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コンポストはコミュニティで取り組むに限る!(ミミズコンポスト日記はじめます)

つい先日、ミミズコンポストを始めた。そして備忘録として「ミミズコンポスト日記」 をはじめることにした。新鮮さを損なわないうちに記録しておかないと、移住と一緒で、暮らしに馴染み始めてしまったら、最初のワクワクや気づき、葛藤や悩みはきっと遠くに飛んでいってしまうものだから。

ミミズコンポストに辿り着くまで

コンポストに興味を持ちはじめてから実は数年が経過している。最初は移住前の鎌倉に住んでいた頃。移住を目前に控えていて開始しなかった。そしてポートランドに引っ越したら、ポートランド市がコンポスト(堆肥になる生ゴミ+枯れ葉のことをこう呼ぶ)を回収してくれるようになり、街規模の堆肥づくりの仕組みに乗っかってまたタイミングを逸した(ちなみに回収したコンポスト は街のはずれで堆肥化されコミュニティガーデンに配布されている)。

そしてポートランド暮らしが落ち着いた頃に、コロナに突入して家庭保育にとなり、友人やみなのコンポスト活動を横目に見ながら、時間が流れた。ポートランド市の回収になまけて、リサーチと検討の間を行き来しながら、我が家の基材が中途半端にそろったまま、庭に埋めてプチコンポストしたりしながら過ごした。

そうなのだ。何かと理由をつけて(そのほとんどは他責)始めない、いちばんダメなパターンだったのだ。他のことに関してはえいや!でやれるのに、なぜかコンポストは腰が重く、ダラダラと数年を過ごした(この私自身の姿にコンポスト人口が増えない要因があるのではないかと考えるので、よくよく分析をしたいと思っている)。

私が検討したコンポストリスト

この際だから、検討期間に立ち寄ったコンポストをここでリスト化しておこうと思う(笑)。まず検討したのは、日本ではメジャーな段ボールコンポスト。自治体のサイトに行けば情報が出てくることが多い。が、米国では知名度が低く情報が揃わなかった。米国で始めるときには、NYTimesのこの記事が参考になるだろう。

友人がチャレンジしていたボカシも見せてもらい、嫌気性でメンテナンスが毎日必要ではなさそうだったこともあり惹かれた。が、最終的な堆肥化は庭の土の中でやるため、賃貸の我が家では堆肥化面積がとれないことから辞めた。

続いてはハイテクな機械裁断乾燥タイプ。

このタイプは都市部の暮らしには良さそうで、堆肥は少量でいい。生ゴミ処理を主目的としてコンポストを始めたい人に向いているのだろう。
そして、次はカウンターキッチンでミミズを飼いながら植物を育てるといういいとこ取りコンポスト。

米国でよく見かけるのは地中に埋まっているか、このDual Batchタイプ。お向かいさんもやってる。とてもアナログで重力を活用しグルグルまわして堆肥化するだけ。理にかなった仕組みだと思う。

そして日本の都市部のマンションで導入するなら間違いなくこれだ。このLFCコンポストは本当に始めやすくメンテナンスしやすいプロダクトだと思っていて、日本にいたらこれは一度チャレンジをしただろう。
https://lfc-compost.jp/

というわけで、コンポストは、堆肥をつくりたいか、生ゴミを処理したいかという目的、そして住環境と家族構成、気候によってさまざまな選択肢がある。そして、いざ始めるとなるとメンテナンスが必要になる。我が家のように数月後に常に長期一時帰国でも予定していれば、振り出しに戻りかねない。そんな状況で、いつもタスクの10番目に置かれ続けていた。

コンポストはコミュニティで取り組むに限る

その無駄に長い検討期間によりわかったのは、「とりあえずやってみるべき」ということと(笑)「コンポスト はコミュニティでやるに限る」ということだった。後者の話は生ゴミ処理ではなく堆肥づくりであるという前提においてだ。以下が理由。

