将棋日本シリーズの藤井二冠 VS 豊島竜王戦は後手・豊島竜王の勝利

まさかの豊島竜王勝利でした。絶好調の藤井二冠相手にそろそろ1敗してもおかしくないかなと思っていましたが、豊島竜王の強さを感じた1局でした。藤井二冠相手に公式戦5勝0敗は恐るべしとしか言い様がないです。

Abemaで無料で見られるので、ファンなら是非見てほしいです。終盤に入ってどちらが勝利してもおかしくない大熱戦でとても面白い将棋でした。

まず序盤からびっくり。凄いスピードで序盤が進んでいきますが、後手の豊島がまさかの横歩取り！　私は角換わりの予想をしていただけにとても意外でした。豊島は自分が先手を持っての横歩取りは7月8月にも3局経験していますが（豊島の1勝2敗）、後手で横歩取りに誘導するのはおそらくここ数年経験がないはずです。なので豊島としては敗局を研究し、後手で横歩取りをぶつけてみようと思ったのでしょう。

Abemaの評価値は封じ手の後しばらくは藤井が指しやすいとしていたが、それからじわじわ豊島が追い上げてくる。それで豊島が評価値的にはかなり優勢になった局面から、息もつかない終盤戦となった。藤井二冠にも勝てる局面はあったと思うが、1手30秒の秒読みではさすがに読み切れなかったということだろう。

豊島と藤井は1ヶ月も経たないうちに（10月5日）王将戦リーグで対戦することが決まっている。こちらは長時間対局であり、どうなるか楽しみだ。

なお、藤井は9月22日に王将戦リーグで、羽生九段と対戦することが決まっている。藤井はこれまで羽生相手に3勝0敗と圧倒しているが、どうなるか。

そして、豊島はその前日の9月21日に叡王戦第9局（VS 永瀬二冠）が控えている。この対局に勝利すればタイトル奪取で2冠復帰できるため、非常に重要な対局だ。こちらも目が離せない。