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しずかに

階段の方から蛍光色がこぼれる
三角に折られた敷布団の頭の方だけ持ち上げると思った以上に大きくうつる。小さく見えていたそれはただの錯覚なんだろうけどどこにそんな巨体を、隠していたのかとほんの一瞬不思議に感じる。

子どもたちに寝る準備しようねっと伝え横にならせゴロゴロと動き回ってだんだんと冷たくて心地よい場所に落ち着くのを待つ。そのあいだ、会話する時間が生まれる。

仕事が終わって、お風呂に一緒に入って、ごはんを食べる。洗い物と洗濯物は機械に任せて僕は小さな歯ブラシを担当するのが日課のようになってきた。

妻は湯船に浸かる。今朝から体調が悪いらしく仕事中も一瞬だけ記憶が途切れたらしい。とにかくここのところオーバーワーク気味だったことを思い返し反省しつつ子どもに続いて早く寝てもらう。


自分のことならよくわかる。正直体調が良いわけでもないし、仕事だってミスや覚えなければならないこと勉強しなければならないことで時間も足りないが体力も足りてないし、なんなら心に余裕がない。

お湯のタンクがなかなか貯まらない。

それに似てる。

上司のグチや指摘から成長してるのかわからない仕事ぶりに顔をのぞかせるのは不安や不満ばかり。

自動でたまってくれるはずのものを、ネガティブからポジティブなものに変換できたら楽かもしれないなーと、頭のなかをよぎる。


机の上を占領する塗り絵。
夕食の後、テーブルを拭きながらテレビを見ていたら可愛いでしょーと満面の笑顔

最近上手になったと褒めてあげると

得意げに続きを描き始める。お手本を見つけてよく観察するようになってきたみたいで成長が伺える

彼女も知ることが増えてきてできることが増えてるのが楽しいみたい。どんどん吸収して自分にとって大切なものをこれから見つけていってほしい

たくさんじゃなくて良い。
これは大事だと思えることに出会えるといいなと願いながら。

ついさっきのできごとを
振り返りながらしずかに灯りを消すことにする

窓に映る自分の顔は暗すぎて今はよくわからない

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