・土は社会の循環の中核にあり、コンポストは社会の共有財産づくりだから
・知見が分散していて習得しづらいゆえ集合知がありがたいから。
・ひとりで投資(生ゴミ)と財産(堆肥)の供給と需要のバランスをとるのは難しいから。都市部では後者が余るし、田舎では後者が足りない。
・好気性の場合メンテナンスがこまめに必要だから(人手がかかる、長旅できない)。
・単純に悩みやワクワクを共有できる仲間がいる方が楽しいから。

この検討期間、会社のメンバーがコンポストプロジェクトを進めていたこともあり、コンポストに取り組む皆さんとお話をする機会もあった。たとえば、立命館大学でUni-Comという学生団体を立ち上げてる雪乃さん。

彼女は大学の学食で出る廃棄物を学内コンポストで堆肥化して循環をつくる取り組みをしている。

鎌倉で思い立って農地を借りてシェア畑(農業)を始め、あわせてその堆肥づくりをみんなで始めたかすみんとゆうぎくん。今は仲間に畑を任せて鹿児島で働いているが、1年と少しで農地と堆肥を中心としたコミュニティができていた(参考記事)。

そして私は、いちばん小さなコミュニティである家族みんなで取り組むコンポストから始めることに決めた。

ちなみに最終候補に残ったのがキエーロだ。

自治体によっては装置の自作の仕方を公開していて、これをDIYするところからやったら楽しそうじゃん!(完成の前につくるところから巻き込む手法)と、子どもたちを誘ったところ、ふーんと素っ気なく撃沈。そもそも冬場に太陽がまったく出ないポートランドには不向きではあった。

こりゃだめだ、と思ってたところ、救世主のみみずが登場した。

どうやら次男がこの秋から通い始めたプリスクールにはコンポストがあるらしく、みんなで堆肥づくりをしている様子だ。ごはんが終わった後にご馳走様と同時に「Compost!!!!」と両手を高く挙げて讃賞するポースがあるとかないとか(英語の現地園に99%日本語の次男の話だから本当のところはわからない)。でも聞けば庭にミミズがいっぱいいるというから、それはミミズコンポストだろう。その話を聞きつけた長男が羨ましくなったのか、家でミミズ飼いたい。コンポストしたいと言い始めた。理由はどうあれ、キター!!!!と思った母は「じゃあ、みんなでミミズコンポストしよう!」とこのウェーブに乗っかった。まさか4歳児が家族の中でコンポストの先頭を行くとは思っていなかった。

そしてミミズがやってきた

開始するにあたり日本の「金子みみずちゃんの家」の情報がとてもよくまとまっていてわかりやすかったのでお世話になった。

アメリカの基材の名前がよくわからないので最初は自作という冒険はせず、大人しく4段のBOXと最低限の基材(ピートモス、石灰など)、そして温度計をまとめて調達した。そして同じところでミミズも約500匹(1lbの土と一緒に)を用意した。

ミミズがやってきた日は大騒ぎ。そして、さすがアメリカ。Fedexのボックス(到着時には破れていた)にザクッと不識布の巾着をぎゅっと縛った中に、そのまま土とミミズ500匹が無造作に入っていた。生きてるからね、通気性と換気と湿度は大事だからね、とは思ったけど、これ輸送中に逃げるんじゃないかなぁ・・・。うちのは、the European Night Crawlersという種。太ミミズ科ではなく細ミミズ科がよいそうだ。日本だったらシマミミズが定番のようだ。

そしてミミズコンポスト生活が始まった。せっせとミミズちゃんたちのフードを仕込む毎日である。

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(次の写真はミミズちゃんがいるので虫が苦手な方はじっくりとは見ないで)

ミミズを確認する次男。

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ちなみに、最後に私の背中を押してくれたのはミミズコンポスト経験者のママ友(勝手に師と思っている)の存在だった。コミュニティに助けられたのだった。ミミズコンポストを長年やっていることがわかり、日々相談をさせてもらっている。

そして、いま友人が言った「生ゴミが宝物に見える」という言葉に日々共感している。

なお、ミミズは友人から譲り受けるのがいちばんよかったなと思うので備忘録として書いておく(無事に増えたら誰かあげます)。

というわけで、ミミズコンポスト日記を少しずつではありますが、はじめてみることにします。

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