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kazのこんなカメラ㉔ Certo SUPER Dollina II

 久しぶりのコーナーである。今回紹介するカメラは、実は何年か前には既に手に入れていたカメラとなる。


 東ドイツにあるCertoで作られた35mmのフォールディングカメラ、「Super Dollina II」だ。




 このカメラは何者だ


 元々Certoのフォールディングカメラは戦前から存在しており、目測式の0型、1型、距離計をぶちこんだ2型、3型、Super Dollina 1型と結構当時としてはハイスペックな機構を備えていた。
 戦後、東ドイツでSuper Dollina I型をマイナーチェンジしたものがこのII型となる。実はこのモデルはシャッターがシンクロコンパー、レンズの銘が「C.Z Jena」表記になっていることからわかる人が見れば一発で分かるが東ドイツ生産の輸出用のモデルである。
(距離計表記がフィートのため、アメリカやイギリス向けに輸出されたものではなかろうか)

 東ドイツ国内流通品はシャッターがVEBUR、レンズの銘がCarl Zeiss Jenaになるはずだ。東西ツァイスの商標権の問題で、ツァイスイエナは西側に向けて販売するときCarlZeissの名前を使えなかったためである。シリアルからすると1955年以降っぽいね。

 まあ性能はシンクロコンパー付きの方が良い。テッサー50mm F2.8に最速1/500の連動距離計がついているので何の文句もないというか、ぶっちゃけこれ以上を求めると普通に高級機になるような気がする。


 またポケットにも入るこのコンパクトさも重要。各所もしっかり作られており意外と東ドイツ特有の硬いパキパキ感は少ない。


 なぜDollinaを買ったのか

 実は割と以前からこのカメラは探していたのだが、購入の決定的動機となったのは2年くらい前の中古カメラ市である。
 たまたまそこでジャンク品のコンテッサ35(これはちゃんと西側のカメラ)を手にする機会があり、小型で精緻な造りが好みだなあ、と思った。しかし同時に悩む。
 いいんだけど、西側なんだよなあ……

 と、言う訳でコンテッサ35に近い設計思想の東側のカメラないかなあと。やれ BaldaとかBelcaとか色々検討した末、Ebayでようやく見つけたのがこの Super Dollinaだった、という訳である。
 ちゃんと多重露光防止機構も、万が一のシャッターロック解除も(応用すると多重露光にも使える)スプロケの移動量によるコマ間感知も
付いている。二重像がピント窓の下半分でしか合わせられず薄いためちょっと癖はあるが、これはおま環かもしれない。

 なぜ今になって現れたのか

 実はこのカメラ、以前にもフィルムテストは行っている。なんせ資料が少なく細かい使い方もイマイチピンとこなかったところから練習してなんとか使えるようにはなっていた。
 ただ、撮影したネガをスキャンするのを忘れており、そのまま引っ越しのどさくさに紛れて多分破棄してしまっていたのだ。
 そういう理由があり、作例が手元になかった。川越のラーメン屋さんの看板とか撮ったんだけどな。
 で、たまたままたカメラ市を冷やかすことになり作例集めも兼ねてまた持ち出してみようと。

 これは完全に余談となるが、私はカメラ市にカメラを持っていく際には、できるだけコンパクトなものをポケットに入れておくことが多い。コニカ1とか。ゾルキー1とか。
 首から目立つカメラを提げていくとなんとなくカメラを見る周囲の視線が痛いからだ。
 まあ自意識過剰なだけだが。



 どんな風に映るのか


 まあ先述のとおり、50年代半ばのツァイスイエナのテッサーなのでとてもよく映る。





 なんと言っても映りだけではなく取り回しもよい為、ポケットに突っ込んでおくのには最適なカメラだと思うが……
 結構重たいカメラでもあるので浅いポケットに入れると落っこちてしまうことがあるので気を付けよう。


 落っことしたことがある。




 kaz

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