ベイスターズが26年ぶりに優勝するための5勝4敗のススメ
2024年のプロ野球が開幕しました。昨年、阪神タイガースが1985年以来の日本一に輝いたことにより、我が横浜DeNAベイスターズは12球団でもっとも優勝から遠ざかっている球団となってしまいました(最後の優勝は1998年)。
そんなベイスターズは開幕から3カード9試合を終えて、すべて勝ち越し、6勝3敗の首位と、スタートダッシュに成功しました。開幕前はエースの今永昇太選手がメジャーに移籍し、サイ・ヤング賞右腕トレバー・バウアー選手もメジャー復帰を目指して退団。昨シーズンの先発三本柱の二枚を失い、散々な前評判でしたが、十分に戦っていけるという手応えをつかめたのではないでしょうか。
というわけで今回はベイスターズが26年ぶりに優勝するためには!という話を書いていきましょう。
9試合1パッケージで考える
開幕前や開幕直後ではなく、9試合を終えたところでこんな話を書くのには理由があります。ペナントレースを勝ち抜くためには、9試合を1パッケージとして考えるのが有効だからです。
現在のプロ野球のレギュラーシーズンは143試合です。これを9試合1パッケージ(15パッケージ+最後は8試合1パッケージで143試合)で区切って考えます。1パッケージ5勝4敗を続けていくと、15パッケージで貯金15。最後は8試合なので、ここを総力戦でラストスパートをかけて5勝3敗とすると、最終的に貯金は17、6勝2敗なら貯金は19となり、独走するチームがない限り、優勝争いの数字となります。大型連勝、大型連敗なく、5勝4敗を続けていけば、優勝が見えてくるというわけです。
開幕からの9試合を見る限り、ベイスターズは1パッケージを5勝4敗で戦える戦力は十分にあります。暗黒時代はどんなに頑張っても3勝6敗の戦力だったため、こうした計算は不可能でしたが、今なら5勝4敗を積み重ねていくことができます。
昨年とは違うマネジメント
今シーズン最初の9試合は6勝3敗と上出来すぎる結果でした。ここで大事なのは勝ち負けの結果ではなく、チームマネジメントの部分になります。今回の9試合に関しては、巨人との初戦をとった時点で5勝(2敗)をあげており、理論上は残りの試合は負けてもいい計算でした。長いペナントを戦い抜くたは、ここが重要であり、巨人との2戦目、3戦目のチームマネジメントに好印象を持ちました。
というのも、ベイスターズは4月6日の巨人戦では連投だった抑えの山﨑康晃選手をベンチから外しました。仮に接戦、あるいは延長となったときでも、この日は山﨑選手は絶対に使わないという選択です。結果的に山﨑選手不在ながらもその試合を勝利すると、翌4月7日の試合では前日4打点と絶好調の宮﨑敏郎選手をスタメンから外しました。宮﨑選手は昨年の首位打者とはいえ、ベテランとなりフル出場は厳しくなっています。ベテランを余裕を持って休ませながら戦うことで、ケガや大きな不調を避けるという狙いが見てとれます。開幕からの9試合を見て、結果の部分よりもマネジメントの部分で、今年のベイスターズはやるかも!と思いました。
5勝4敗でいい理由
勝てる試合は全力で勝ったほうがいいのでは?と思う方もいるでしょう。その通りですが、目先の勝ちにこだわりすぎるのは危険です。無理な選手を起用をすることなく、9戦5勝4敗を続けていけばいいのです。なぜ5勝4敗を続けることが大事なのか? 簡単に説明していきましょう。
仮にBスターズというチームがあったとします。最初の1パッケージ9試合でスタートダッシュを決めるべく、積極的に投手をつぎ込んで6勝3敗のスタートを切りました。続く9試合も接戦が多く、勝ちパターンの投手起用が多くなってしまったけど、6勝3敗。2パッケージで12勝6敗と6つの貯金をつくったとします。しかし、次の9試合はスタメンの調子が落ちてきたこと、投手陣の疲れも見えてきこともあって、2勝7敗と大きな負け越し。結果、3パッケージ27試合で14勝13敗の貯金1でした。勝ち越してるし、一時は貯金6までいったし…という考え方をしている限り、優勝はできません。
これに対して、あくまでも5勝4敗をベースに考え、
早めに交代する、あるいはスタメンを外すなど、適度に主力選手を休ませつつ、中継ぎ陣は連投の後はベンチ外休養。主力と若手や中堅をバランスよく使っていく戦いをした場合はどうでしょう? 当然競り負ける試合もあるかもしれないし、大勝ちすることもないでしょう。しかし、無理のない選手起用で3パッケージ5勝4敗を続けると、27試合を終えて15勝12敗の貯金3です。一時的に貯金6でウハウハになるのと、最終的に貯金が多いのとではどちらがいいかはわかりますよね。
昨年までの過ちを繰り返さない
近年のベイスターズの戦いぶりを思い出してみてください。勝っているときは打線みんなが好調で、投手陣も元気にフル回転。しかし、打線の好調の波が終わり、フル回転の投手陣に疲れが見えると失速。また元気になると勝ち始める……という流れが多いと思いませんか? 10あったはずの貯金が気づけば2~3になっていた…という展開です。
安定して5勝4敗を続けられないから、一時的に首位に立っても失速してしまうのです。143試合をトータルで考えてチーム力を維持、成長させていけば、昨年よりもいい結果は出るはずです。
失速の原因は選手層の薄さにもあります。ただ、今年は例年よりは投打とも、チームへの上積みを期待できる若手、新加入選手が多く、戦力を疲弊させないように使いつつ、若い力の経験値増、成長をうながしながら戦うこともできるのではないかと思っています。
もちろん、5勝4敗でいいというマネジメントで戦っても、結果的に6勝3敗、7勝2敗になることもあれば、逆に4勝5敗と予定が狂うこともあるでしょう。大事なのは143試合戦って最後に一番上の順位にいることです。
ここまで書いてきたように、5勝4敗を続けていくためには、〝ベイスボール〟と呼ばれるイージーな凡ミスで負ける試合を減らすことが大前提となります。結局、これが一番難しいんですけどね。
長くなってしまいましたがら今年こそベイスターズの優勝を願って、一喜一憂せず5勝4敗の気持ちで応援していきます。
おわり。
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