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Light A Candle ろうそくに火を灯そう

詩を書くのが好きです。

2022年5月。実家でふと目にした10歳の頃の自分の日記。
その中で何篇かの詩を書いていました。
日記の文章は、少しずつ学校での目、周りの目、社会の目を気にしつつある当時の自分の姿が垣間見え、正直堅苦しい、所謂優等生的な文章でした。
一方、詩を読んでみると、そこに書かれている言葉は瑞々しく、想像力豊かで、私の心を一気に30年前に連れ戻してくれました。
そして、子どもの頃、何かの気持ちに成り代わって、代弁するかのように、想像力を働かせて言葉にしていくことが好きだったことを思い出しました。

自然の中に身を置いて、そよぐ風を感じ、鳥たちが鳴きかわす声、葉がお喋りをするかのように擦れ合う音を聞くのが大好きでした。
どんな話をしているのだろう?人間とは違う無数の生命体がこの森の中で息づいていて、私はその中のほんの一部。
そんなことを感じながら、色んな物(風、鳥、植物、虫…などなど)の気持ちを言葉にしていくことが好きな女の子だったのです。

40歳を過ぎたここ数年は、近くの木が鬱蒼と生える公園に毎朝足を延ばし、自然の中で過ごす時間を持つのが日課です。
そしてその時間が、自分自身が生まれ持った「心」を取り戻していくためにとても大切な時間であることを感じています。
数カ月前、たまたま30年前に書いた詩と再会したことをきっかけに、ただ散歩をして、その時感じたことを自分の頭の中に留めておくだけではなく、自然から感じるメッセージを誰かにも伝えられるよう言葉にしてみよう、と再び詩を書き始めました。

少女の頃の私にとって、詩を書くことは頭の中に浮かんできた言葉をそのまま書き綴る作業だったと記憶しています。
今、詩を書くときもその感覚は基本的に一緒です。
それに加えて、言葉を紡いでいくことで、自然からより多くのインスピレーションをもらうと同時に、自分の「心」と向き合い、グルグルと螺旋を描くように、思考を深めていく時間となっていることも感じています。

「どんなに凶悪な犯罪者だとしても、この世に生まれた瞬間は純粋無垢な赤ちゃんで、どんな人にも必ず長所はある。」
これは、かつてアメリカの留学時代に受けた授業で最も印象に残った、社会福祉の授業を担当していた先生の言葉です。
一人一人の心の中には自分が自分らしくあるため、「心」を明るく照らし出す「ろうそく」があると私は思っています。

思えば、小学生の頃から所謂優等生として過ごしてきた私は、常に「良い評価を受けること」で自分を保ってきた側面があります。
ですが、社会的に求められる成功と自己の中の矛盾をどう克服していけばいいのか分からぬまま、大学卒業後の20年近くをこれまで過ごしてきました。
「良い評価を受けること」で安心感を得る自分がいることは、正直今も変わりません。
まだまだ色々な雑念が私の日々の生活の中で始終渦巻いています。
ですが、自分が生まれ持った本来の役割を果たすためには、他者に「評価される」ことを少しずつでも手放していくことがどこかの段階で絶対に必要で、ありのままの自分を評価されることを怖がっている自分から、もがきながらでも進んでいきたい、と思うようになりました。

こうしてnoteなどのツールが広がる今、私の書いた作品が誰かの心に少しでも響き、あなたがあなたらしくあれることに繋がる、そんなお役に立てるのであれば、これほど嬉しいことはないです。
私も詩を書くことで、自分自身の心の中のろうそくに火を灯し続けられるよう、かつて詩を書くことが好きだった自分を日々思い出しつつ、自然の中から感じたメッセージを綴っていきます。

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