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kazのこんなカメラ㉑ Olympus STYLUS SH-2

 実はかなり久しぶりのこのコーナーの記事となる。
 と、いうのも単純に新しいカメラが暫く増えていないのと、まだ未紹介のカメラを持ち出して撮影に行く機会があまり無いことが要因である。

 今回紹介するのは2015年に発売されたコンパクトデジカメ。オリンパスのSTYLUSシリーズ・SH-2というモデルのものだ。

 

 何故今更コンデジか

 まずはとりあえずこの写真を見てほしい。

 この辺りの画像、全てライツフォンで撮影したものである。
 1インチセンサーを搭載しており、RAWで撮れるしPhotoshopまでプリインストールされているので写真の映りに関しては下手なコンデジを遥かに上回る程である。
 アプリ動作もメモリ量もサクサク十分で、まあスマホとしての不満点はそれほどない。
 しかしカメラが売りのはずのこのスマートフォンだが、肝心のカメラ機能にどうしても許せない致命的な欠点が3つある。

 ①望遠が糞画質

 一応6倍のデジタルズーム機能が使えるが、使った画質はこの通りである。酷い映りだ。
 一応見られるズーム範囲は2〜3倍、標準レンズ換算だと48mm〜75mm程度まで。これが4倍を越えてくると映りが覚束なくなる。
 

 競馬場でフィルムを使い切ってしまった後の記録用として使うにしても、この画質ではちょっと……

 ②AFが糞遅い

 これも望遠時に特に顕著なのだが、ゆっくり歩いている馬にピントを合わせようとしてもAFが合うのに4〜5秒(!!)掛かってしまい、
 結果的に被写体に全くピントが合わなかったりシャッターボタンを押してからシャッターが切れるまでに一瞬のラグが生まれて構図がガタガタになったりする。
 置きピンをしようにもピントを置くのに5秒掛かることもあるので、兎に角このスマートフォン。
 望遠撮影は完全に捨てた方がいい。

 ③最短撮影距離が遠すぎる

 スマホのカメラとしては驚異的な程に寄れない
 ご覧の距離で「撮影物が近すぎます」とアナウンスが出てピントが合わない。まあライカだしその辺りは仕方ないか……と思う部分もあり、前回のレビューでは基本的に不問にしていた。
 

 先述のとおり、カメラアプリで2〜3倍までのデジタルズームは問題なく使用できるので、まあ2倍ズームで撮影すればいいだけの話だからだ。

 カメラアプリを使う際には。

 何が問題なのかと言うと、例えば銀行口座をwebで作成する時。
 昨今は本人確認書類の提出時に、
「運転免許証の顔写真の枠をここに合わせると自動的にキャプチャ出来ますよ!」という連動アプリがあったりする。

 あれ全滅。
 近すぎてピントが合わないから。

 googleの出しているフォトスキャンアプリ。
 あれも無理。近すぎてピントが合わないから。

 要するに、
「純正のカメラアプリでデジタルズームを使えばそこそこ寄っているように見える写真が撮れるが、カメラ機能を利用した他アプリケーションが想定している一般的なスマホカメラより寄れないのでその手のアプリが一切使えない」ということだ。

 これはあまりに致命的過ぎる。

 先述の銀行口座のアプリにせよ、フォトスキャンにせよ、仕方がないのでデジタル一眼レフを持ち出して撮影→FlashAirもAndroidのバージョンかカードのバージョンの問題で何故か認識しないので、撮影後SDカードを抜き出し→USBメモリでパソコンに取り込んでGoogleドライブに放り込んでその写真データをダウンロードと、気の遠くなるような苦行の末なんとかよろしくやっていた。

 ………………

 

 いやいやいや面倒くさいだろあまりにも!


 一応、等倍はよく映るし動画も余計なノイズカットしてよく撮れるのよ?


 しかし望遠と近接撮影。
 この2つが絡む用途でライツフォンは残念ながら全く使い物にならない。

 その為、それらを補う手段を考えた訳だ。

 

 必要目的能力


 なんだかコンデジの紹介よりライツフォンの悪口ばかりが目立っているような……
 いやだから等倍の撮影は素晴らしいしスマートフォンとしてのスペックにはスピーカー以外文句ないのよ?

 兎に角この欠点を補う為に私が打ち出した条件が、

 ・望遠性能と近接性能に優れ
 ・撮影したデータをアプリケーション等で簡単にスマホに転送出来て
 ・荷物を減らすため可能な限りコンパクトで
 ・お安いもの

 という必要要件である。お前はかぐや姫かッ!と言いたくなるほど条件が多い。
 しかし探してみると意外と該当するものが数機種あるもので、そのうち最もお求めやすかったのがオリンパスのSH-2であったのだ。

 勿論中古。
 高解像ズーム600mm相当と3cmスーパーマクロ、専用アプリにてwifi経由でスマホ転送可能、と希望する機能は全て備えている。
 外観もPENっぽいカッチリとした造りでデザインもよい。

 後ほど別の記事にするが、GWに関西方面に旅行に行ったり、プリンシパルステークスを見てきたり色々と使ってみた。

 

 撮影結果


 成程換算600mm前後のズーム域でも問題なく写っている。ここにデジタルズームを重ねて最高で換算1200mmまでズームすることが出来るが、流石にそこまでやると映りは結構甘くなる。


 バラの花弁をマクロで撮影して内蔵フィルターで加工したもの。

 捕まえたヒメマイマイカブリのアップ。

 目的どおりチェキ写真の取込みも成功した。

 写真転送も実に簡単だ。カメラをwifi待機モードにしてスマホ側でアプリを立ち上げて取り込みたいファイルを選択するだけである。
 写真のサイズが最大でも1枚5秒くらいで取り込める。


 ところが初回にアプリを立ち上げてカメラをペアリングするためにアプリ内からスマホカメラを立ち上げてコンデジのQRコードを読み込む簡単な手順が必要なのだが……

 もうおわかり頂けただろうか?

