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夏と冬のすれ違い



終わりにしようと思った、2人のためにも


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君を傷つけたくなくて、あらゆるものを避けてきたのに、結局君を傷つけることになってしまった。これが本当の僕なんだよ。

こんな僕と一緒にいてはいけない。

君にはもっとふさわしい人がいるから、これ以上時間を無駄にしてはいけない。


君はいつだって臆することなく「好き」という
僕にはとても勇気がいる言葉だから、同じように言えなくて


ただただ、もどかしかった。

君の瞳に映る僕はどんな姿をしているの?どうか歪で醜いカタチであってほしい。僕は脆くて、とても臆病な人間だから。

君にずっと伝えたかった。

恋愛は向いていないと、そう思い続けていた僕を受け入れてくれる君をみて、「愛を求めてみたい」初めてそう思えたんだ。

でも人はそんな簡単に変われないんだね。君の暖かい光に照らされると温もりを感じる分、自分の闇を思い知る。とても深い闇を。


君に会う前の僕に戻る、ただそれだけ
ただそれだけのことなのに


夏が好きな君と冬が好きな僕。社交的な君と内向的な僕。

感情を解き放つ君と感情を抑え込む僕。僕たちは違うんだ、何もかも。そう、何もかも。

君にまた会いたいだなんて、そんな勝手なことどうして言えるだろう。僕は君のことよりも自分のことが大切な人間なんだよ。

そんな奴に会っちゃいけない。

君の肩にもたれかかってみたかった。君に全てを曝け出してみたかった。ほんの少しの勇気が僕にはなかったんだ。


あれから君はどうしてるだろうか
幸せ...なのだろうか


もしもこの先どこかで会うことがあったら、どうか僕に気付かないふりをしてほしい。目をそらしてほしい。


幸せを掴んだ君なんだ
そのまま振り返らず、前に進んでほしいから





それは突然に訪れた


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私たちはようやくスタートラインに立てたのに、あなたはそうやって簡単に終えてしまうのね。

私たちの賞味期限が最初から決まっていたのなら、リセットボタンがほしかった。そうしたら最初からやり直せたはずだから。


他の誰かじゃなくてあなたが良かった

どうしようもない位あなたが好きだから、
幸せも不安も一緒に分かち合いたかった


私は知っていた。あなたがとても繊細な人だというのを。傷つけたくないから遠回りする、傷つきたくないから自分の感情を誤魔化す。

そんなあなたも含めて好きだったの。ねえ、知ってた?


あなたに会う前の私に戻る、ただそれだけ
ただそれだけのことなのに、涙が止まらない


冬が好きなあなたと夏が好きな私。論理的なあなたと感情的な私。

インドア派なあなたとアウトドア派の私。違うから面白い、違うからこそ惹かれ会う。

思い出が断片的になっていき、勝手に美化されていく。私は「また会いたい」「もう会ってはいけない」を繰り返す。

あなたの寂しさや弱さを理解してあげたかった。私の肩に心ごともたれかかってほしかった。


ねえ、あなたは今何を見ているの?
私のことなんて、もう忘れちゃったかな


全てを忘れるなんて、私にはできない。

だから、もしもこの先どこかで会うことがあったら、どうか通り過ぎないで。私たちのことを「なかったこと」にしないで。


だって、そこには確かに
惹かれあった2人がいたから

ねえ、そうでしょ?




Special thanks to @百瀬七海さん

今回、百瀬さんの #お気に入りの音楽で言葉を綴ろう に参加させてもらいました。お気に入りの曲に米津玄師の『メトロノーム』を選んだ理由は、過去の失恋を思い出す曲だったからです。

この曲を聴いたとき、ああ、私は乗り越えてなんかいなかった。そう思い、1年越しにあの時の感情を言葉に置き換えてみました。

2人の観点から書いてみたかったので、ショートショートにしています。

「僕」のパートは想像で書いていますが、書き進めていくうちに、自然と「僕」に共感していた気がします。書く前は、めちゃくちゃ嫌なキャラにしようと思っていたのに。

いやはや、不思議なものです。とても貴重な体験となりました。百瀬さん、素敵な機会を与えていただき、ありがとうございました!

Photo by Greg Raines and Daria Nepriakhina on Unsplash


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