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小学生の息子が示したかっこいい生き様~発達障害「個別の指導計画」を知る~

息子が小学校から「個別の指導計画書」を持ってきました。

うちの子は、発達障害の診断を受けているので、特別支援学級に所属しています。

特別支援学級は、「個別の教育支援計画」or「個別の指導計画」を作成することが義務付けられています。

うちの子は、今通級による指導を受けさせてもらっているんですが、通級は、特別支援教育の制度の一つ。
原則は個別指導ですが、必要な場合にはグループ指導を取り入れる教育形態です。特別支援学級に属しながら、科目によって通常の学級に交じって勉強しています(うちの子は、国語と算数だけ特別支援学級、そのほかの科目は普通級です)。

その資料の中に、サポートプランというのがあって、その内容を一部抜粋します。


【日常生活】

・初めてのことに不安があり、すぐに行動できない場面がある。初回は見学するなど様子を見ることで参加できることが多い。

【学習面】
・時間がかかっても、最後まで課題解決しようと努力することができる。
・理解にやや時間がかかることがあるが、おおむね学年の学習内容を習得している。

 
学校の先生が書いたうちの子の学校での様子。
自分が見ていないところで、うちの子は頑張っているなぁと思いました。

小学校に上がる前は、「軽度知的障害を伴う発達障害」という診断結果だったため、学校の勉強についていけると思っていませんでした。

未就学時の発達検査でも、「大人の指示が理解しづらい」、「パターン化された単純作業だったらできる」という評価だったため、小学校に上がってからは苦労するだろうと思っていましたし、ついていけずに不登校になることも想定していました。

ただ、今のところ頑張って周りについていっているようです。

 

息子の性格を少し。

うちの子は、私にあまり弱音を吐きません。

テストでいい点とっても、学校で褒められても、特段私に報告してきません。

うれしいことやびっくりしたこと、自分が関心があってがんばったことは熱心に報告してきます。

嫌なことは深く考えず、自分がやるべきことをやり、自分の評価には関心を示さず、自分が熱中できることに全力を注ぐ。

今の自分と正反対。かっこいいなと思いました。
辛そうになったらもちろんフォローします。このまま頑張ってほしい。

子供を見習い、私も今、自分が熱中できることに全力を注いでいます。

今回は、特別支援学級の「個別の指導計画」について取り上げます。

※定期的にnoteで記事を書いています。もしよければ、フォローとスキで応援願います!


発達障害の個別指導計画とは


個別指導計画の概要

個別指導計画(Individualized Education Program、IEP)は、発達障害を持つ子供たちのために作成される特別な教育プランです。この計画は、子供の特性やニーズに応じて、具体的な目標や指導方法を定めます。

IEPの作成には、学校の教師、専門家、そして保護者が協力して行います。このプロセスにより、子供が最大限の学習効果を得られるようにサポートします。具体的な内容には、学習目標、行動支援計画、評価方法などが含まれます​​。

IEPは定期的に見直され、子供の成長や変化に応じて修正されます。これにより、常に適切な支援が提供されるようにします。

個別指導計画が必要な理由

発達障害を持つ子供たちは、通常の学級での学習が困難な場合があります。

個別指導計画を通じて、子供一人ひとりの特性に合わせた教育を提供することで、学習効果を最大限に引き出すことができます

例えば、ある子供は読み書きが苦手でも、数学には優れた能力を持っていることがあります。このような場合、IEPではその子供の得意な分野を伸ばしつつ、苦手な部分を補うための具体的な指導方法が設定されます。

