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広くて深い思考ができる子に育てる

私が運営する子供向けSTEM教育スクールでは、理系の学生も講師を担当してくれています。

講師を募集すると、東大や東工大、早稲田や慶應といったとても優秀な学生が応募してきてくれます。

聞くと自分自身がSTEM教育に近いものを学んで育ったことから、その重要性を感じているということで、応募してくれているようです。

彼ら・彼女らに面接で、
「周りに絶対にこの人には叶わないなというほど頭が良い友人はいる?
「その人とは何が違うの?」
という質問をよくします。

するとおもしろいことにかなり高い確率で、「思考の広さと深さが格段に違う」というのです。

私が2000人を超える子供たちを見てきて思い起こしてみると、
確かに思考の広さ・深さが飛び抜けていく子がいます。

「広くて深い思考力」とは何か、その力を鍛えるためにはどうすれば良いかもだいぶわかってきたように思います。

広くて深い思考とはなにか?

ステモンに2年ほど通っている子を見ていると、「思考力がグングン伸びてきたな」と思うことがあります。そのような子は何が変わっていったのでしょうか?

一例をご紹介すると、

今起こっていることから次に起こるであろうこと、そしてその次に起こることであろうことを想像する力があります。

また、そこから様々なケース(条件)を想定して、もしAが起こったらこんな問題が起こるな、もしBが起こったらこんな問題が起こるな、もしCが起こったらこんな問題が起こるな、と頭の中で思考を積み上げていきます。

図に表すとこのようなイメージです。

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上の図では条件が平面的に書かれていますが、1つの条件の中にもいくつも階層をつくって考えることができます。

これが思考の深さになっているのです。

横に広げて考える力もとても高い

また、水平方向に広げる思考の広さも高くなっていく特徴があります。

上の例のように「条件ABC」という観点で「あんなことが起こるかもしれないし、もしこういうことが起こったらこうしよう」と言った類の広げ方もありますし、

「自分の視点」「先生の視点」「親の視点」「お友達の視点」と言った具体に、多面的な視点で考えることができるという広げ方もあります。

これは大人になると様々な立場になって多面的に考える力に直結するでしょう。

「ユーザー視点・デザイナー視点・エンジニア視点・経営視点」や「中国の視点・米国の視点・日本の視点・途上国の視点」など。

つまり、水平方向に広げるのが思考の広さであり、下に掘り下げるのが思考の深さというわけです。

どうすれば広くて深い思考ができる子になるのか?

広くて深い思考ができるようになるには知識が必要です。

思考力が高い子どもは、知識を活用しながら頭の中で横と縦にたくさん積み上げていくことができるのです。特に体験から得た知識です。

しかし、知識だけでもないなと思っています。

思考が広くて深くなっていく子供達には、「読解力」と「構造化力」の2つがとても高いという共通点があります。

読解力と構造化力

読解力とは、文章などから意味を読み取る力です。

そして読み取った意味=要素たちがどのように関係し合うのかを整理する力を構造化力と呼んでいます。

複雑な課題・正解がない課題に取り組み続けることで、いろんな要素を頭の中で整理する力、構造化する力が高まっていくのです。

逆に、思考が苦手な子はいろんな情報が入ってくると構造にできず思考を放棄してしまいます。わからないっ!っとなってしまうのです。

読解力を鍛えることと、たくさんの要素が頭の中にきても「いぃぃぃーっ!」とならずに落ち着いて構造化する力を育てていってあげてください。

8歳まではのびのび活動。焦りは禁物。

読解力と構造化力が鍛えることが重要と書きましたが、小さいお子さんのうちは焦りは禁物です。

発達段階の特徴として8歳くらいまでは具体的な事象物(目に見えるもの)で考えることが得意で、逆に抽象的な思考(目に見えないもの)は苦手です。

ですので、小学2年生くらいまでは「うちの子は構造化する力が弱いのでは、、」などと不安にならないでください。

しかし、8歳までに手で触れるもの・目に見えるものでのびのび創作した子は、9歳(3年生あたりから)グングン伸びていきます。

どんなことをすれば良いのか?

計算も大事ですが、上の2つの力を育むには「早くたくさん解く計算ドリル」などは逆効果の可能性大です。

じっくりゆっくり考える機会を増やしていってあげてください。

絵を書いたり、工作をしたりするのはとても良いなと思います。

私はスクールに通ってきてくれる子供たちに、「文章題」と「STEM教育」の時間をたっぷりとって育んでいきたいと思って取り組んでいます。
(この方法についてはいずれまたnoteでご紹介したいと思います)

じっくりゆっくり考える、これが大事なことです。早くたくさんではありません。

☆じっくりゆっくりつくるSTEM教育☆

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☆じっくりゆっくり文章題を絵にする算数教室☆

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