双極性障害とハローワーク
仕事の都合でハローワークに行ってきた。
ハローワークと聞くと、仕事を紹介してくれる場所を想像する。
私も昔はその程度の認識しかなかった。
けれど、実際はもっとたくさんの仕事をしている。
例えば、仕事を辞めたら次の職場で働き始めるまで失業手当がもらえるという、離職票の手続きがある。
会社を辞めたら、源泉徴収票と一緒にもらえたりする、字がたくさん書いてある書類だ。
私も仕事を辞めれば、手当がもらえる。
ただ、手当をもらい始めるのが申請から3か月2ヶ月後とかで、じゃあ2か月どう生きればいいんだ?と不安になってしまう。
結局、働かないと生活ができないのだ。
ハローワークには、そんな仕事に駆り立てる匂いが漂っている。
諸々の手続きを済ませた私は、窓口を後にする。
平日のハローワークは、『仕事を探しに来ている人』はほとんどいなくて、私みたいに『仕事で来ている人』がちらほらだった。
1階の入り口には、求人が貼り出されている。
介護、倉庫、清掃に調理スタッフ。
どれも私みたいなコミュニケーションを苦手とする人たちに合いそうな仕事だ。
イラストの女性や男性が微笑んでいる。
「初心者大歓迎♪」と、とても楽しそうだ。
…働かないと、笑えないんだよな
だけど、働いているときは、笑えないんだよな
求人票の横には、派遣社員と正社員の年収が、年齢ごとにグラフで表記されていた。
全く上がらない派遣社員と、階段のように登っていく正社員。
このグラフを見せて、果たして働く意欲が湧く人はいるのだろうか。
自分の将来を見せつけられて、働いても年収が上がらないじゃないかと、傷つきはしないだろうか。
そんなことを思えるのは、正社員で働かせてもらっている私のおごりだろうか。
仕事をしないとダメ。
仕事するなら正社員じゃないとダメ。
正社員ならもっと給料を上げないとダメ。
ダメなことばっかりだ。
ハローワークに来ると、そんなことを思ってしまう。
それでも、仕事は自分を社会に繋ぎ止めてくれる役割がある。お金のために働いているのはもちろんだけど、それだけじゃないのは誰もが思っていることだろう。
ハローワークは仕事を紹介しているだけではない。社会への参加を促しているのかもしれない。
お互いに「こんにちは」と言い合えるだけでも、仕事に行くとちょっとだけ救われる。
そんなことを思った。
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