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Appleイベント2023年9月 「3つの布石」


はじめに

今日、日本時間で午前2時から恒例のAppleの新製品発表会が開催された。すでに、色々な方が発表内容いついてのコメントを掲載していると思うが、例に漏れず今回の発表で感じたことを書いておく。

今回の発表は、驚くような製品の発表はなかった。少し驚いたのは、いつもなら何を発表っするかあまり具体的に話さないティム・クックが冒頭に「本日は、Apple WatchとiPhoneについてお話しします」と発表する製品を明確にしたことだった。

しかも、いつもは大体2時間内外のところ、今回は1時間半ちょとで終わった。

製品も、冒頭に述べた通りApple WatchとiPhone以外はほとんど話すことがなかった。ただ、個人的には、今回の発表では3つの未来への布石について話をしたのではないかと感じた。

地球環境への布石

まず、Apple Watchでは、初の100%カーボンニュートラル製品として位置付けられた。製品自体だけではなく、リストバンド、パッケージなど様々な角度で地球の未来を考えにいれた製品として打ち出している。

さらに、素材の再利用だけでなく革の使用も排除している。しかも、これについてはパートナーであるエルメスと共に革を利用しないベルトを採用している。自社だけでなく、パートナー先とも協力して地球に優しい製品開発のあり方を模索する姿勢を示したところに、他の企業とは一歩も二歩も進んだ取り組姿勢を示していた。

これは、iPhoneについても言える。再生アルミニウムの利用はこれまでと変わらないが、さりげなくアピールされたていたProに新たに採用れたモジュール式の内部構造。これも、修理のしやすさと共に、おそらく再生のし易さを狙ったものではないだろうか。

おそらく、これをきっかけにして、Apple Storeのサードパーティ製品についても徐々に革製品のものを少なくして行ったり、リサイクル率の高い製品を中心に揃えたりということをしていくかもしれない。

未来の製品への布石

今回のApple Watchで採用されたジェスチャー機能であるが、既視感があった人は大方のではないだろうか。そう、Vision Proで示されていたジェスチャーだ(このジェスチャーはすでに、アクセシビリティで採用されていたようだが自分自身では記憶がなかった)。このタイミングで、あえてApple Watchにジェスチャー機能を搭載してきたのは、来たるVision Proの操作感に少しでも先行して慣れさせるためではないか?と思うのは考えすぎだろうか。

また、iPhoneにおいても、Proでは空間ビデオが撮れる機能が搭載されている。これは、Vision Proで見られる、立体的で臨場感の高い動画が撮れるというものらしい。ここで、ほとんどのユーザーには関係ないが、デベロッパーやコンテンツクリエイターに対しては先行してコンテンツが作れる環境を用意してくるのはなかなかAppleらしい上手さ(狡猾さ)ではないだろうか。

【9月16日:追記】
その後の情報では、USB-CタイプのAirPods Pro(第二世代)は、Vision Proで使用すると、ロスレスで受信できるように設計されているようだ。そういう意味でも、ここでも密かにVision Proへの布石が打たれていると言える。

以上のような形で、未来の製品であるVision Proへの布石を打ってきたと感じた。

会社の未来への布石

今回、目立ったのは、COOであるジェフ・ウィリアムズの説明時間が多かったことだ。自分は基本的にここ数年アップルイベントは全てリアルタイムで視聴しているが、記憶違いでなければほとんど彼が登場したことはなかったように思う(記憶違いだったらすいません)。

ところが、今回は冒頭にティム・クックが話してすぐにジェフ・ウリィアムズが取って代わり、Apple Watchの部分にも彼が話す時間が割り振られていた。

もしかすると、すぐにではないかもしれないが、ティム・クックの勇退に向けた布石ではないかと思うのは、考えすぎだろうか。

まとめ

いずれにしても、今回主に2つの製品の発表しか行わなかったのは、単純に新製品についてネタ切れであったということだとも言えるが、ただあえて製品を絞ることによって、別のメッセージを伝えようとしていたともとれる。

もしかすると年明けすぐ、我々が(少なくとも自分が)思っているよりもすぐにVision Proの発売が迫っているのかもしれないし、また年末にみじかいイベントでサプライズをしてくるかもしれない。

次の動きが楽しみだ。

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