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【プロ野球】2024年度 パ・リーグ 「育成→支配下」登録選手予想・・・期限日は今月31日

1.はじめに

 今シーズン開幕後の4月中旬に詳しく記事にしたが、今季の「育成→支配下」登録の期限日が迫ってきた。1軍の試合に出場する事ができない育成登録の選手(育成選手)にとって、今季中に1軍で活躍するためには期限日までの残り期間でアピールしなければならず、暑さが増してきて肉体的にも当然疲れるが、精神的にも日が経つにつれて焦りも出てきて堪える日々となる。
 支配下登録枠は70名が最大。パ・リーグ6球団のそれぞれの残り枠はどれくらい空いているのだろうか。枠が少なければ、育成選手の中での競争も激しくなる。今年「育成→支配下」に昇格した選手をまとめ、各球団の補強ポイントを確認し、駆け込みでの昇格選手を予想してみる。

2.今年パ・リーグ6球団で「育成→支配下」へ昇格した選手はここまで20名

 直近3年間、開幕から7月31日までの登録期限日までの間で、「育成→支配下」へ登録された選手の人数は以下の通り。今年の人数は7月4日までのもの。



🗂️【表1】パ・リーグ6球団で直近3年間の支配下登録期限日までに「育成→支配下」へ昇格した人数
●2021年・・・計11名  (4名)
●2022年・・・計20名  (11名)
●2023年・・・計11名  (6名)
●2024年・・・計20名  (?名)
*カッコ内は、期限日まで残り1ヶ月以内の駆け込み昇格の人数。


 上の昇格人数の一覧を見比べても分かるように、近年は期限日までの残り1ヶ月で全体の約半数の選手が駆け込みで登録を勝ち取っている。今年は既にここまで20名の育成選手が支配下登録され、過去最多の2022年の人数に並んでいる。更新は間違いなく、育成選手にとってチャンスも広がってきている。


🗂️【表2】パ・リーグ6球団で今年育成登録から支配下へ昇格した選手(▲は入団後に支配下登録経験があり再登録、◎は支配下初昇格)
①3/12  E  ▲山田遥楓 
内野手 10年目
②3/14  F  ◎福島蓮  
投手 3年目(21'育成D1)
③3/14  B  ▲富山凌雅 
投手 6年目
④3/14  B  ▲椋木蓮  
投手 3年目
⑤3/19  H  ◎川村友斗 
外野手 3年目(21'育成D2)
⑥3/19  H  ◎緒方理貢 
外野手 4年目(20'育成D5)
⑦3/19  H  ◎仲田慶介 
内野手 3年目(21'育成D14)
⑧3/26  L  ▲ブランドン
外野手 4年目
⑨3/26  B  ▲井口和朋 
投手 9年目
⑩4/1    M  ▲二保旭  
投手 16年目
⑪4/9    E   ◎清宮琥多朗
投手 6年目(18'育成D1)
⑫5/10  F   ◎柳川大晟 
投手 3年目(21'育成D3)
⑬5/24  B   ◎才木海翔 
投手 2年目(22'育成D2)
⑭5/31  M   ▲吉田凌  
投手 9年目
⑮6/1    H   ▲佐藤直樹 
外野手 5年目
⑯6/3    L   ◎菅井信也 
投手 3年目(21'育成D3)
⑰6/8    B   ◎佐藤一磨 
投手 5年目(19'育成D1)
⑱6/9    L   ◎奥村光一 
外野手 1年目(23'育成D6)
6/23   M   ▲石川歩  投手 11年目
⑳6/24    L    ▲牧野翔矢 捕手 6年目


🗂️【表3】パ・リーグ6球団で今季「育成→支配下」登録された20選手の内訳と各チームの育成・支配下人数(▲は入団後に支配下登録経験があり再登録、◎は支配下初昇格)
B  5名(▲3、◎2)    育成15名・支配下69名
M  3名(▲3、◎0)    育成16名・支配下69名
H  4名(▲1、◎3)    育成53名・支配下66名
E  2名(▲1、◎1)    育成11名・支配下65名
L  4名(▲2、◎2)    
育成22名・支配下67名
F  2名(▲0、◎2)    育成16名・支配下67名


3.支配下登録期限日(7月31日)までに支配下登録へ昇格が見込まれそうな選手を予想(▲は入団後に支配下登録経験があり再登録、◎は支配下初昇格)

【表4】パ・リーグ各チームの過去3年間と今年の「育成→支配下」登録人数

3.(A)オリックス
支配下 69
育成 15
今季昇格済 5(▲富山・▲椋木・▲井口・◎才木・◎佐藤一)

 他球団と比べ、「育成→支配下」への昇格を積極的に行うチームだが、今季も既にリーグで最も多い5名を昇格させている。開幕直後に投手陣に怪我人が続出し、オープン戦でアピールに成功した2年目の才木投手と、成長著しい5年目の佐藤一投手を追加で昇格させた。また、6月19日には昨年ロッテに所属していたペルドモ投手を獲得してブルペンを補強し、支配下登録の人数が69名まで達しており、今後更に緊急の外国人選手の獲得や、シーズン終盤に向けて足りないポジションを見極めての大事な枠となる事から、期限日ギリギリまで育成選手のプレーを確認した上での判断となりそうだ。残り枠が少ないため、上位への進出を望むならばある程度計算可能な支配下経験のある選手の選択が濃厚となる。だが、この条件に当てはまり、2軍戦で成績を残している育成選手が見当たらず、昇格選手候補を見つけるのが難航しそうだ。
 最後の1枠を育成選手からの指名となれば、故障者の離脱などでポジションや役割の不足が生じていないか見極める必要があり、昇格を狙っている選手は期限日まで状態を上げておきたい。野手では、いずれも支配下経験はないが3年目の長距離砲の山中選手、ルーキーで内野を守る河野選手の独立Lを経験した2名がアピールを続けている。山中選手は2軍戦で2本塁打を放っているが、最後の本塁打を放ってから2ヶ月以上が経っており、6月の打撃の状態も落としているのは気がかり。年齢的にもチャンスは多くなく、7月の奮起が待たれる。河野選手は内野はどこでも守れ、しぶとい打撃が真骨頂。2軍での打席数は多くはないが打球を転がす打撃が染み付き、打率は3割前後を保っている。どちらの選手も残りの期間で特徴をアピールしてチャンスを待ちたい。
 投手では、2年目の入山投手、ルーキーの芦田投手、4年目の川瀬投手を含めた3名の右腕が候補か。入山投手は開幕当初はクローザーを務め、緊張感のある場面でマウンドに上がり、育成選手ながら大きい経験を積めた。腕を振った球威のあるストレートを武器に1イニングに力を出し切るタイプだ。芦田投手は先発も中継ぎも器用にこなし、制球力も優れており安心してマウンドに送り出せる投手。6月に入ってからは先発でも結果を残しており、残り1ヶ月間、調子を維持できるかも大きなポイントとなる。川瀬投手は年々力をつけており、複数イニングも対応できる使い勝手の良さがある。制球力も高まって無理して三振を狙わず、浅いカウントから積極的にストライクゾーンへ投じてアウトを稼ぐ力投型だ。どの投手も2軍戦で特徴を生かした役割を与えられ、それぞれの投手の力を発揮できる状態にあり、枠は少なく厳しい争いだが、僅かな可能性を掴むためにも結果を残しておきたいところだ。

●期限日まで支配下登録の有力候補(予想0〜1名)
◎山中選手
◎河野選手
◎入山投手
◎芦田投手
◎川瀬投手

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