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Dead Head #6_103

 やばい仕事だろう。だが、一枚ならまずまずというところだ。
「今じゃない。夕方五時、ここにいろ」言い残し男は離れた。使えそうな者を漁りに行くのだろう。

二 バット
 ベンチに引き返し横に。夕方まで、ここで時間を潰すしかない。だが、今日はあいにく日曜。ベンチは明け渡さないとならない?それが礼儀?未だ僅かに生気を残した生活者達に。浮浪者たちは植え込みの暗がりに引っ込んでいる。誰が決めたわけじゃない。
 暑気が生活者達をベンチの据えられた木陰に追いやる。子供に手を引きずられた爺。散歩犬に綱で引きずられた中年女。金属バットを振り回す少年。ちょっかい出してくる奴は、誰もいないと願いつつ、いつの間にか眠っていた。うとうとした頃、金属音。起きあがると、塵箱をバットで叩く少年が。