『あるべき成仏宴』(裏お題)#毎週ショートショートnote
*ああ無常
「あるべき・・・とは、希望的願望でしかない。
だから成仏に際する宴にせよ、束の間の夢。
即ち・・・その宴によって成仏できるか否かも必然のままに。」
「迷う魂が多すぎて・・・せめて、宴によって
安らぐ気持ちのままに送り出してやりたいのですが・・・?」
「『あるべき成仏宴』。いいじゃないか!」
「えっ? いいのですか?!」
「迷える魂を・・・さらに惑わせるのも妙味!」
「ありがとうございます!!
趣向を凝らした宴にしたいと思います!!」
かくして『あるべき成仏宴』は開催された。
参加者はその命を失ったまま《行先》を見失った魂の面々である。
見失ったとはいえ、選ばれた迷輩の一同だった。
少しでも・・・と、彼らはそれぞれに生きた世界の心地よい名残りを
求めて・・・迷宮の中、引き寄せられるように各所を目指した。
一同がそれぞれに幸せだった時の・・・束の間の再体験の後、
出口を開けて目にしたのは【地獄門】だった。
もとより一同の誰もが・・・
《成仏》とは真反対の宿命を背負っていたのである。
地獄の門番の企画に、もっともらしく答えていた
閻魔大王の思惑はともかく・・・
変哲ない地獄の景色に
一遍の変化をもたらせたイベントだった。
【歓迎・地獄】
*このお話はフィクションであり、実在の人物、施設、出来事、
宗教等とは一切の関係がありません。
*こちらに参加させていただいてます。
今回のお題は 『なるべく動物園』
裏お題が・・・『あるべき成仏宴』でした。
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