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【#71】授業

父が死んでからというものの
学校の授業に出られないことも増えた。

特に父を発見した曜日の授業。

毎回授業中に父の様子を想像したことを
思い出してしまった。

ある日を境にその曜日は
常に午後から登校するようになった。

そんな日でも好きな授業があった。
それは先生が紹介する作品を観る授業。

毎回テーマがあり
それに沿った作品を観た。

アニメだったり、映画だったりと様々だったが
その先生のセンスがわたしには激ハマりした。

父が亡くなってから
はじめて授業で観た作品は
『ダンサー•イン•ザ•ダーク』

カンヌでパルムドールや
他にも様々な賞を取っている
知名度の高い作品。

観た事のある人ならわかると思うが
父が死んだ直後に観れる映画ではない。

この作品は胸糞映画としても有名なのだ。

あらすじとして
病気を患っているセルマは
沢山の人の支えで
息子を女手ひとつで育てていた。

手術を受けないと息子にも同じ病気が発症するため懸命に働くセルマ。

ある日誰かに手術費が奪われるが
その後セルマに訪れる運命とは?

何も知らないわたしは
はじめは普通に観ていた。

明るいミュージカルくらいに思っていた。
けど違った。

終盤のとあるシーンが当時のわたしには
直視できず辛い思いをしたのを覚えている。

それを観てから当分の間
事件ものの作品が見れなくなってしまった。

普段は気にしてなかったが
案外そういう場面が多いのだと感じた。

常に見返したいとは思っているが
内容を知っているからこそ
なかなか踏み出せない作品でもある。

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