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何を隠すか、表すか。

隠しコマンドが好きだ。

そこには、遊び心がある。そして、もしかしたら一生誰にも見つけてもらえないかもしれないけれど、それでもこっそり忍ばせておくというところに興奮を覚える。

大工が城の屋根裏に、自分の墨壺を置いてくるような、粋な心のように思う。

Google検索画面の隠しコマンドは有名な話だが、1番身近なものはゲームの裏技じゃないかと思う。

マリオのショートカットはきっと誰でも通った道だろうし、ファミコンを持っていた人であれば「上上下下左右左右BA」という謎の呪文を、一度は唱えたことがあるだろう。

・・・

今でこそ、あまりゲームというものをやらないが、私が小学生の頃、我が家にスーパーファミコンを導入することとなり、皆で1人1本だけソフトを買ってもらうことになった。

父は「ワイアラエの奇蹟」(ゴルフゲーム)、
母は「テトリス2」(何故が2)、
姉は「ぷよぷよ」(ド定番)、
兄は「聖剣伝説2」(RPG…そして2)、
私は「ポップンツインビー」というシューティングゲームを買ってもらった。

独り占めせず、全員がそれぞれのソフトを使っていいということになっていたが、兄の聖剣伝説2はRPGでセーブデータが幾つも作れないし、そもそも難しくてよく分からなかったけど、ただ見ているだけで楽しかったのをよく覚えている。

今はあんまり思い出せないけど、とにかく絵や音楽が素敵だと思っていたし、ポポイとかプリムとか、登場人物の名前も可愛かったというのも印象的だった。

そして、兄は友人から仕入れた裏ワザや小ネタを嬉しそうに私に見せびらかしていた。

それがとても楽しそうで、羨ましかった。
そして、私のポップンツインビーにはないか…と思ったが、そもそもこのソフトを持ってる友達もいなければ、多少見つける努力はしてみたものの、自分で見つけられるほどの意欲とアイデアは持ち合わせていなかった。

今でこそ、検索すれば隠しコマンドや裏技なんて山ほど出てくるけれど、あの頃はまだパソコンもインターネットもなかったので、そんなものを見つけるのは至難の技だ。

遂に、ひとつの裏ワザにも出会うことなく、今に至るのだが…今、私の手にはスマホがある。

試しに調べてみると、やはり隠しコマンドはあったようで、どうやら8つの裏ワザが存在していたらしい。

そして、そのどれもが「そんなの分かるかい!」と突っ込みたくなるようなもので、小学2年生の私には見つけられないのも当然だと思えた。

・・・

これらのようなものは、見つけられないように隠しておくからいいのだ。

むしろネットが普及した現代では、隠しコマンドは隠れておらず、検索をかければ3秒で見つけることができてしまう。

それでもきっと、今日も隠しコマンドを作るゲームクリエイターがいて、探し当てようとしてゲームをやりこむ人がいるだろう。

ただ。

残念ながら、今の世の中は最近は人の悪意とか非難とか、嫌なものばかりが表出し溢れていているように思う。

私の周りにも悪意や非難の言葉で傷つけられてしまった人がいるようで、それはとても悔しく悲しい。

そんなものは、検索しても一生見つからないように隠しておいて欲しいものです。

今後も有料記事を書くつもりはありません。いただきましたサポートは、創作活動(絵本・書道など)の費用に使用させていただきます。