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石とBLのはなし

※この記事は後半、BL作品の話に変わります。Amazonのリンク付きだ!

石を買いました。てのひらにうまく収まります。丸くてつやつやに磨かれていて、かわいい。アクセサリーにできるような形状、重さではないので、基本的に私のてのひらに置いたり握ったりして輝きを愉しんでいます。
てのひらで愛でるための石――最高ですね、ずっと触っていたくなります。質感は冷たくて滑らか。アイスクリームとの違いは溶けないこと。
光の当たり方で驚くほど青く光ったり、かと思えば虹色の層が浮かび上がったり……長石に属する(と言われても私にはピンとこないのですが、)ムーンストーンなどの仲間です。視点を変えると予想もしない色が浮かびます。
石の投げ売りで見つけたのですが、愛想のないロックな石たちに埋もれていました。拾い上げたのは箱の底で眠ってた子でした。
家で石の包みを開けたら表面に傷を発見しました。流通と販売の過程でついたものでしょう。小さな、くの字型の傷です。傷、とてもかわいい。傷のおかげでうちの子だと分かるんですね。しかも凹んだ傷口でさえ光る。すごいな、この石。
傷の斜め上には漢数字の三のかたちに広がる斜線状の青い輝きが浮かび上がります。これは昼の光では見えなくて、夜に室内の電灯で見なければ気付けないのです……。
この石の名はラブラドライト。
ラブラドライトの光はラブラド・レッセンスと呼ばれます。ymz(やまず)先生の漫画、その名も『ラブラド・レッセンス』(大洋図書)で知りました。入院したカメラマンとその主治医の、BL作品です。

カメラマンが医師に、今まで向けられなかった光を当てて、まわりの誰も気づけなかった輝きを引き出すストーリーです。身体的な接触はほとんどない。でもなんだろうクセになる空気感……イチャイチャとかラブラブとか(ほぼ)ないというのに美味しい。その距離とか空気感がすごくいい。
清冽な空気が欲しくなったらぜひ読んでみてほしいです。各書店で電書も出ています。私はこの漫画を読んで石を買った……初めてBLを読むよって人にもいいと思います、私が推す!!!
(作中の二人は『ハイ・ファイ・ランデブー』にも登場し、きゅうううんとさせてくれます。そちらから攻めるのもよし!!)

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