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神社を守護する眷属神とは?|稲荷や狛犬も眷属か?

1.はじめに


日本には「八百万の神」という言葉があるように、
数えきれない程の神様が存在するとされ様々なものが
信仰の対象となっています。
トイレにはトイレの神様がいる。
井戸には井戸神様がいる。
木には精霊が宿っている。
米粒一つ一つにも神様が宿っている。
そのような言葉を一度は聞いたことはありませんか?
神様は何にでも宿っており、人間にも、動物にも、植物にも、
自然にも、どこかの場所にも、
食べ物でも神様は宿っているという神道の概念です。
この概念は、どのような物にも感謝を捧げ敬う心を養い、
豊かな想像力を持つことからも、
日本人独特である思いやり精神の根源となる教えなのかもしれません。
さてみなさんは、神様の中でも眷属神と呼ばれる神様をご存知でしょうか?眷属とは、簡単に言いますと動物の姿をした神様の使いです。
とても強い霊力をもった眷属には、どのような種類があるのでしょうか。
今回は霊力を持った動物、眷属神についてご紹介します。

2.眷属神とは?


眷属という言葉の意味を調べますと、
親族、同族、一族といった血の繋がり、
又は、従者、家来、配下の者のように隷属身分といった意味もあります。
では、眷属神とはどのような意味なのでしょうか?
眷属神とは神の使いのことを言い、人ではなく動物の姿を持つ存在で、
龍のように架空の存在も含まれています。
神に代わって神の意志を伝えるなどする役割を持っており、
神様同様、強い霊力を持ち人々を守っているのです。
全国の神社にはそれぞれの眷属が祀られています。
神様の波動はとても高く、
人間が直接見たり話をしたりすることはできません。
眷属神は神の使いであることから、
神様と人間を繋ぐ橋渡しのような役割を持っているのです。
また、眷属神は心が清らかな人間をとても好んでおり、
守護して下さることがあります。
眷属神に守られている人は、悪いものを避け、
良い運気を引き寄せてくれるというありがたいご加護を受けています。

3.狛犬の存在


さて、神社や寺院の入り口や本殿の左右には狛犬が配置されています。
狛犬は架空の生き物ではありますが、眷属神ではないのです。
狛犬は犬という文字が入れられていますが、
立派なタテガミがあることからも獅子に似ていますよね。
とても強い眼力で出迎えてくれる狛犬は、
邪気を祓う霊獣で境内や神前を守る役割を持っています。

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左右一対となって拝殿前や参道に設置されており、
一般的に向かって右側の狛犬は口を開け
左側の狛犬は口を閉じています。(例外もあります)

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口が開いている方は「形」、口を閉じている方は「うん形」でこれが対となって「阿吽あうん」となるのです。
(逆のものや両方とも口を開けているものなど例外もあります)
この「阿吽」とは、もともとインドのサンスクリット語の
最初の音「あ」と最後の音「うん」を表しており、
「宇宙の最初と最後」を意味していると言われています。
全ての神社に狛犬が設置されているということはなく、
狛犬が眷属として設置されている神社もあり、
どちらにしても神様や神社を守護する役目を持ち
いつも目を光らせているのです。

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4.稲荷神社


さて、狛犬が眷属神ではないことはお分かりいただけたかと思いますが、
全国には「稲荷」という名称の神社が点在しています。
「お稲荷さん」と呼ばれる稲荷神社にはキツネの像が祀られていますが、
実はお稲荷さんにはキツネの神様が祀られているのではないのです。
神様として祀られているのは宇迦之御魂大神うかのみたまのおおかみまたは倉稲魂命うかのみたまのみことと呼ばれる稲作や農業の神様なのです。
そのため、農家の豊作や飲食店などの商売繁盛、
厄除など生活全般のご利益があると信仰されています。
つまり稲荷神社は生活に密着した神様が祀られているのです。

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稲荷神社のキツネは神様の使いであり眷属神です。
キツネ像は神様に失礼がないように
参拝者を厳しい眼差しで出迎えているのです。
キツネ像の口には稲穂、宝玉、鍵、巻物など、
神社によってくわえている物も違いそれぞれ意味があるのです。
稲穂…五穀豊穣
巻物…知恵の象徴
鍵…宝蔵を開く秘鍵ひけんを象徴
宝玉…穀霊の象徴  このような意味を持っています。

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5.眷属の種類


では、眷属神と呼ばれる種類は、どのような存在がいるのでしょうか。
【龍】
龍は架空の生き物であり、眷属神の中でも波動が高い高級自然霊です。
龍に神と言う文字を加えて「龍神」と言われるように、
眷属でありながら神様と同等と言ってもいいほどのパワーを持っています。その中でも箱根にある九頭龍神社は龍神を祀る有名な神社です。
【鶏】
天の岩戸に隠れてしまった 天照大御神を
誘い出そうとしてニワトリを使ったところ、
天照大御神を岩戸から出すことに大成功しました。
この常世とこよ長鳴鳥ニワトリ が天照大御神の使いと呼ばれるようになりました。
三重県にある伊勢神宮では 鶏を放し飼いにしているそうです。
【狐】
先ほども触れましたが稲荷神社を守護する眷属としてキツネがいます。
京都の伏見稲荷大社が有名で、全国に3万社以上もある
馴染みの深い神社です。
商売繁盛や五穀豊穣といった御利益があると言われています。
【鹿】
奈良県の春日大社では鹿を「神鹿」しんろくとして扱われています。
当時の貴族が残した日記の記述から参拝をする際に、
鹿が頭を下げたこと、鹿を見て幸運の兆しを
感じたことなどから鹿を特別な存在とし、
神様の使いとして今でも大切にされています。
【牛】
太宰府天満宮、北野天満宮、東京の牛島神社など
眷属として牛が祀られています。
「撫で牛」と呼ばれる牛の像を撫でると頭が良くなる。
病気やケガが治ると信仰されています。

この他にも鳥取県、出雲大社の蛇
滋賀県、日吉大社の猿
神奈川県、鶴岡八幡宮の鳩などがあります。

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6.まとめ


いかがでしたか?眷属神にも人間と同じように
感情があると言われています。
そして眷属神はとても強い力で
人間をサポートしてくれると言われています。
その半面、願いを叶えても感謝の心が欠けている人には、
それなりの厳しい見返りもあるために
軽い気持ちで願ってはならないとも言われています。
常に感謝の心と魂の成長を心がけていれば、
眷属神は人生をサポートしてくれることでしょう。

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