また、IEPは家庭と学校の連携を強化する役割も果たします。保護者が教育の進捗状況を把握し、家庭でも適切なサポートを提供できるようにします​。

個別指導計画の作成プロセス

個別指導計画の作成プロセスは、以下のステップで進められます。

  1. アセスメントの実施:子供の発達状況や学習ニーズを評価します。

  2. 目標と指導内容の設定:具体的な学習目標とそれを達成するための指導方法を決定します。

  3. 学校との協力体制:教師や専門家が連携して、計画を実施します。

  4. 定期的な見直しと修正:子供の成長に応じて、計画を見直し、必要に応じて修正します。

  5. 保護者の役割と参加:保護者も計画の策定と実施に積極的に関与します​。

このプロセスを通じて、発達障害を持つ子供たちが最適な教育を受けられるようにサポートします。

学校と家庭の連携

個別指導計画の成功には、学校と家庭の連携が不可欠です。保護者と教師が密にコミュニケーションを取り、共に子供の成長をサポートすることが重要です​。

例えば、家庭での学習サポートや学校での観察結果を共有することで、一貫性のある支援が可能になります。定期的な面談や報告書の交換を通じて、子供の進捗状況を確認し、必要に応じて計画を見直すことが大切です。

療育と教育のバランス

療育と教育のバランスを取ることも重要なポイントです。

療育は、発達障害のある子供の社会性やコミュニケーション能力を向上させるための支援です。

教育は学習面での支援を提供します。この二つをバランスよく取り入れることで、子供の全体的な成長を促進します​。

例えば、療育のセッションを週に数回取り入れつつ、学校での学習支援を継続することで、子供の社会スキルと学習スキルの両方を強化することができます。

短期と長期の目標

個別指導計画には、短期的な目標と長期的な目標を設定することが重要です。

短期的な目標は、子供が達成感を感じやすくするための小さなステップであり、長期的な目標は最終的な学習成果や社会的自立を目指します。

適応行動の促進

適応行動の促進は、発達障害を持つ子供たちが日常生活や社会生活で自立できるようになるために重要なスキルを身につけるプロセスです。

  • 基本的な生活スキルのトレーニング

  • 社会生活スキルの向上

  • 地域活動の参加

  • トレーニングの継続と評価

基本的な生活スキルのトレーニング

発達障害を持つ子供たちは、基本的な生活スキルを身につけることが重要です。

これには、着替え、食事、トイレの使用など、日常生活で必要なスキルが含まれます。これらのスキルを習得することで、子供たちは自立して生活する準備が整います​。

例えば、毎日のルーティンを視覚的に示すことで、子供が次に何をすべきかを理解しやすくなります。さらに、家庭内での役割分担を通じて、自己管理能力を育むことも有効です​ 。

うちの子は、食事面では、今でこそいろんなものが食べられるようになりましたが、昔は白飯しか食べませんでしたし、トイレも小学校入学ギリギリでおむつが取れるくらいの発育でした。

発達支援施設の療育で、この辺の生活面の発育のフォローをしてもらいました。

社会生活スキルの向上

社会生活スキルは、他人と適切に関わり、社会の一員としての役割を果たすために必要なスキルです。

これには、公共の場でのマナー、他人とのコミュニケーション、集団活動への参加などが含まれます。社会生活スキルを向上させることで、子供たちはより円滑に社会に適応できます​​。

うちの子の場合は、この社会生活のスキルがなかなか身につかずにいます。

自閉症的な特性を持ち合わせているため、なかなか自分から仲間の輪に入っていくのが苦手です。

ちなみにここは父親である自分もそうです。社会人経験を経て、いまでこそできるようになりましたが、いまだに人の輪の中に入っていくのは苦手です。

自分の経験から言うと、焦っても成果はほとんど変わりません。この部分は時間をかけ、今は他の伸びる部分に注力しています。


トレーニングの継続と評価

適応行動の促進には、継続的なトレーニングと定期的な評価が必要です。

子供の進捗を評価し、必要に応じてトレーニング内容を調整することが重要です。適切な評価とフィードバックを通じて、子供たちは着実にスキルを向上させることができます​。

