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1秒が1秒以上に感じるとき

仕事で講習や研修を実施しているときのこと。

ひたすら喋っていると時間感覚が麻痺してくるのでチラチラの時計を気にしてみたりする。

仕事中に私がつけるのはアナログ時計で、秒針までついているものなのだが、ふとこれを見た時、異常に1秒が長く感じる時がある。壊れてしまったのかと疑うほどに。

当たり前だが、時間は均一に、常に性格に時を刻むことが前提である。

それなのに、1秒を1秒以上に感じてしまうことは、ただの気のせいなのだと思うしかなかった。

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高校生対象の模擬講義を見るのが好きだ。

動画サイトや各大学のHPに上がっているものを探して、とりあえずタイトルだけで面白そうなものを片っ端から見ている。

自分の分野外のことであっても、対象が高校生であることから、先生方もなるべく平易な言葉で説明をしてくれるので、無知なものでもそれなりに理解することができる。

とてもありがたい。

先日も通常であれば絶対避ける理解分野の模擬講義を聴いていたのだが、私が時計を見たときに感じた「1秒が1秒以上に感じる現象」には名前があることがわかった。

人は通常、今見えている映像とその少し前の映像が見えている。ただし、突然時計を見たときは秒針が止まっている映像しか見ているものがなく、1秒を長く感じてしまうらしい。

つまり、速い眼球運動の直後に目にした最初の映像が、長く続いて見えるという錯覚だ。

この現象の名はクロノスタシス。

なんとかっこいい名だろうか。

そして、私が気のせいだと片付けたものの中に、研究者が調べ上げた科学的根拠に基づく現象があるのかもしれないと思った。

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この動画を見たとき、全てを理解した訳でもないし、主軸はある仮説について話されていたのだが、どうも納得できないと思うこともあった。

実際、その仮説名で検索をかけると、検索候補の2番目に「批判」という文字が出てきた。

まぁ賛否両論である仮説であることは間違いない。仮説は、あくまで仮説である。

ただ、正解不正解や信じるか否かは抜きにしたとして、人の話を聞くのは本当に楽しい。半信半疑であっても自分の分野以外の人の話も聞いてみたいと思える。

そのことを職場の上司に話したら、宇宙語を話す人達に会ってみないかと言われた。

なんでもその人たちは、様々なものがよく見えるらしく、宇宙語を話すだけでなく、前世や未来なんかも見てもらえると。その上司も一度行ってみたけど、とても勉強になったからお勧めすると言われた。

あまりの胡散臭さに、アナログ時計を見ずとも、1秒がとてつもなく長く感じるくらいの沈黙に包まれたあの現象にも、名前はあるだろうか。

今後も有料記事を書くつもりはありません。いただきましたサポートは、創作活動(絵本・書道など)の費用に使用させていただきます。