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『響く礼節をペンペンしてみる』① #毎週ショートショートnote・裏お題

*かぐや姫の憂鬱


「それが貴方の精一杯の礼節? そのレベルで
私に響くと思ったなら残念ね。」

かぐや姫に求婚した男たちは、かぐや姫の出した無理難題に
応えることができずに全員がポイされました。

どの男からも《心に響く礼節》が感じられなかったことに
一抹の寂しさを感じながら月を見上げました。

私はこのまま月に帰るだけなのかしら・・・

床の間の竹に活けてあったナズナを手に取りました。

上に咲いている可愛い花が私だとしたら
茎のあちこちにいっぱいいるのが男たち?

葉のような果実は男たちの心の形(ハート)のように
私を求めて見上げていたのね?

数本の果実の茎を少しだけ押し下げ
でんでん太鼓のように振ると、小さな音が聴こえます・・・

ペンペンペンペンペンペンペンペン・・・・

儚く散った男たちの鼓動のようです。


ナズナの別名はペンペン草。

多くのハートの形の果実が ペンペン 打ち合って
微かに響く男たちの哀しい礼節を弔っているよう・・・?


かぐや姫はそっと囁きます。

ペンペン!

【完】

(410字)



*この物語はフィクションであり、実在の人物・出来事・場所
名称・事件等とは一切の関係がありません。


*こちらに参加させていただいております。
今回のお題は 『秘密警察を宣伝してみる』
裏お題が・・・『響く礼節をペンペンしてみる』でした。
少しですが #シロクマ文芸部さんの『書く時間」から始まる』にも
関わったことをお許しください。😅

#毎週ショートショートnote 

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