発達障害の子供の未来を見据えて

発達障害の子供たちの将来を考える際、長期的な支援の重要性を理解し、成人期に向けた準備や自立を目指すための具体的なサポートが必要です。

  • 長期的な支援の重要性

  • 成人期の支援準備

  • 自立に向けたスキルの育成

  • 社会参加と職業支援

長期的な支援の重要性

発達障害を持つ子供たちにとって、長期的な支援は極めて重要です。

成長過程での支援が途切れることなく続くことで、子供たちは安定した発達を遂げ、自立した生活を送るための基盤を築くことができます​。

具体的には、進級や進学のタイミングで支援計画を見直し、必要なサポートを継続的に提供することが大切です。

成人期の支援準備

成人期に向けた支援準備も重要な要素です。子供たちが成長するにつれて、就労や社会参加に向けたスキルを身につけるための支援が求められます。

自立に向けたスキルの育成

自立に向けたスキルの育成も、発達障害を持つ子供たちの成長において欠かせません。

基本的な生活スキルや自己管理能力を身につけることで、子供たちは自信を持って自立した生活を送ることができます。生活スキルのトレーニングは、日常生活のあらゆる場面で役立ちます​。

例えば、家庭内で日常的な家事や金銭管理、時間管理の方法を教えることで、子供たちは自立した生活の準備ができます。

最近は、お財布を持たせ、お小遣いを渡し、自分の欲しいものがお財布の中のお金で買えるかを考えさせ、買い物時は自分で値段を計算して、必要なお金を会計時に出させるようにしています。

学校で学んだ算数を使うシチュエーションを設け、学習したことを生活面で活用できるんだと学ぶ機会を設けるようにしています。

あとがき

うちの子は将来何で稼げるかを考えていますが、まだ能力面が発達しきっていない部分を差し引いても、今自分が所属しているようなJTC(古い企業体質の会社)ではなかなか厳しいだろうと思っています(ストレスで潰れる…)。

とはいえ、ホワイト企業と呼ばれるような競争率の高い会社も入社するのは難しいと思います。

発達障害は特性的にどうしても足を引っ張る部分が出てきてしまいます。
タスク管理が苦手、集中が切れるとミスが多い、段取りが苦手、コミュニケーションの問題…など、本人の持ち合わせる特性によりけりです。

繊細な子だとメンタル的にもタフではないので、おそらく業務中に発生するトラブル対応や職員同士のコミュニケーション面でストレスを抱えたり、神経をすり減らしながら仕事をする形になるのではないでしょうか。

自分の職場でもそういう社員はいて、苦労しています。


比較的ゆとりのある職場やサポートを受けられる職場で働くとなると、お金の面でなかなか苦しくなってきます。

そのため、自分の特性を生かした自分のビジネスを起こすことや、副業を前提として複数の収入源を持つ形を考えていますが、普通に会社で働くこと以上にハードルが高くなってきます。

学校や発達支援施設の教育プランに任せるだけでは将来の見通しはなかなか厳しい。
息子の特性に合わせたキャリアプランを本人と一緒に考え、学校と発達支援施設のサポートを得ながら、独自の教育を施し、今から働くための準備をしていくことが必要と考えています。

幸い、まだ時間はあります。
今の学校教育は、「ビジネスでの成功」を前提にした教育ではないため、学校で成績の良かった学生が必ずしも社会に出てビジネスで成功しているわけではありません(私がいい例です。国立のそれなりの大学出ましたが、ビジネスで成功できていません。)。

普通の子供は、いい大学に入学するまでの、「学校教育の成功」を前提にした教育を施されています。ここのアンマッチが私と息子が突くべきポイントと考えています。

ハンデを背負っている分、普通のやり方では普通の生活も難しい。
頭を使って先を見通し、先取りをし、他の子が追い付いても競っていけるくらいのリードをつくる。

最悪、失敗したとしても、生きていけるのが日本と思いますし、私が生きている間はフォローしていけばいい。それまでは息子と二人三脚で、熱中できることを見つけ、ひたすら挑戦を続けていこうと思います。

結果が出るまでは簡単には諦めません。

こんな感じで定期的に記事を書いています。
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