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干し柿づくりやってみる

柿が続々と並びだした。昔は何だか地味で、別段食べたい果物ではなかったけれど、年のせいか、近頃は結構好きな果物に入るかもしれない。結構熟してから食べるのが好きだ。ひどい時は寝かしすぎて、トロトロのジャムの様になってしまうこともあるが、それはそれで、無糖ヨーグルトの甘みとしてかけて食べる。それがしたくて見て見ぬふりをすることもある。

お正月の紅白のなます作りはいつの頃からか私の仕事になっている。あの大根と金時人参の甘酸っぱいのと胡麻の香ばしさ、そして外せないのはそこに時々アクセントに甘みを運んでくれる干し柿だ。あの組み合わせが小さい頃から好きだった。
 もしかしたら、柿は干し柿の方が好きなのかもしれない。けれど、小さい頃は紅白なますなら好きなのに、干し柿だけでは食べる気になれなかった。あの色と形とぶにゅっとした感じがどうも嫌だった。それが、近頃はどうだ?大好きである。粉雪をふりかけたような染み出した糖分。ねっとり甘い干し柿。そして、栄養価が高いのだと知れば尚更美味しく感じてしまう。
 スーパーで見かけるが、結構お高い。いつもお世話になっている農協でも結構する。とはいえ、スーパー程ではないので見かけるとつい買ってしまうのである。

義理の父がお正月にひょこっと干し柿を出してきた。自分で作ったという。以前には甘酒やかりん酒等作っていた。皆父が作ったモノには見向きもしない。折角皆に食べてほしくて出してきたのに、誰も手をつけないのはちょっと寂しいと、ひとつ頂いた。意外や意外、美味しかった。
「美味しい!」
思わず飛び出た一言に、父が反応した。干し柿の作り方を教えてくれた。
「皮むいて、干すだけよ。」
それだけなの?カビ防止に少しだけお湯にくぐらすけれど、たったそれだけ。そんなに簡単なのにこんなに美味しく出来るの?しかも、父が作ってもこの美味しさ(←失礼極まりない嫁)。正直、アラフォーにして街っ子現代人の私は驚いた。
 どうやら、その時に私が干し柿に興味深々だと気づいた父は、出先の帰りに家に来て、干し柿を作る渋柿を少し分けてくれた。これは、実践せねばなるまい。早速、皮をむいてお湯にくぐらせ、干してみた!

これで本当に出来るのかい?
どうか美味しい干し柿になりますように。

 用事があって家に寄った母がぶら下がった渋柿を見つけて、大興奮。母も大好きなのである。美味しく出来たら、母にも分けてあげよう…とは思っていたが、案の上。美味しく出来るか分からない内に、農協で買った渋柿の袋詰めをプレゼントされた。この季節、今まで何度も目にしていた農協に並んだ渋柿が、今年は目玉商品として目に入る。栗もそろそろ出始めて、秋は美味しいものがいっぱいだ。

 ここ数年でホームベーカリーでパンを焼き、ヨーグルトメーカーでヨーグルトと甘酒と塩麴を作り、今度は干し柿を作ることを始める。一見手間がかかっていそうに見えて、実はどれも簡単だ。簡単で美味しい。これ最高。
なんでもっと早く作ってなかったんだろう?とても手間がかかる様に思っていたからだ。簡単なんだと知ること。それと始めるきっかけさえあればひょいッと始められる。なんだこれだけかと思えたら、次も続く。
 他のことだって、そんなものなんだろうなと思う。やりたいな…やろうかな…できるかな…って、やり始めるまでが重いだけで、やり始めたら続けられる。それで、なんでもっと早くしなかったんだろう!っていつも思うんだ。始めるきっかけやタイミングって大事です…。


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