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気象病の人いますか?

ああ。一生懸命に来たはずなのに、自分には何もない。
体調がすぐれない日は沸々と考えてしまう。
雨が降りそうな、降らなさそうな、でも、もうすぐ降りそうな…どっちなんだ?!という優柔不断な曇った空が広がる日だ。
どうしてもこうしても頭がワンワンする。すこし眩暈も伴う。そして、ひどい時には吐き気もする。こんな日は、頭も重く首が悲鳴を上げて、何もする気になれない。…というより何もできない。眠れば治るかと横になっても頭の中がワンワンなる。ストレッチだのマッサージを試みるも全く改善しない。どうやら、私は近頃よく聞く『気象病』なのだと思われる。
まさか、天気で具合が悪くなるなんて、子供騙しじゃあるまいし。気持ち的には強気だが、体は弱気以外の何物でもなく、ただただ、ハァハァ言いながら転げまわっている。
薬を飲んでも全然効かず、どんどん時間が過ぎていく。頭痛ごときに何もできない自分が情けない。バカバカ!貴重な時間が過ぎていく。夕方になって一日を諦めた。今日は休みの日だと思おう。これが出来るのは家でチョチョコ仕事をしているからで、どこかへ勤めていたら出来ずにきっとふらふらしながらでも行くんだろう。そう思うと、やっぱり自分は怠けものだと思って、落ち込む。この馬鹿タレが!
それでも、何か得ようと藻掻いてみる。読みかけの本を読み始めるも、最近、また視力が落ちて字が見えず気分がますます悪くなり、映画やドキュメンタリーを観てみるも、映像が揺らぐたびに眩暈が復活していく。結局、目を瞑り、瞑想状態になる。そして、要らぬことを考えてしまう。
自分には何もない。何が欲しい?どうなりたい?どうにもならないまま、今みたいに時間が過ぎて、病気にでもなって父の様に体が動かなくなったら?

夕方も過ぎて、夕飯の準備を始めなくてはという頃、漸く優柔不断の空は決断した。にわか雨がザーッと降り出したのだ。途端に体調が和らいでいった。
なんだよ。もっと早く決断してくれよ。夕飯準備だけは難なくこなせて一日が終わった。
こんな日は辛い。もう後何度、桜を見れるだろうかなんぞ数えて、その年数の少なさに身震いした。知らないまに年だけとった。残された時間は短い。こんな負の感情をもたらす頭痛は必要なの?要らない感覚だ。出来れば痒いのも要らない。なにが『気象病』だ。本当に要らない。

夕食の準備を済ませて、ふと、テレビを観たら、新庄剛志さんが出てた。好きでも嫌いでもないし、自分の身近にいないタイプだけど、素直にすごい!と思う人である。48歳でルーキー目指してトライアル受けるって…。色々ぶっ壊しすぎててすごい。才能と基盤があるから出来ることだけど、努力も惜しまないでいる。びっくりを遥かに超えて笑える。この人は人間じゃないのかも。もし受かったら、どうするのかって聞かれて、試合に出るとか記録を作るとかではなくて、下手な外野手に指導するんだって言ってた。外からでも指導できるじゃん…なのに、中に入って指導するっていう発想…。『99%無理』を100%で楽しむんだってさ。聞いてるこっちも楽しいわ。
さっきまでの自分のボヤキも、ビックリついでに飛んで行った。スターとはこういう人のことを言うんだろうな…。

自分には何もない…。そんなことはないはずで、何かしらある。10年前、20年前、持っていなかったものを今は持って、知らなかったことを知り、出来なかったことが出来ている。失ったものを数えがちだけど、得たものだって必ずある。そして、これからも失い、得るものがあるのだと思う。何もないことはないのだ。…と思えたこの日はまあまあな一日になったかも。
まずは、今の目に合う眼鏡を作り直さねばなんね。

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