田舎は怖いとこなんで!

田舎は人づきあいが都会より密で(なにせ地域の人皆知り合い)、助け合いは当たり前。

うちの集落、田植えや稲刈りの時期なんか、集落のみんなでみんなの田植え、稲刈りをしていた。

一世帯が機械を持っていて、その世帯の人は機械で。

それ以外の人は手作業で。

人の田んぼの手伝いをしたら、ちょっとした手伝い謝礼金のが出ます。

(機会を持ってる人はちょっと多め)

そして自分の田んぼ手伝ってもらったら、やっぱり謝礼金支払います。

この謝礼も、手伝った、手伝わない考えると「必要あるか?」って感じでトントンです。

で、まあこの田舎のいい面は、また今度記事にします。

私が書くのは田舎の恐ろしい面ですね。

まず、よそ者が認められない怖い場所。

よそ者がこの地域の人間である、と認められるのは難しいですね。

いつまでたってもよそ者はよそ者。(地域住民に認められるのは本当に根気がいる

お客様扱いは気持ちいいかもしれませんが、それがずっと続くと寂しい。

そして田舎の人間に「こいつは敵だ」と認定されたら、泣いて引っ越すしかないです。

村八分まではいかないけれど、似たようなこと起こります。


「おらほの集落おっかね!」ってしみじみ思ったのが、中学2年生の時。

今はほしいものをネットで簡単に購入できるようになったので、今でも田舎に住んでる人が、都会にコンプレックス感じてるかはわかりません。

でも当時は都会に対するコンプレックス、妬みやひがみが多かった。

特にうちの田舎だけかなあ、北海道とか沖縄って外地と呼ばれるじゃないですか。

それを嫌ってた印象。(けれど内地という言葉当り前に使う不思議

んで、中学2年生の時、数学教師が赴任しました。

元札幌の数学教師だったらしいのですが、田舎に来るのが嫌で嫌で仕方ないっていうの、素直に言っていた。

それだけならまだ「なんだよこいつ」って思われただけだと思う。

彼は授業中、ふとした時にうちのクラスで言い放ったんです。

「これだから田舎の生徒は嫌なんだ」

これに対して、子供どころか親というか、地域民激怒。

(こんな田舎に来たくなかった発言もたびたびあった積み重ねで爆発というところかな)

田舎だから生徒数少ないです。

全学年で50人いたかなあ?っていう中学なのですが。

(基本小学校はみんな複式学級。1、2年生が一緒とかね。下手したら1~6年生同じ教室の小学校もあった)

中学になったから「先輩」「後輩」という立場には気を付けますが、あまり学年の垣根はありません。

そして勉強がわからなくて教える、教わることも抵抗がありません。

(小学校で、年下から年上が教わることも当たり前だったから)

で、私が中学校2年生の時、1年から3年まで数学の授業ボイコット。

テストのと答案用紙が帰ってくるときのみ出席。

数学の時間は教室を出て、最初は図書館で真面目に勉強してました。

図書館に鍵がかかってからは、鍵がないというか、扉がなかった美術室。

で、必死に勉強しましたね。

放課後や朝も、わからない所があったら、先輩後輩助け合いで数学を学んだ。(この辺の結束力はすごいのだが、結束力使う方向性が怖いのよ

前述したとおり数学の試験は受ける。

返ってきた答案用紙も数学教師から受け取る。

そして生徒たちで教師を嘲笑。

「俺、先生に教わってた時より点数よくなったなー」

「それなら先生いなくていいじゃん?何しに来てんの?」

「ほんと、田舎が嫌いで田舎の生徒なんか見たくないなら来なきゃいいのにね」

「先生が教えてくれるより、友達に教わったほうがわかりやすいんだよね」

「何のために先生学校に来てんの? 授業中何してんの?」

全員でやります。

親も止めません、むしろ頑張れと激励する親もいます。

私もなのですが、中には「ちょっとこれやりすぎじゃない? ここまでしなくていいじゃない」って思う生徒や一家がいる。

でも、ここでそれを発言してはならんのですよ!!

皆と行動とを共にせねばならんのですよ!!

なぜなら、ここで少しでも数学教師の方を持ったら、今度は自分たちの番になるから!!

だから先生たちも私たち生徒に怒りはします、注意はします。

でも本気で止めません。

なぜなら、明日は我が身だからな!!

そしてこの数学教師、私たちが3年になるころ、教師辞めました。

塾講師として働くそうです。

その際先生たちに言われた言葉。

「あの先生はよくない所もあったかもしれない。ただお前たちの行動で、あの人の人生が変わってしまったんだぞ」

それに対する生徒たち。

「いいじゃん、田舎にいたくなかったんでしょ?」

「私たち先生やめろとまでは言ってないし。ただ嫌いな田舎から出て行ってほしかっただけだし。先生やめたのは先生の判断じゃん」

「いいじゃん、大好きな都会で大好きな都会っ子に塾で勉強教えてれば。私たちあの先生の人生なんか知らないよ」

蛙の面に小便ですよ。

罪悪感なんて一ミリもない。

むしろ、外敵を追い払って非常にすっきりしています。

こういうのが田舎の怖さな。(協調性、結束力に優れている分、悪い方向にも突き進んだら止まらない

私も多少の罪悪感はありつつも「地域に溶け込む努力もせずに、悪口ばっか言ってたら自業自得だよな」という思いもある。

(感覚がマヒしてることは認める)

田舎は普段優しい反面、怒ると本当に厄介です。

性質悪いです。

数学の先生も気の毒だったが、やはり中学2年で赴任した英語の先生も気の毒だったな。

新任の若い先生だったのだけれど。

しょっぱなが「みんな発音が悪すぎる!! 前の先生は何をしてたの!?」だったので、みんな前の先生好きだったので。

「お前は会ったこともない前の先生を馬鹿にすんのか? 発音なんかどうでもいいんだよ海外なんていかねーし。文法覚えて点数取れればそれでいいんだよ。それでお前、前の先生よりも教えるののうまいんだろうな。下手だったら承知しねーぞ」

的な感じの空気が流れてた。(これも当然のように全学年よ。1年生なんか前の先生知らないけどこの空気に乗る必要があるのよー

あの人も、失言を重ねてたら中学教師のような目にあっていたかもしれない。

ついでに、この人も一年で教師を辞めてますね。

理由は海外に行ってもっと英語を勉強したいとのことでしたが、まあ他にも思うところがあったのかなと、考えないでもないです。


地域住民に好かれた先生で、退職後もこの地域が好きだと畑いじりをしながら生涯を終えた先生もいます。

こういう人にはみんなすごく好意的。

やっぱり学校の先生だから敬う気持ちもあるし、年を取ってからだと不自由なことがあるだろうからと、何かと気に掛ける。

本来は温厚な人たちです。

ただ、地域愛が強い(都会コンプレックスを拗らせてる)、人に対する情が深い分、地域や地域の人を馬鹿にする人間(しかもよそ者)は許さんのですよ。

そしてそのよそ者が後でどうなろうとしったこっちゃねーのですよ。

うちの田舎……今は前よりましになってると思いたい。

ほんとにね、平素はみんないい人たちなのよ。

いい人たちだけど怒るとみんなで団結してしまうの止まらないの。

田舎は怖い。ほんとに怖い。(うちの田舎だけで偏見かもしれないけれど。

私中三で札幌に引っ越したけど、札幌の中学生との純真さ、素直さに感動したもの。


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