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「他人の家族の事情を聞かない」ことについて息子に説明したはなし。

先日、保育園で息子のクラスの個人面談があった。

とてもいい園と先生に恵まれていて、息子は保育園で日々楽しく過ごしている。

先生から、お友達と分け隔てなく遊んでいる様子を聞かせてもらった。

息子のクラスにはたまたま外国にルーツをもつお友達も多い。

私自身は外国にルーツがあろうがなかろうが、友達を区別する必要性を感じていない。

なので、息子がそういうお友達とも積極的に遊んでいる様子を聞きながら、「まーそうだろう。当たり前だよな〜」とフンフン話を聞いていた。

わざわざそこを強調して話してくれるということは、日本語が拙いことなどで距離を置く子や関わり方を変える子もいるということなのかもしれない。

話のなかでひとつ先生からお願いを頂いた。

色々なことに興味や疑問を感じるようになった息子が、他の子の家族についてお友達に聞いたりしているらしい。

何事にも興味を持つのは基本的に悪いことではない。

疑問を感じたら聞いてみるのも基本的には悪いことではない。

けれど、家族の話は子供にはまだ抱えきれない事情を含んでいる場合も少なくない。

私は、家族の最小単位は2だと思っている。

そしてその相手は親でも子供でも血の繋がらない他人でもいい。

数が多い方が幸せだとも思わない。

我が家はたまたま夫が私の働きかけに応じてくれて、家に大人が二人いる状態をキープできている。

夫の対応次第では我が家は息子と2人家族だった可能性は多いにある。

そのためシングルの家庭に対しては、踏み切る勇気をもった先輩として尊敬の気持ちが強い。

そして、家庭の事情は家族の数だけある。

私は、家庭がどんな事情なのかを他人が把握しておく必要を感じない。

息子の1番の仲良しの友達はシングルの家庭だ。

パワフルなお母さんが二人の息子をめちゃめちゃ元気に楽しく育てている。

私はもちろん、人見知りの夫にもガンガン話しかけてくれて、我が家みんなそのお母さんが大好きだ。

あるとき息子がその友達に、

「どうしてお父さんがいないの?」

という質問をしたという。

以前、うちに遊びにきてくれたときに大人同士で話していた内容を聞いていたのかもしれない。

息子の友達は、それまで父親が家にいないことを気にも留めていなかったのに、「ほんとだ。なんで?」と疑問に思ったらしい。

家庭それぞれ事情があって、子供の「なぜ?」にいつ、どう答えるかはそれぞれの親の判断があると思う。

そこを息子の好奇心で、蓋を開いてしまったかたちになる。

先生からのお願いは

「他の人の家族について、積極的に聞かない方が良い場合がある」

ということを家でお話してもらってほしい、という内容だった。

以前、年長クラスでそれが元でトラブルが起こった話も聞かせてもらった。

今はまだ、純粋な興味である「なぜ?」が、成長するにつれて色々な意味を帯びてくる。

そのときに何もわかっていないまま、家庭の事情に無邪気に踏み込んでしまうことは、許されるとは限らない。

その行動に、悪意のあるなしは関係ない。

もちろん親としても息子が火種になる事態は避けてもらいたい。

保育園からの帰り道、息子に話をすることにした。

「お友達の家族について、『なんでお父さんがいないの?』とか聞くのはやめといた方がいいよ」

「なんで?」

ここから、長い話をした。

お父さんがいないおうちもあるし、お母さんがいないおうちもある。

我が家にはいないけど、おじいちゃんやおばあちゃんと暮らしているおうちもある。

多い方がえらいわけじゃないし、少ない方がすごいわけでもない。

家族がいない人もいる。

家族のかたちや数は色々で、どうして今そのメンバーになっているのかはおうちごとに理由がある。

その『理由』っていうのは、はだかみたいなもの。

誰がどんなはだかでも、仲良くするのには関係ないのと同じように、どんな家族でも友達でいることには関係ないよね。

で、はだかになるのはお風呂に入るときと、トイレでちょっと出すときくらいでしょう?

「なんでお父さんがいないの?」って聞くのは、

お外で遊んでいるときにいきなりズボンを脱がすみたいなこと。

そんなことされたら、びっくりするよね。

でも、一緒にお風呂に入るときとか、自分で服を脱ぐでしょ。

自分で脱ぐときはびっくりしたり、イヤな気持ちにはならないよね。

だから、家族について、お友達が自分から話してくれるときは、ちゃんと聞くのがいいよ。

でも、勝手に服を脱がすのがだめなのと同じように、人の家族の話は息子くんから聞かないこと。

どんなはだかでもお友達なのは変わらないしね。

息子はなんとなく納得してくれたようだった。

私は子供からの「なんで?」に「なんでかな?」「どうしても!」と疑問をストップさせることができないので、毎回話が長くなってしまう。

それでも、息子はわりと真剣に話を聞いてくれる。

こんな感じでたとえ話も多いので、息子に真意が伝わったかはわからない。

わからないけど、息子が1日の大半を過ごす保育園で、息子を見てくれている先生からの報告とお願いは、とても大事な助言になる。

先生に頼まれたこと、ちょっとは果たせたかなあ。

そうだといいなあ、と思いながら先生に

「一応、伝えておきました。」

と報告した。

先生からは

「息子くん、おうちで話した大事なことは噛み砕いてみんなに伝えてくれるので助かってます」

と返ってきたので、私の認識で大丈夫なのか結構どきどきしている。

この世には色んな家族があるし、家族がいない人もいる。

私は家族なんて最終的にはいてもいなくてもどっちでもいいと思っている。

息子も娘も家族にとらわれず、成長したら親のことなんて忘れてどんどん外に出ていっておくれ。


こんな感じの話もブログでもちょこちょこ書いてます。



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