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「がんばるお母さん」問題に、不登校母が乗れない問題

この頃巷に広がる「いろんなママがいるよね」「いろんなママがいるんだからがんばらなくていいんだよ」「がんばれないママもちゃんとママなんだよ」という雰囲気。すごくすごく良いと思う。

がんばるってことには、がんばれる環境や健康状態が必須。がんばった後の回復ができる環境も大事。これらが満たされて初めて、人は「がんばる」って行為に挑むことができる。

だから、最近の「(無理して)がんばるお母さん」に、「がんばらなくてもいいんだよ」という言葉の広まりに、私はとてもとてもほっこりしている。

さて、しかしここに、大きな問題がある。しかも大きな問題とは認識されていないことこそが大きな問題である問題。

「がんばるお母さん」問題に不登校母が乗れない問題、である。

乗れていない理由として思いついたものは以下
①子どもの年齢問題
②「だってあなたが悪かったんでしょ」問題


不登校母が乗れない問題、理由①子どもの年齢問題

①については、「がんばるお母さん」の子どもが、主に未就学児から小学校中学年ほどに設定されている感があること。不登校の子が増えてくるのはそれ以降、小学校高学年から中学生。

小学校高学年になると、「子育て楽になるでしょう?」という言葉があちこちで聞かれ始める。子育て卒業の言葉すら聞こえてくる。しかし、ここから血をにじませて戦い始めるのが不登校母である。

とあるファッション本を読んだ時、序章で「子どもが5年生になり、余裕が出てきた。ふと鏡を見たら…」という文。これを下の息子(当時小6)に読み聞かせたら、「え?5年生からが勝負でしょ!かっかちゃん、がんばってるもん」とのお言葉を頂きました。

さすが、不登校張本人、わかっていらっしゃる。

ちなみに我が家は、現中3の上の息子は小6から、現中2の息子は小5から、現小6の娘は小5から学校に行っていない。

上の息子と末っ子娘は起立性調節障害の診断が下りていて、上の息子はかなり症状が強く出る上に、抑うつと強迫性傾向も強い。不登校というよりも自宅療養だと認識している(学校はどうなのか、わからないけれど)

末っ子娘は軽めの起立性調節障害。朝起きるのがつらい。無理に起きるとめまいと吐き気。がんばって起きても朝うつがつらくて、お昼まで何もできない。午後からは元気になるので、習い事などは通い続けている。

下の息子こそ、正統派の不登校。多少発達に問題があるようで、集団が苦手、気を使いすぎて疲れるなどの理由で行けなくなった。元気なのでギアさえ入ればなんでもしたがる。

さて、横道にそれたが本題へ。②の「だってあなたが悪かったんでしょ」問題、これは深刻。


理由②「だってあなたが悪かったんでしょ」問題

不登校になった子を見て、世の多くの人がまず思うことは「ああ、お母さん、育て方間違っちゃったのね」これである。よほど目に見える体調不良などがない限り、学校からもまずはこの傾向の言葉が注がれる。

さて、我が子が不登校になった母が一番最初に、そして最後まで考えることは何か、世の人はご存じだろうか。

「ああ、私の何が悪かったのかしら」これである。

わかるだろうか。世の人の多くが考えることと、母親がいの一番に考えることは同じである。こういう場合、自責する人の多くは悪くない。自責できるだけの器量がある母が、これまでにそれほどの大失敗をしていることは少ない。

しかし、このことを理由として、不登校母は「がんばるお母さん」問題からはじかれてしまう。「がんばるお母さん」は、失敗した母ではない、というのが共通認識として存在する。不登校母という「失敗した母」は、その責任を問われることこそが必要とされ、「がんばらなくてもいいよ」などという暖かな言葉の対象ではない。


不登校母のハリネズミ問題

子どもたちが不登校になってまざまざと感じること。世界360度のうち、「あなたが悪かったんでしょ」の刀が300度雨あられで降ってくる。どちらを向いても「育て方を間違った母」という目が向けられている

安全地帯は残って60度程度。これだって、もしも夫の理解が得られなければあっという間に半減する。やってられない。

外から雨あられと降ってくる「あなたが悪かったんでしょ」と、自分の内から湧き上がる「私の何が悪かったのかしら」外からも内からもザクザクに切り刻まれる。

「不登校母はどこまでがんばれば良いのか」問題は、問題とすらされていない問題をここに提示する。

長くなってしまった。

不登校母はがんばっている。昼夜逆転する子どもを、寝ずに支えている人もいるだろう。子どもがまったくいかない学校に毎週顔を出して、つらい言葉に耐えている人もいるだろう。

不登校母に慰めの言葉をかけて、逆にかみつかれてしまった人がいたら、今ここで私が代わりに謝ろう。ごめんなさい。外からも内からにザクザクにされた人間は、ハリネズミになるしかないのです。許してください。

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