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うちの子、軽度知的障害の診断でしたが、テストで90点取ってきました。療育始めて5年経った小学生~家でやった取り組み紹介!~

今でも忘れない。現実を突きつけられた時のショック。

うちの子が3歳で発達検査を受けた時、各検査項目が軒並み1歳半ばくらい(3歳なのに1歳半ばの子供くらいの発育)、言葉の発語に至ってはかなり遅れて6か月、という発達診断結果でした。

もろもろの発育が遅れており、軽度知的障害を伴う発達障害の診断。
療育手帳を発行してもらい、発達支援施設に通い始めました。

他の子よりも発育が遅れている自覚はありましたが、いざ数字で示されるとかなりショックでした。
大学まで通わせたらお金かかるよなぁ…なんて考えていましたが、
そもそも高校に行けるまでの学力を身につけられるのか?
そもそも親なしで自立した生活ができるのか?、この子は一生俺と生活しないと生きていけないのか…?という不安。

まだ、我が子の発達障害を受け入れてから日が浅かったため、当時の自分は突きつけられる現実を受け入れるのに時間が必要でした。

 

それから5年の歳月が経ち、その間いろいろな取り組みをしてきました。
発達支援施設での療育と共に、自分でも色々調べ、子供の様子、性格、特性を注意深く観察し、自分なりにうちの子供に合った教育をしてきました。

子供の関心があるものを次々とつなぎ合わせるように工夫。

うちの子は象さんが好き
→動物の図鑑購入
→象が出ているTV録画・動物のDVD購入・一緒に見る
→動物園に連れていく
→他の動物も好きになる・他の生き物に関心寄せる
→水族館に連れていく
→水生生物の図鑑購入
→クジラが好きになる
→大きな生き物に関心寄せる
→恐竜の図鑑購入
→恐竜が好きになる
→恐竜のフィギュアを大量に購入
→フィギュアを使って恐竜同士を戦わせるようになる
→図鑑を見ながら恐竜の絵を描き始める
→ドラゴンに関心を寄せ始める
→ドラゴンドリルを買ってみる
→シールを貼りながらドラゴンドリルで勉強するようになる!
→ポケモンドリルも買ってみる
→ポケモンに興味を持ち始める
→シールを貼りながらポケモンドリルで勉強するようになる!
→他の教科のポケモンドリルも着手
→漢字の書き取り・計算の基礎問題の反復学習ができた!
→漢字・計算の基礎知識の定着!
→学力向上!!

図鑑や本はたくさん買い与え、図書館で本を借りて読ませたりしており、最近は月に10~20冊くらい本や図鑑を読ませています。

詳しくは別の機会に記事にまとめますが、うちの子の関心に合わせて興味を持ちそうな教材の選定、かつ適切なレベルの教材の提供ができたと思っています。

あまり難しすぎても挫折してしまうので、応用問題は割り切って捨てて、徹底的に基礎問題の反復を繰り返したことが奏功しました。

本人が頑張れば自分は勉強ができるという自己有能感の植え付けができたのと、(集中力が欠落したときにミスがでるものの)基礎的な計算問題はほぼパーフェクトにできるくらいまで計算能力を身につけることができました。

上記は勉強にフォーカスを当てましたが、うちの子は手先が不器用だったため、手先をつかう遊びをさせるために絵を描く道具を揃えたりして(色鉛筆、色ペン、マッキー、ポスカ、絵の具、画用紙、自由帳、無地のノート…)、自分のイメージを細かに表現できるように多種多様な材料を揃えました。

うちの子はイメージを膨らませたり、参考にする絵や写真を求めて、いろんな図鑑や本を読むようになりました。
これにより、図鑑に出てくる絵や字を覚え、図鑑の知識を習得し、また、頭の中のイメージを紙に描き、その絵に説明文を書き加えるために漢字を使い…、といった形で、うまくインプットとアウトプットの流れを作ることができました。

「こういうのはどう?」と私の意向を押し付けても、すぐに飽きて続きません。
コツは、
・興味を持ち始めるものが出てくるまでじっと待つこと。
・関心を持った時のサインを見逃さないこと。
・いろんなものを見せたり、体験させたりして材料を提供すること。

今小学校3年生ですが、国語と算数は特別支援学級に通わせていたため、普通級のクラスと進度の差ができたために特別支援学級のカリキュラムを受けていますが、理科や社会の科目は普通級の子と同じカリキュラム。

その理科のテストで、さらっと90点を取ってきました。

他の科目も今のところしっかりついていけているそうです。

当然、小学校低学年ということは考慮しないといけないのですが、当初他の子の半分程度まで発育が遅れ、かつ軽度知的障害の診断だったことを考えると、ちょっと感慨深いものがありました。


その子の特性によるものもあると思いますが、うちの子の場合は子供の特性に合わせた支援、教育は効果的であることの一例かと思います。
本記事では、そんな個別教育について取り上げました。


