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『あの日の映画館』紅葉鳥 #シロクマ文芸部

*昭和の景色で失礼します


「紅葉鳥」が「もみじどり」で【鹿】さんのことだとは知りませんでした。
検索すればすぐに答が得られるのですから・・・奇跡の時代ですね。

鹿といえば『バンビ』ですが、小2の頃に買ってもらって宝物だった
【動物図鑑】に、「バンビはバージニアという鹿の種類に限られる」と
書かれてあったことを覚えたままでいます。

『バンビ』を映画館で観た記憶があります。
自分がまだ小学校に入る数年前だったと思います。大きな街の映画館で
満員御礼以上の盛況ぶりだったのを覚えています。なので、幼くもあり
人波に酔い・・・あまり居心地の良い鑑賞気分ではありませんでした。

同じ時期には『キングコング』や数々の《三文西部劇》も父に連れられて
観ました。両親の離婚以前に母と観た『ダンボ』は哀しい印象のままに
記憶に遺る映画でしたし、同じころに観た『白鯨』もトラウマのように
印象的な恐ろしい映像が記憶に刻まれたままです。3歳か4歳の時でした。

鹿さんの話がいつの間にか映画に移ってしまったので続けますが(笑)
もっとも旧い記憶に遺る映画館の話をさせてください。
たぶん父の実家のある町にあった映画館だったと思います。そこでの印象は
数回だけで、後に座席のある映画館に変貌していましたから貴重な記憶です。noteに在籍されるほとんどの皆様のご存じない大古のお話です。

上映されていた映画が何だったのかは覚えていません。たぶん時代劇でした。『鞍馬天狗』とか坂東妻三郎の映画も観れた時代でしたから大昔です。

さて映画館。
その小さな町にあったと思しきその映画館の床をご覧あれ!(無理!w)
自分がたぶん2歳くらいの記憶ですので「板張り」だったか「畳敷き」
だったか定かではありませんが、その映画館の床はやや傾斜のある《平面》で・・・各自が持ち寄った《座布団》の上に思い思いのポーズで鎮座しておりました。食べ物を持ちよったり、モウモウ~たる煙草の紫煙があちこちで
立ち上っていました。そんな景色でさえ平和な時代でした。

さぁ・・・照明が落ちて、暗い会場の緞帳が開きます。そして上映開始☆
もちろん会場は《歓声》と《大拍手》に包まれます。一大イベントです!!
画面を見入る会場の静寂を襲うように大音響の映画が進行します・・・☆

主役の見せ場ではもちろん《歓声》と《拍手》!!
大団円ではもちろん会場が壊れんばかりの《大拍手》の中・・・
横断幕が威厳をもって閉じるのでした。
まだ2歳だった自分の前でそんな風景が繰り広げられたのでした。
【終】・・・じやなく、、

この映画館も、私の両親の離婚により父方の祖父母の家で暮らすように
なってから改築されたようで《椅子》のある映画館に大躍進しました。
その映画館でも、自分が小2で転校するまでの間、様々な映画を観る機会を得ました。東映の時代劇や松竹、大映・・・映画の内容も様々です。

例えばデビュー当初の子供の美空ひばりさんがピーターパンのような扮装で飛び回っていたり・・・『哀しき口笛』なんかも覚えています。
多羅尾坂内の片岡千恵蔵や、市川歌右衛門や高田幸吉の映画や・・・
お子さまが見ちゃいけない恋愛映画や、、そりゃもう種々雑多。
佐田啓二 (中井貴一の父)の『青い山脈』を観たのも小学生になる前でした。(笑)

・・・って、つい想い出話になってしまい、『紅葉鳥』からだいぶ脱線して
しまいました。 それでもお座敷小屋のような大昔の『映画館』の映像の
イメージを少しでも提供できていたら幸いです。

では・・・これにて。 お粗末様でした。


【終】



こちらに参加させていただきます。

*「紅葉鳥」から始まる小説・詩歌・エッセイ
締切は11/5(日)21:00。


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