意識は大きく二つの意識に分けられています。
それは 自分で自覚ができる顕在意識と無意識の領域である潜在意識です。

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まず、顕在意識と潜在意識について簡単にご説明しますね。
顕在意識とは五感・思考・選択・判断といった日常生活を安定的に送るために必要な意識であり、自分で自覚ができる意識のことをいいます。
それに対し潜在意識は、呼吸、心臓といった臓器を動かす力(内機能)・感情・感覚・直感・記憶・想像力など、自覚ができない意識のことをいいます。
それぞれが占める割合として、顕在意識は5%に対し、潜在意識は95%を占めています。
この2つの意識が一致していないと、目標ややってみたいことがあってもなかなか行動に移すことができず、やってみても失敗しやすい傾向があるといわれています。

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そして、日常の行動は、大部分を占める潜在意識によって判断し行動に移しているのです。
思考を司るのは顕在意識ですが、なぜ潜在意識が思考をし、判断をして行動に移すのでしょうか?

4.無意識の行動


先ほど日常生活の行動は95%の割合で無意識で思考・判断をして行動をしているとご説明しました。
考えてみるとほとんどの動作は自動化しているのではないでしょうか?
つまり、特に細かいことは意識的に思考せず行動をしているということです。
食事を例にとってみましょう。
お茶碗やお箸は「手に取ろう」と思って触れていますか?
ご飯は「口に運ぼう」と思って口に入れていますか?
口に入れたご飯は「何度もよく噛んで飲み込もう」と思って食べていますか?
どの動作も無意識に行っているのではないでしょうか?

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このように、人間の行動は95%が無意識に行われているのです。
これは自動化というよりも習慣化していると表現した方が分かりやすいのかもしれませんが、長年にわたり毎日行ってきたことはしっかりと潜在意識に刷り込まれ、顕在意識で考えなくてもすぐに行動に移すことができるようになっています。
これは一見するととても便利なことのように感じますが、習慣化というものは癖と同じようなもので、やめたいと思っても勝手に動いてしまう、また、思い込みや思い癖、人それぞれの観念も同様に、潜在意識に刻み込まれています。

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無意識の思考による行動は楽であるというメリット、そして抜け出しにくいというデメリットもあるのです。

5.無意識のコントロール


潜在意識は意識の95%を占めているために、とても強固な存在です。

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無意識の領域ですので、コントロールすることは難しいことではありますが、どうにもならないという訳ではないようです。
例えば、呼吸は無意識で行っていますが、深呼吸のように自らが意識をして、深く息を「吸って吐く」の動作ができます。

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このように何もかもが制御できないということではないのです。
では、無意識をコントロールするには、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか?
もっとも大切なことは、「心に蓋をしない」ということです。

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意識は基本的には「脳」で認識しますが、無意識は「心」で感じるものです。

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「何となく嫌な感じがする」
「よく分からないけどと何だか楽しそう」
瞬時に出てきた感情や感覚は、心で感じていることです。
その感覚を大切にして下さい。

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それは、顕在意識ではなく潜在意識の声です。
この声を否定せず、一度、頭(脳)で認識してみましょう。
それは無意識を意識することです。

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「どうしてそう感じたのか」
「どうしてそう思ったのか?」
何かの違和感を覚えた時、大きく感情が動いた時など、面倒だと思わず、丁寧に自分の本当の声に向き合ってみましょう。

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そうすることで思い込みや誤った観念を外すことに繋がってきます。
私たちは無意識の思考をコントロールし、行動することで見える世界が広がり、人生をより楽しむことができるのです。

6.まとめ


いかがでしたか?無意識の思考によって行動することは安心・安全な人生を送ることができます。
ですが、思い込みや思い癖、個々の観念は取り外すことによって、より楽しみが増え、後悔が少ない人生になります。
強固な潜在意識と根気よく会話をして、意識を拡張してみてはいかがでしょうか?

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