軽度知的障害の子供が追いつくための支援

軽度知的障害の子供が追いつくための支援について、具体的な方法やプログラムをご紹介します。

  • 療育プログラム

  • 個別教育計画(IEP)

  • 支援教育の重要性

  • 家庭でのサポート

療育プログラム

療育プログラムは、軽度知的障害の子供がさまざまなスキルを身につけるための重要な支援方法です。代表的な療育プログラムとして、応用行動分析(ABA)、ソーシャルスキルトレーニング(SST)、認知行動療法(CBT)などがあります。

まず、応用行動分析(ABA)は、子供の行動を分析し、望ましい行動を強化する手法です。たとえば、正しい行動ができたときにご褒美を与えたり、たくさん褒めることで、子供はその行動を繰り返すようになります。これにより、社会的スキルや学習能力の向上が期待できます。

子供の様子をよく観察し、その子の性格や特性を正確に把握することが重要です。

次に、ソーシャルスキルトレーニング(SST)は、子供が対人関係やコミュニケーションスキルを身につけるための訓練です。グループでの遊びやロールプレイを通じて、子供は他人との関わり方を学びます。このようにして、社会での適応力を高めることができます

また、認知行動療法(CBT)は、子供の思考パターンを改善し、ストレスや不安を軽減する手法です。特定の課題に取り組むことで、子供は自己肯定感を高め、より積極的に日常生活に参加できるようになります​。

個別教育計画(IEP)

個別教育計画(IEP)は、軽度知的障害の子供が学校で必要な支援を受けるための計画です。IEPは、子供の学習能力や行動を評価し、個別に適した教育プログラムを作成します。

まず、IEPは教育専門家や保護者、教師が共同で作成します。子供の強みや課題を明確にし、それに基づいて目標を設定します。この目標は具体的で達成可能なものであり、定期的に見直されます。

うちの場合は発達支援施設でプランを作成してもらい、うちの嫁とすり合わせをして決定しました。

私はそれを把握しつつ、家庭でできることを考え、支援するような取り組みを心掛けました。

次に、IEPには、特別な教育サービスや支援が含まれます。たとえば、特別支援クラスでの授業や個別の補習、専任の支援スタッフによるサポートなどが挙げられます。これにより、子供は自分のペースで学習を進めることができます

また、IEPは家庭でのサポートも重要です。保護者は学校と連携し、家庭でも子供が学びやすい環境を整えることが求められます。これには、学習の進捗を確認することや、学校で学んだ内容を家庭で復習することが含まれます。

支援教育の重要性

支援教育は、軽度知的障害の子供が学習や生活スキルを向上させるために重要です。支援教育には、特別支援クラスやリソースルームでの個別指導が含まれます。

まず、特別支援クラスでは、子供の特性に合わせた教育が行われます。少人数のクラスで、教師は個別のニーズに対応しながら指導を行います。これにより、子供は自分のペースで学習を進めることができます。

次に、リソースルームでは、特定の科目やスキルに特化した個別指導が行われます。たとえば、読解力や数学の基礎を強化するための特別な教材が用意されます。これにより、子供は自信を持って学習に取り組むことができます

また、支援教育は、子供の社会的スキルの向上にも役立ちます。グループ活動やプロジェクトを通じて、子供は他人とのコミュニケーションや協力の方法を学びます。これにより、学校や地域社会での適応力が高まります。

家庭でのサポート

家庭でのサポートは、軽度知的障害の子供が日常生活をスムーズに送るために非常に重要です。家庭での環境を整え、適切な支援を提供することで、子供は安心して成長することができます。

まず、家庭内のルールやスケジュールを明確にすることが大切です。たとえば、毎日のスケジュールを視覚的に示すカレンダーを使うことで、子供は自分の予定を把握しやすくなります。これにより、安心感と自立心を育むことができます

次に、子供が興味を持つ活動を一緒に行うことも重要です。冒頭で紹介したように、子供の関心を寄せているものを一緒になって楽しむ機会を設けると、子供は夢中になって取り組みます。

一緒に読書をしたり、簡単な工作を作ったりすることで、子供の学習意欲を高めることができます。

また、子供の成功体験を積極的に褒めることも効果的です。小さな成功でも、褒めることで自信を持たせることができます。これにより、子供はさらに挑戦し続ける意欲を持つようになります。

勉強するときも極力そばについて声掛けをするようにします。できた時にはいっぱい褒めるようにして自己有能感を植え付け、物事に積極的に取り組む姿勢を育みます。

このように、家庭でのサポートを通じて、軽度知的障害の子供が成長し、社会で自立できるようにすることが重要です。

軽度知的障害の子供とのコミュニケーション

軽度知的障害の子供とのコミュニケーションは、子供の成長や学習において非常に重要です。ここでは、効果的なコミュニケーション方法、非言語コミュニケーションの活用、コミュニケーションの障害を克服する方法、そして社会スキルの向上について説明します。

