what's love

大阪は北摂の謎プロデューサー木人拳と、ラッパーかゆみによって制作された前作「鼓動」より、B面ともいえる新曲「what's love」がリリースされる。

今回も「鼓動」のライナーノーツを執筆したSillyBoyに「what's love」の魅力を語って貰った。
https://note.com/kayumi_rapsuruyo/n/nfc2d03070fa2?sub_rt=share_pw

[written by SillyBoy]

まずは一聴して驚いた。
「鼓動」とは全く違うタイプのトラックとラップ。
様々な音が四方八方から降り注ぎ、ある種の攻撃性を感じる。
息をもつかせぬ目まぐるしい展開。
音の波が襲い掛かり、溺死するかのようだ。
一つ一つの音色も特徴的だ。
EDMを彷彿させるような、きらびやかでエフェクティブ。
その音たちをPANとMIXで心地よく聴かせている。
ラップもすごい。
トラックに被せるように早口でまくしたてる。
そのラップがしっかりと聴き取れるのがさすがだ。
かゆみの声質の特性でもあると思うが、必要以上に重さを感じさせないので、
皮肉や哀愁が変に重くなりすぎず、喜劇のようにエンターテイメントとして成立させているところも大きいと思う。
リズムも乱れることはなく、哀愁とアイロニーを込めながら「愛」を嘆く。
つまりトラックは移り変わりの早い現代のスピード感と混沌。
リリックはいつの世も不変的な愛の意味について。
そのコントラストが対比となり、互いを際立たせている。
「鼓動」とは全く異なる楽曲のアプローチがとてもおもしろい。
まさに木人拳マジックと、かゆみのスキルの高さによるものか。
この二人のユニットは変幻自在で常に聴き手の想像を超えてくる。
むしろそこを重視している風潮すら感じる。
その裏にはいつも木人拳のロジックが緻密に張り巡らされている。
木人拳のロジックとトリック。
かゆみは愛に踊る道化師か、愛を語る伝道師か。
what's loveを聴いてあなたなりの「That's love」を見つけ出してください。

SillyBoy

what's love /木人拳×かゆみ
https://big-up.style/MjcFW7lO9M

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