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2024年の横浜F・マリノス

2月に入り、ACLノックアウトラウンド、Jリーグ開幕が近づいてきました。というわけで今回は我が横浜F・マリノスの2024年を展望していきましょう。まずは今年のスカッドがこちら。

主力はほぼ変わらず、監督交代が大きな変化

2023年メンバーからの大きな変化はGK一森純選手のレンタル元のガンバへの復帰とCB角田涼太朗選手の海外移籍。戦術のキーであるハイラインを可能にするGK(去年は高丘選手)とCB(去年は岩田選手、その前はチアゴ選手)が毎年のように移籍するのはなんとかしたいところです。

守備連携は一からの構築となりますが、攻撃陣は得点王アンデルソン ロペス選手、J最強の両翼エウベル選手&ヤン マテウス選は健在で、実力&実績十分の西村拓真選手、ナム テヒ選手、水沼宏太選手、宮市亮選手、レンタルバックの天野純選手がいて、こちらの心配はありません。

その選手以上に大きな変化はケヴィン マスカット監督の退任に伴う、ハリー キューウェル監督の就任でしょう。キャンプの情報やダイジェスト映像を見る限り、中盤を正三角形から逆三角形にして、より攻撃的に戦うスタイルを目指すようです。実際、キャンプでの練習試合では3試合で16得点と1試合平均(試合時間が90分ではないけど)5点を超える破壊力を見せています。このシステム変更を踏まえて、各ポジションはどうなっていくかを見ていきましょう。

一森、角田に変わるのは誰か?

まず、レギュラーが抜けたGKは横一線からのスタートとなります。練習試合での起用法を見る限り、新加入のポープ ウィリアム選手がファーストチョイス候補に見えます。ただ、個人的に期待しているのは、加入2年目の白坂楓馬選手。昨年は出場機会がなく悔しい思いをしています。それでもマリノスのGK練習を一年経験し、チームのベースも理解しているため、ここはポープ選手よりもアドバンテージがあります。取材に対するコメントにもギラギラ感があり、やってくれるのでは!と期待を抱かせます。経験豊富な飯倉大樹選手、若い寺門陸選手も含め、高いレベルでレギュラー争いをして、なんとか一森選手の穴を埋めてほしいところです。

続いてCB。前述の通り、角田選手が海を渡り、ハイラインを可能にする一番手が抜けました。ここを補うためにアルビレックス新潟からスピード抜群の渡邊泰基選手を獲得。角田選手と同じ左利きであり、左CBとしてこれはナイスな補強です。戦術にフィットすれば、跳ね返し型のエドゥアルド選手よりも優先順位が高くなることが予想できます。

右CBは一番手の畠中槙之輔選手がケガで離脱中。上島拓巳とベテランの實藤友紀選手、新加入でアンカー起用も考えられる山村和也選手も候補になってきます。タイプによる組み合わせで考えると、スピードのある渡邊選手と組み立てができる畠中選手のコンビがファーストチョイスになる可能性が高いと思います。ただ、タイプが異なる選手が揃っているので、過密日程や相手チームのやり方を見極めながら疲労をためないように、やりくりしてほしいですね。

続いてケガ人続出のSB。昨年は一年間プレーできたのは松原健選手ただ一人で、小池龍太選手、永戸勝也選手、小池裕太選手、加藤聖選手とケガが続き、彼らは開幕は不在の予定。選手は揃っているものの、緊急事態は続いており、東京ヴェルディから加藤蓮選手を獲得しました。松原選手を軸に、昨年Jデビューしているルーキーの吉田真那斗選手も合わせて序盤は乗り切っていくことになります。本来は攻撃的なポジションである吉尾海夏選手が、昨年のスクランブル体制では左SBとして高いパフォーマンスを見せたこともあり、今季も緊急時の出場はあるがしれません。ケガ人が全員戻ればSBはかなり充実の布陣です。中盤のシステム変更により、昨年までとは役割も変わってくると思うので、レギュラー争いは熾烈になるでしょう。

システム変更のあった中盤を飛ばして先に前線を見ていくと、3トップは前述のブラジリアントリオが盤石。契約満了で移籍が噂されたエウベル選手、中東や中国から引き抜きの噂があったロペス選手を残留させられたことはこれ以上ない補強です。

マリノスは戦術や強度に馴染むまでに時間がかかる傾向があり、近年は加入2年目から活躍する選手が増えています。昨年のヤン マテウス選手しかり、その前の前田大然選手やオナイウ阿道選手らが力を発揮したのも2年目。そういった意味では昨年一年を通してマリノスのサッカーを吸収した植中朝日選手、村上悠緋選手、井上健太選手らはブレイクを予感させます。彼らの成長はそのままチームの成長につながります。

逆三角形は機能するのか?

ここからは中盤です。ここでは便宜上前の二枚をIHとしますが、IHの候補は西村選手、ナム選手、天野選手といった元々トップ下の選手に加え、昨年まではボランチだった山根陸選手がキャンプではこのポジションで起用されています。昨年は本職でプレーできなかった吉尾選手や榊原彗悟選手の適正ポジションもIH。天野、吉尾、山根、榊原のユース出身者は全員テクニックに長けており、ブラジリアントライアングルとの相性が良さそうであり、フィジカルの強い、西村、ナムと組ませる形が良いのではないかと考えています。

最後に最重要ポジションとなりそうなアンカーです。キャンプでは主将の喜田拓也選手と、昨年全試合出場の渡辺皓太選手がこのポジションを務めました。ビルドアップでCBを助け、守備のフィルターとなるべく高い強度と運動量が求められます。逆三角形成功のカギはアンカーが握っていると言っても過言ではなく、彼らの奮闘に期待がかかります。個人的には状況によっては夏以降、ここに強力な外国人を獲得する可能性もあると思っています。

中盤の底が一枚になることでビルドアップのやり方は変わるでしょうし、守備時は一枚しかいないアンカー脇を狙われるのは必然で、ここをケアする策をどう考えているのか? しっかり練習試合を見ることができていないため、未知の部分が多いのが現状です。

未知の部分は不安でもありますが、見方を変えれば上積みをもたらす要素でもあり、それだけ楽しみが大きいということ。新しいやり方になれば序盤は苦しむことが予想されます。ACLは内容よりも結果、リーグはチーム力の蓄積(最後に一番上にいればいい)という形で序盤は進んでいくことになるでしょう。常にバージョンアップを試みるチームの姿勢を支持したいと思います。

とにかく試合を見ないとわからないことが多いので、2・21バンコク戦、2・25ヴェルディ戦が待ち遠しいです。

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