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Dead Head #13_110

 あの言葉が浮かぶ。流転禁止。

三 心が落ち着きます
「行くぜ」鉄柵に座っていると、手配師が声をかけてくる。
 路肩に止めた古びたワンボックス。手配師が首を傾ける。扉が開く。黙ってバンに乗り込む。先客が二人。二人とも薄汚い身なり。ガタイのいい禿頭の中年男と、茶髪の痩せぎす。手配師は運転席に座ると、助手席に置かれた段ボール箱をポンと叩く。何のつもりだ?
 バンは裏道をゆっくり抜け表通りへ。車内は誰も口を聞かない。バンは高速湾岸線に乗る。向こうに夕陽が落ちかけている。やがて、血溜まりのように溶けて消えた。
 バンは高速を降り港の倉庫街へ。人気のない露地に入り止まる。汚れたフロントガラスから港の夜景が滲む。手配師は煙草に火を点ける。そして、何かを待つ。


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