  • 効果的なコミュニケーション方法

  • コミュニケーションの障害を克服する方法

  • 社会スキルの向上

効果的なコミュニケーション方法

軽度知的障害の子供との効果的なコミュニケーション方法は、シンプルで明確な言葉を使うことが基本です。子供が理解しやすい言葉を選び、具体的で簡潔な指示を出すことが重要です​。

次に、同じ指示やルールを繰り返し使うことで、子供は次第にそれを覚えて行動に移せるようになります。また、一貫性のある対応をすることで、子供に安心感を与えます。

さらに、ポジティブなフィードバックを積極的に与えることも効果的です。良い行動をした際には褒めたり、具体的に何が良かったのかを伝えることで、子供の自信を育むことができます​。

コミュニケーションの障害を克服する方法

コミュニケーションの障害を克服するためには、いくつかの戦略を取り入れることが必要です。障害を感じる場面を特定し、具体的な対策を講じることで、子供のコミュニケーション能力を高めることができます。

まず、障害を感じる場面を観察し、どのような状況でコミュニケーションが難しくなるのかを把握します。例えば、人が多い場所では話しにくいと感じる場合、静かな場所での会話を心がけるなどの工夫が必要です。

また、定期的なトレーニングも効果的です。コミュニケーションスキルを向上させるための練習を繰り返すことで、子供は徐々に自信を持ち、スムーズにコミュニケーションを取れるようになります​。

社会スキルの向上

社会スキルの向上は、軽度知的障害の子供にとって重要な目標です。社会スキルを身につけることで、子供は他人との関係を築き、社会に適応する力を高めることができます。

まず、グループ活動やプロジェクトに参加する機会を提供することが重要です。これにより、子供は他人と協力する方法やコミュニケーションのスキルを自然と学ぶことができます。

次に、ロールプレイを活用したトレーニングも効果的です。実際の場面を想定したロールプレイを通じて、子供はさまざまな状況での対処法を学びます。これにより、実際の場面での対応力が向上します

私は買い物やお店で商品を探すときに、子供に店員さんとコミュニケーションを取って問題解決を図るように仕向けます。

「画用紙を探しているのですがどこにありますか?」などを子供から店員さんに聞かせるようにしたり、私がそばにいる状態で子供にお会計させたりしています。

また、定期的なフィードバックを行うことも大切です。子供が社会スキルを使った際には、その結果を振り返り、良かった点や改善点を具体的に伝えることで、次回に活かすことができます。

これらの方法を実践することで、軽度知的障害の子供とのコミュニケーションが円滑になり、子供の成長をサポートすることができます。

まとめ

療育を受けさせ始めてから5年ほど経ちます。


療育を受けさせ、生活面で出来ることを徐々に増やし、ドリルを一緒にやり、少しづつ学校の勉強で出来ることを増やしていきました。

記事だけ読むと、すんなりうまくいったように思われるかもしれませんが、失敗したな…、とか、あれは無駄だった…ということの積み重ねがあり、それこそおびただしい数のトライがありました。

昨今うまくいかない人やうまくできない人をバカにしたり、露骨に自分より下に見たりする風潮の世の中です。

話の流れで身の上話をする機会がたまにあり、過度に同情されることがあります。悪意はないのでしょうが、なんとなく下に見られたような気がして、少しもやもやした気分になります。

うちの子が結果を出してきたのを見て、「たとえハンデがあっても努力と工夫でなんとかできるんだよ!」的な思いを抱きました。

障害の度合いもあるので、努力すれば何とかなるとは言い切れません。

どうにもできないこともあるのですが、簡単にあきらめずに、ひたすら情報をかき集め、挑戦を繰り返し、粘り強く工夫を続けて努力すれば、何とかなることもあるから、「簡単にあきらめちゃいけないよ」、と子供に教えてもらったように思いました。

学校生活において、勉強ができるに越したことはありません。勉強についていけないと、その面から学校生活でのストレスが生じます。
また、周りから求められることに応えられるスキルを身につけることは、社会生活を営む上で不可欠になってきます。

ただし、今は学校のテストでいい点数を取り、いい大学に行くことがゴールの時代ではなくなってきました。

いかにして経済面、社会面、生活面で自立できるか。自立するための力を身につけるか。競争に勝っていけるか。発達障害の子のみならず、定形発達の子にとっても厳しい環境になってきています。

そんな環境でハンディを背負った子が他の子に負けずに戦っていくには、頭を使って戦略的にキャリアやポジショニングを考えていく必要があります。

次回は、発達障害を抱えるうちの子のキャリアプランについて記事にしようと思います。


私はブログもやっており、noteで公開していない記事をアップしています。
もし本記事に興味を持っていただけたなら、こちらのブログもあわせて見に来てください!


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