今日は、特別な、よくある一日。
今日は、二度訪れることはない、特別な一日なんだよ。
こうした言葉に、よく出会う。
そんなことは、わかってるよ。
頭ではわかるけど、腑に落とすのがとても難しい。バランスを意識しようとするとバランスが失われてしまうように、特別さや希少さばかりに目をむけると、日常性や自然さが失われてしまう。
今日は、なんの変哲もない、よくある一日なんだよ。
そう思ってもいい。そうした置きにいくような一日、安全牌を引くような慎重な一日、人生の余白になるような一日が求められているように感じる。
でも、時間は大切にしろ、貴重なんだぞ、って言われてるよ。
理屈はわかるけど、毎日毎秒そんなことを思い続けることはできない。毎日が流れている現実では、思い通りに頭と体が動かないことの方が多い。
何を信じたらいいか、わからないよ。
無理に何かを信じなくてもいい。信じ続けることには忍耐が必要だから、けっこうな体力をつかってしまう。何かを信じる心と何かを信じない心は、セットでつかわなくちゃいけない。
ころころ変わるのが、心だよ。
理由がなくても自分に満点をあげる一日と、自分に赤点をつけて奮い立たせる一日と、両方ともが大切。どちらかが欠けるとつまらくて、どちらかに偏ると息苦しくなってしまう。
ころころ変わっても、いいんじゃないかな。
変化することが当たり前であることをごく自然に受け入れられるようになると、やわらかくなれる。押されてもしなって折れず、やさしく包みこんであげられる、そんなやわらかさには変化を受け入れるつよさがある。
今日は、特別な一日であり、よくある一日でもある。
一見なにを言っているかわからないような、矛盾を抱えた言葉を受け入れるような考え方ができると、気が楽になると思う。
人の中にはころころ変わる心があるのだから、矛盾があってもいい。
むしろ矛盾を抱える方が、人間らしいんじゃないかな。
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