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ポートランドに移住して1年。私の暮らしから消えたもの。変化したこと。

米国ポートランドに家族で移住をしてから1年が経った。暮らしと考え方が確実に変化した1年だった。ここで一度、私の暮らしの中から消えたもの、変化したことを棚卸ししておきたい。

暮らしの中でプラスチックに出会うことが減った。部屋の中に残ったものが目立つぐらいまでには。

プラスチックにまつわる変化については、以前こちらのnoteにまとめたので詳細は割愛する。

1年経ったいま、家の中を見渡して見るとやはり確実に減っている。残っている洗面所のボトル類、歯磨き、キッチンではいくつかの調理器具や子どものカップ、仕事部屋のイヤホンやiPodsProの容器が目立つぐらいまでには。また、子どものお尻拭きやお手拭きに使うようなワイプにプラスチックが含まれていることが気になるぐらいまでには。

部屋の中から完全に駆逐するのは簡単ではないけれど、購買するときにもし代用できる布や木製のものがあればそちらを選ぼうという気持ちにはなる。最近冷蔵庫の中のカット野菜などを保存するラップやジップロックを駆逐したくて導入したstasherというシリコン製の洗っては何度も使える保存袋はとても優秀だ。紙や布で包むのも試している。

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キャッシュが所持物から消えた。結果、財布もバックも小さくなった。

驚くほどにキャッシュ(小銭もお札も現金すべて)を使わなくなった。移住して半年経った今年1月に日本に帰った時、久々に現金を使って気づいたことだ。それから再びポートランドに戻って半年経つが、現金を出したのはいつだろうか。Stay Homeで外出機会が減ったのは確かだけど、思い出せるのは2回だけ。1度はストリートミュージシャンの演奏がとっても素晴らしくてチップを入れた時。2度目はナショナルパークの駐車場で5ドル必要だった時。今じゃ、ほとんどのサービスがチップもクレジットでオンライン決済できる。

いざという時のためにスマホに1ドルと5ドルを、財布に1ドルと20ドルぐらいは入れている。でも使う機会は、ほぼなく、先日だいぶ萎れたドル札がスマホから出てきた。

この状況において日本から使い続けている財布が大きすぎて、1年経ちやっとポートランドメーカーのレザー財布を調達した。とても小さくなった。身分証明書含めて3枚のカードとドル紙幣が2枚だけ入っている。

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結果、バックも小さくなった。というかポケットに財布は入れてしまうからバックは不要とも言える。COVID-19下においては必要なサニタイザーや子どもの水筒はじめ持ち物があるからリュックを持ってはいるが、ひとりだったら随分と身軽になっているはずだ。

メイクを辞めた。たまに眉毛は描いています。

この傾向はリモートワークが始まった移住直後から徐々に現れてはいた。私は日本とリモートワークをしているので、メインのミーティング時間がポートランド時間21時以降ということもあり、お風呂の後であることもしばしばある。それを言い訳にしながら1週間に1回、2週間に1回と徐々に減り、COVID-19で外出自粛し、日本のみんなもリモートワーク になったぐらいから1ヶ月に1回もなくなってきた(笑)。

どう見られるか、どう見せたいかより、自分自身が心地よい(相手を不快にさせない範囲で)を選び取った結果、メイクはしない方がいい、という結論に至ってしまった。その方が肌の調子がいい。時たまちょっと毅然として見せたい時、あるいは早朝であまりにも寝起き感のあるMTGの時は眉だけ描くこともある(笑)。

ちなみに眉毛を描くアイブロウ、2-3ヶ月に1本ぐらいの頻度で消費していたような気がするけど・・・移住してからずっと減らず、同じものを使い続けている。

洋服も「見られたい」ではなく、自分の心地良さと納得で選ぶ。

以前オンラインイベントの場で暴露したけど、移住してから2コーデの着回しになった。いつでもランニングぐらいはできて子どもと遊んだりして汚れてもいい、そして自分が納得できるものを選ぶようになった。納得というのは、その製品や素材が持っているプロセスや思想をだ。メイクと同じで、長い時間身に付けるものだからこそ、心地良さと納得が欲しいと思うようになった。結果、パタゴニアや靴はローカルのkeenや再生樹脂を使ったRothy、自然素材のall birdsなどをまず見に行くのが習慣になっている。これはPRという職種柄かもしれないけど、オンラインショップを見に行く時、必ずまず最初にSTORY、VISIONを読む。

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もともと環境配慮に定評のあるポートランドのシューズメーカーKEEN。そのUNEEK SNKは再生樹脂でつくられている。今年の夏はずっとこれ。

ローカルのものを選ぶようになった。なければ買わないという選択も。

毎週火曜日にいつも買い物でしているスーパーからメールマガジンが届く。いわゆる商品ピックアップのチラシのようなものだ。そこで紹介されているローカル商品を優先的に選び、それに応じて料理を決めていく。四季があるから結果旬の食材の料理を食べることになる。

先日、ローカルのとうもろこしがないと買い物に行った夫から連絡があった。私は「じゃあ要らない」と答えていた。他に何か地元の野菜があったら買ってきてと。牛乳も、フレッシュなジュースも、魚介も、1年でほぼローカルを選ぶようになっていた。

上で紹介した財布もポートランド製品だ。

・・・

この暮らしの変化が、私ひとりで、我が家の家庭の中だけで起こせたかというとそれは簡単ではなかったと思う。プラスチックひとつとっても、私はそこまでエコにできた人間でも意思が強い人間でもないから、そこまでの厳格さと自制を持って実行できたかと問われると、自信を持ってYESとは言えない。また、ローカルの素材や商品を選びたくとも、生産地に遠い住環境では、それはなかなか叶わなかっただろう。

だから、我が家は半ば偶然のようにこの街に暮らしはじめたけど、結果として住む街と環境は、暮らしと家族にとってとても大切だと改めて感じている。逆を言えば、環境や社会との共生を感じさせてくれること、ローカルのものを選べる生産との距離は、家での時間が長くなるこのCOVID−19下ではやはり、選ばれる街の条件のひとつになるのかなぁと思っている。

ここで紹介した変化は、私にとって心地良さと心の軽さと安寧をもたらしてた。だから、この変化を助けてくれた街といま住む環境にとても感謝している。まだまだ街に与え続けられている毎日だ。時間はかかりそうだけど、この街に恩返しをできる形を見つけていきたいと思っている。

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トップの画像でも使った薔薇はポートランドの市の花。

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