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ゆき歯科医院の衛生士教育1:新人教育

今回は当院の歯科衛生士の教育について。
全3回に分け、今回は新人教育についてだけご紹介します。

なお下記の教育内容は「5年程度は衛生士の経験があり、衛生士業務が一通りできる」衛生士さんを対象にしているものなので、例えば新卒の衛生士さんなどまだ一通りのことが習得できていない場合はそういった基本的な業務も教育を行う予定です。
(これまで当院には一通りできる衛生士さんしか入職したことがないので)


逆に言うと、当院では「一通りできるはずの衛生士さんでさえ、教えてもらわないとできない業務」が含まれているので、そこを教育する感じです。


当然ですが、いずれも業務時間内でアポを切って行っています。(業務時間外のいわゆるサービス残業はさせません)


デンタル10枚法+BW撮影

デンタルやBWの撮影(正確に言うと患者さんへのIPのセットや現像が衛生士さんの仕事で、撮影ボタンを押すのは歯科医師ですが)です。
撮影自体は皆さんできると思うのですが、決められた位置・角度でどの患者さんも同じように一式撮る、というのはできない衛生士さんが多いので、あらためて練習を行います。

下記の画像のような感じです。

01大人-03レントゲ-01デンタル 589宮原さん

(ちょっと曲がってるけど‥‥)


当院では成人の患者さんは原則全員このデンタル10枚法+BW撮影を行っているので必須。
というか、デンタルなかったらちゃんとSRPできないですよね。

他のスタッフや私を練習台にして練習していきます。


口腔内写真撮影

一眼レフでお口の写真撮影。歯周病学会の認定衛生士試験等で使われる最低限の規格はいわゆる5枚法ですが、それだと情報不足なので、当院ではいわゆる9枚法の方で撮影を行っています。

01大人-02口腔内写-01口写9枚 001大手01

01大人-02口腔内写-02口写4枚 001大手02

実際にはさらに4枚プラスして13枚の撮影ですね。

(これも唾液飛ばせてなかったりちょっと曲がってたりするけど、まあ見逃してください)


これはたぶん衛生士の大多数がほとんど経験すらないので、繰り返し繰り返したくさん練習を重ねてもらいます。

まずはお手本動画があるのでそれを見てもらったり、テキストを読んでどこからどこをどんな角度で撮ればいいのかイメージを持ってもらったり。その後は実際にカメラやミラーの位置・角度を体に叩き込んでいく流れですね。

これも他の人を練習台にしてどんどん練習。


最終的には院長か私でテストして、「これなら患者さんに不安なく任せられる」となった段階で合格です。

本人のセンスと練習量によりますが、だいたい1ヶ月は練習が必要かなというイメージですね。


口腔内写真は患者さんのお口の記録をとる意味合いもありますし、患者さんにお見せしてご自身のお口の状態を理解してもらったり、治療計画の説明に使ったりします。


CRASPと説明

当院では患者さんの意識と知識を高めることで虫歯と歯周病の予防を図っていきます。
これは患者さんと日々コミュニケーションしながら少しずつやっていくことなので、衛生士さんそれぞれ患者さんそれぞれで内容が異なります。

ただそれはそれとして、当院として「最低限ここは話をしてね」「こういうツールを使うと便利だよ」ということで、すべての衛生士さんすべての患者さんに対して必ず使っているツールと資料があります。

それをきちんと使える・説明できるよう、新人の衛生士さんには教育を行っています。


まずCRASP:Caries Risk Assessment Share with Patientsですが、これは日本ヘルスケア歯科学会で提供されている、虫歯のリスクアセスメントツールです。患者さんがどれだけ虫歯になりやすいか診断するものですね。

当院では一部書式を変更して使っています(日本ヘルスケア歯科学会の会長の杉山先生了承済み)が、この書式とプレゼンテーション資料を使って患者さんのリスクを診断していきます。

01大人-07虫歯リス-02CRASP

01大人-07虫歯リス-01スライド

意外と使い方にコツが必要だったり、患者さんへの話の仕方・聞き方もポイントがあったりするので、きちんと練習してもらいます。


それから歯周病についても、歯周病がどんなものなのか、どんな検査をするのか、どうやったら治せるのか、一通り患者さんにお話するための資料を用意しています。

01大人-05歯周病に-01スライド


虫歯・歯周病どちらについてもある程度練習したあとは、院長相手にテストして、同じく「これなら患者さんに不安なく任せられる」となった段階で合格になります。


まとめ

当院で新人の衛生士さんに最低限する教育は下記の3つ。

・デンタル10枚法+BW撮影
・口腔内写真撮影
・CRASPと説明

このほかP検やSRP、OHIなどもスキルを確認した上で、まだ患者さんを任せられるレベルでなければ、スキルアップのため練習をしてもらう予定です。


↓ゆき歯科医院の衛生士教育その2


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