 アプリからのQRコード読み取りを起動させてもライツフォンのカメラではピントが合わないからデジカメ側のコードを読み取れないのだ。

 嘘みたいだろ?
 マジだぜ。

 「QRコードが読み取れない場合は手動でこのパスワードを打て」という指示があったのでなんとかなったが……
(初回同期さえさせてしまえば2回目以降は必要ない)

 等倍撮影に関してはさして秀でる面はない。2/3インチセンサーの1600万画素とフツー。
 と、いうか等倍域はライツフォンの方がよく写るため、そちらで撮ればいいだけなので問題はない。

 欠点


 これだけ良い特徴を上げてきたが、欠点がとりあえず3つある。

 ①:バッテリーの保ちが悪い。
 満充電で写真転送などを使用するとバッテリーが保つのが約半日。予備バッテリーがないと午後の撮影には耐えられない。
 幸い、互換バッテリーが安く売られている。私は後述の別の理由もありバッテリーを追加で3つ買う羽目になってしまった。

 ②:謎の「ズームエラー」。
 望遠域でも使い勝手が良い、と記入したが、ズーム撮影をしていると時折「ズームエラー」という表示が出てカメラのズームがリセットされる。
 この挙動におよそ10秒ほど掛かり、この時間は撮影等に使用することができない。毎回出るわけではないがこのエラーが出ると狙ったタイミングに撮影できない為ちょっと困る。

 ③:消え失せろタッチショット。
 このカメラ、液晶部分がタッチパネルになっており、タッチすることで写真の一覧を確認したりAF位置を指定したりすることができる。それそのものは結構便利なのだが、何故か初期設定で「タッチショット」という機能が有効となっている。
 これは液晶をタッチすると同時にシャッターが切られる、という機能なんだが……
 これが誤動作が多くて困る。
 要するに手首にぶらさげているとちょっとした具合で液晶に触れて意味不明な写真が無数に生成されてしまったりするので削除が面倒くさいのだ。勿論、設定からOFFにできるが、バッテリーを交換した際にはこの設定がリセットされてしまうのか、またタッチショットが有効になってしまう。
 デフォルトOFFで使いたい人だけONにすればいいんじゃないかなこういう機能は。

 

 謎の充電不良


 さてこのカメラ、実はGW前に届いて旅行中に色々テストしてみたのだが、やはり午後はバッテリーが持たなかった。
 その夜ホテルで充電器に接続して充電し、翌日の使用に備えていたのだが……

 なんか電源が入らない。

 きちんと満充電したはずなのにウンともスンとも言わずカメラが起動しない。
 結局旅行後半でカメラを使うことが出来ず、帰宅後にUSB接続ケーブルが断線しているのでは、と考え買い替えたが状況が変わらず。
 充電した時にバッテリーが壊れたのかな?と先述の互換バッテリーを購入して使ったら問題なく起動した。
「よーし、これで日曜日のチェキさんぽに間に合うな」と思い充電器に繋いだところ……

 翌朝。
 やはり起動しなくなってしまった。

 これはもうカメラ本体側か充電用のACアダプターの問題だろう、と推測し、ACアダプタ直繋ぎではなく充電器に取り外したバッテリーを取り付けられる互換充電器を買った。
 バッテリーを壊してしまった可能性を考え、予備バッテリー2つ付きの充電器を購入して一つを充電器に取り付ける。
 最悪の場合、充電したバッテリーが死んでしまっても封を開けた新品バッテリーでなんとかなるという寸法だ。
 結果としては充電器経由で充電したバッテリーは問題なく使えたし、満充電→起動しなくなったバッテリーを充電器で再チャージすると使えるようになった為、ACアダプタかカメラの端子側に何か異常があるのだろう。
 満充電したのにバッテリーが空になっていたのもあやしい。過放電か何かを起こしていたのではなかろうか。


 まとめ


 目的(ライツフォンの苦手とする近接・望遠撮影を補う)部分ではほぼ理想どおりの性能で、なんといっても小さくて負荷にならない。
 デジタル一眼を持ち出すとなると荷物が増えすぎるし。

 昨今は競馬撮影用に使っている高感度フィルムもかなり値段が上がっている。一本2000円~3000円ほどだ。
 このデジカメで平場のレースやフィルムが切れた後の撮影分は補いつつ、2~3回に分けてフィルムを使っていければ懐には優しい。

 しかし懐への優しさを取ると益々フィルムの生産にブレーキが掛かっていくんだよなあ。




 kaz


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