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植物のお医者さんと呼ばれる花|植物界のヒーラー的存在

1.はじめに


白い花弁が幾重にも重なり、とても愛らしい花があります。
これはカモミールという花で和名ではカミツレといいます。
カモミールというと、ハーブティーを
イメージされる方も多いのではないでしょうか?
カモミールは古くから薬草として利用されており、
様々な効能があることから万能薬とも言われています。
アロエが「医者いらず」と言われているように、
カモミールは「植物のお医者さん」という代名詞が付くほど
有能な植物なのです。
現在、流行りのウィルスにかからない為にも、
免疫力を上げることが話題になっています。
ヨモギ茶や松葉茶。重層やクエン酸など自然派の健康志向が強まり、
西洋医学の対症療法よりも東洋医学の代替療法に注目が集まっています。
カモミールは薬草としての認知度はまだまだ低いかもしれませんが、
様々な効能が期待できる植物なのです。
カモミールにはどのような秘密が隠されているのでしょうか?
今回は、母なる薬草、カモミールのパワーについてご紹介します。

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2.カモミールの歴史と特徴


さて、カモミールはハーブティーとして有名ですが、
主に利用されているのは1年草のジャーマンカモミールと
多年草のローマンカモミールの2種類に分けられます。
ハーブティーとして飲まれているのはジャーマンカモミールで
ローマンカモミールはアロマエッセンスの精油として
利用されることが多いようです。
ジャーマンカモミールとローマンカモミールの見た目はそっくりで、
一目見ただけでは見分けがつかないかもしれませんが、
あるポイントを見ればすぐに分かるようになります。
花の中央にある黄色い部分に注目してみて下さい。
黄色い部分が突起していて、花びらが下垂しているのが
ジャーマンカモミール、そして、黄色い部分が平らになっているのが
ローマンカモミールです。
また、それぞれの精油を抽出してみるとジャーマンカモミールは
青色っぽい精油になり、ローマンカモミールは
黄色っぽい精油になるのです。

1年草…種を蒔いたその年のうちに発芽し、花が咲き、
   種をつけ、枯れる植物

多年草…同じ株から何年も枯れずに続けて花を咲かせる植物
   基本的に冬でも葉が枯れずに残っている

カモミールの歴史は古く、世界中で薬草として利用されていました。
ローマンカモミールは古代エジプトの時代では太陽神、
ラーに捧げる大切な植物で、治療薬として高い評価を得ており、
ラーを象徴とする花でもありました。
ローマンカモミールが咲き誇るその姿が、
太陽の光のように見えることからも、
太陽神ラーを象徴する理由の1つだったとも言われています。
日本には江戸時代にカモミールが伝わってきたと言われています。
その頃の日本は鎖国をしていましたが、
交易のあったオランダとポルトガルからもたらされたようです。
カモミールの原産地はヨーロッパで、
現在では世界中の至る所で栽培されており、
温暖な地域では野生でも育ちます。
その繁殖力はとても強く、踏みつけられるほどよく育つと言われるほど
生命力に満ちた植物なのです。
そのたくましさから、カモミールの花は謙虚さと
忍耐の象徴
とされています。
また、カモミールの近くに生えている植物は健康になると言われており、
植物界のヒーラー的存在でもあるのです。

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3.カモミールの効果


さて、可愛い姿と強い生命力を持った
カモミールにはどのような効果があるのでしょうか。
先ほども少し触れましたが、カモミールにはジャーマンカモミールと
ローマンカモミールの2種類に分けられます。
それぞれの使用方法と効能をご紹介しますね。

【ジャーマンカモミール】
ジャーマンカモミールは主にハーブティーとして利用されています。
青リンゴのような甘くフルーティーな香りで、
自律神経の中でも副交感神経が優位となり、
リラックス効果が期待できます。この甘い香りに鎮痛効果があり、イライラ感や疲労を鎮め、安眠効果も期待できます。
また、ドイツでは抗炎症作用があることから、
濃い目のカモミールティーをマウスウォッシュとして使い、
歯肉炎や口内炎の治療として利用しています。
さらに保湿の効果もあることから、入浴剤、シャンプー・リンス、
化粧水などのスキンケア用品としても利用されています。
また、身体を温め、発汗作用があることから、
風邪の初期症状を緩和させる効果もあるようです。
カモミールティーはリラックスの効果がありますので、
寝る前に飲みますと、安心感が増しよく眠れるようです。
また、ポプリとして利用することもできます。
乾燥させたカモミールをガーゼのような薄い布で包み、
枕元に置いて眠ると、甘いほのかな香りで
リラックスの効果があるようです。

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では、ローマンカモミールはどのように利用するのでしょうか?

【ローマンカモミール】

ローマンカモミールは口にすると苦味があるために、
ジャーマンカモミールのようなハーブティーとしては向かないようです。
ローマンカモミールは主に精油として利用されています。
カモミールの精油は採油量が少ないため少し高価な精油ですが、
それだけの効能がある精油です。
その利用方法として、ティッシュペーパーに精油を
一滴落として枕元に置くだけで、
寝室がほんのり甘く優しい香りに包まれリラックスできます。
ジャーマンカモミールと同様、イライラ感や疲労を鎮め、
安眠効果も期待できます。
また、髪のツヤをよくする働きがあり、
ヘアオイルや精油をシャンプーに少量混ぜて、
ヘアケアとしても利用できます。
また、アロマバス、マッサージなどで使用することで、
抗アレルギー作用、抗炎症作用をもち、湿疹やじんましん
アトピーなどの症状を和らげ、ニキビのケアにも有効です。
肌に弾力と潤いをもたらすといわれ、
化粧品の原料としても利用されています。
使用上の注意点としまして、キク科のアレルギーをお持ちの方や
妊娠中の方の使用は避けて下さい。

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4.まとめ


いかがでしたか?
周囲に生えている植物まで元気にしてしまうというカモミール。
リラックスの効果が高く、不安、怒り、緊張を解きほぐし、
心を穏やかにさせてくれます。
免疫を上げるには様々な方法がありますが、
何よりもストレスを抱えず、
穏やかに毎日を過ごすことが一番かと感じます。
リンゴのような優しく甘い香りのカモミール。
その花言葉は「逆境に負けない」です。
逆境に負けない・・・それは、
現在の社会情勢を表しているとは思いませんか?
みなさんも、カモミールのパワーを
生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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