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如何にして会話のとっかかりがない人へアプローチするか?

初めに断っておくが、この記事は「いかにして会話のとっかかりがない人へアプローチするか?」のハウツーを示すものではない。むしろ、そんな手段があるなら私が知りたい。もし知っていたら、この記事を書くつい十数分前にマッチングアプリのチャットで話していた、30歳無職職歴なしの女性への対応ももう少しマシになっていたはずだ。30歳無職職歴なしという言葉の時点で、語彙ポーカーであればストレートフラッシュくらいのパワーがある気がする。ちなみに30歳無職職歴なし男性、となるとロイヤルストレートフラッシュになる。他にも、「歌舞伎町の個室創作イタリアンバル」だったりするとロイヤルストレートフラッシュになる。

脇道に逸れてしまった。私が知りたいのは、いわば未知との遭遇があった際に、いかにして掘り下げることが出来るか、である。人生は未知との遭遇の連続のようでいて、意外とそうでもない。人の行く道とは、それまで来た道と地続きであり、これまでの経験に沿って行く道、出会う概念、人も変わってくる。つまるところ、全くもって未知なる存在に出会う、いわば人生の道において、ワープホールが発生する、ということはそうそうないのだ。

しかし、高度に発達した情報社会と、少子化、恋愛に対する人々の意識の変化が、この世界にワープホールをもたらした。そう、マッチングアプリだ。職場の往復だけだと出会うどころか、袖が触れ合うことすらない異性との邂逅によって、我々は人生におけるワープホールに迷い込むのだ。そして恋愛の形をした何かに身をやつす!

基本的に、女性とのやり取りにおいて、私が最も重要視しているのは「教養」である。これは、相手に教養を求める、という意味ではなく、自分に教養を蓄えておく必要がある、という意味だ。多くの女性と話題を共有し、楽しく会話をし、実際に会うところまでこぎつける上で、会話のとっかかりにするための知識と、適切な受け答えをするための知恵が必要になる。何も知らない、という状態は、コミュニケーションにおいて相当なビハインドを強いられる状態である。

知識の大本は、本、音楽、美術、思想、食べ物、映画、なんでもいい。仕事の話でもいい。その業界に関する知識がなくても、「それってどういうことをするんですか?」と聞いて、それに答えを貰えば、次の会話で使うことが出来る。質問ばかりでは面接になってしまうので、共感を適切な範囲で示すメソッドも必要になる。極論、無知な状態でも、質問をすることによって切り開ける局面というものも確かに存在する。

ところが、だ。単なる無知よりも難しい、会話のとっかかりがない状態が存在する。それは、触れにくい事柄がある場合だ。例えば、相手が職歴のない無職の方の場合。あらかじめ断っておくが、市場における需要の有無はこの際切り離して、職歴のあるなしによって人の貴賤が決まる、という話をするつもりはない。人間という存在に初めから価値はないのだ。故に貴賤を決めようとするのは無意味である。

転職活動中、であればどういった業界を目指しているんですか、といった話も出来る。どんなきっかけで転職を決めたのか、といった話も出来る。職歴がない場合、どういった事情でそうなったのか、という疑問は当然浮かぶ。だが、それを聞くことが適切の範疇に収まるのか、となると、それは難しい話になる。コミュニケーションとは、プライベートな部分を徐々にそぎ落としていく作業を多分に含む概念だが、そこにデリケートな要素が課題に含まれている場合、コミュニケーションの難易度は格段に跳ね上がる。

気を遣わずに踏み込んでくることに気を悪くする人もいるだろうし、気を遣われることに対して気を悪くする人も当然いるだろう。相手に対して直接、「あなたはそんなに気にしない人ですか?」と聞いてしまうのが一番早いのかもしれないが、それは色々と大事なものを失っている気がする。

結局のところ、私はその事実が明らかになった瞬間、会話の糸口をほぼ喪失し、フリーズするという情けない末路を辿ったのだが、これではチャットに応じてくれた相手に申し訳ないというものである。フリーズするくらいなら初めから聞くな、という話だ。

もしかすると、気まずくなると予見されることに関しては初めから話題に出さない、というのが最適解かもしれない。よくよく考えてみれば当然のことである。知らずにいることで円滑になる人間関係というものも存在するのだ。その場合は、ポジティブな話題をなぞりつつ、距離感を探るのがよいのだろう。それも経験のうちである。

「会話のとっかかりがない人」への対応は、質問して済む、質問することに強い躊躇いを感じない事柄であれば質問で道を開く。「様々な事情があって会話のとっかかりがない、作りにくい人」に対しては、詰まないための会話の道筋をあらかじめ予見しておき、距離感を掴む。そのように立ち回っていきたいものだ。

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