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悩み苦しむ宝石たちが好きだった

悩み苦しむ宝石たちが好きだった。

全話無料期間終了したけど、二十話まで(単行本だと3巻まで)まだ読めますね!

あたし無料期間に2回繰り返し読んで、ああもう気が狂いそう!って思って、いろんな感情が込み上げてモダモダしました。
どうしたらいいの〜つらいよ〜吐き出したいので書くね!

※注。以下、最新話までのネタバレあります。

最新話まで読んだけど、こうなるしかなかったのぉ!?
どこをどうしたら巻き戻せるんですか?? って感じだよ!!

二十九話だったかなぁ、、、
「清く正しい本当が 辺り一面を傷つけ 全く予想外に変貌させるかもしれない」というパパラチアの言葉が、予言めいてて好きだった。
パパラチア、うつくしいよね……すき。

フォスだけが救われない。「清く正しい本当」などなくてもみんな平気だし、フォスに感謝は言うけど、誰もフォスのことを理解できない。
アゲートの足を手に入れ、合金の腕を使いこなし、月人と戦える力を持てた時でさえ、フォスは幸せじゃなかった。
フォスの意志で成せたことは何もない。それが悲しい。

フォスと一部の宝石たちが一緒に月に行くけど、みんな変わってしまうじゃない? イエローは廃人になるし。はじめのころの「みんなのお兄さま」としてのイエローを読み返したら、とてもつらかった。
十二話『イエローダイヤモンド』で、戦う動機すらも思い出せないくらい長い生に膿んでいるイエロー。フォスが戦いに出たいと思う理由「先生が大好きだから助けたいんです」を聞いて笑ったイエローがなつかしい。

あのころの、フォスの純粋さは眩しかった。

月で初めて食物を食す宝石たちのシーン、小さいコマだけど楽しかったな。あたしも光マカロン食ってみたい。穴という穴からカッと光を吐き出してみたい。
今後仏像拝む機会があれば「光マカロン作って!」と祈ろう。

「宝石の国」の宝石たちが内包するインクルージョンってのは、人間という古代生物の塵なんだよね。宝石たちは無機物で長寿でキラキラしてて、一見、人を超越して見えるけど、実はごくごく当たり前に人間らしいことで悩んでる。だからこそ、月人になどならないで欲しかった…きみたちは個体の輝きを失うことに耐えられるの?って思ったし、それぞれの個体差で苦しんでる姿が好きだった。

私的に、フォスの変化より嫌だったのはカンゴーム。
「アンタークでもゴーストでも 俺のことは好きに呼べ」と言ってくれた優しいカンゴームはもうおらん……あの黒ギャル〜〜〜!!!
でも実際フォスの相手するのはしんどかったろう(エクメアは子守と評した)。それが判ってしまうと、「あたしは昔のカンゴームが好きだった!」って言うのもなんかちょっと……。
カンゴームはずっと辛かったんだよね。ひとりで冬番を引き受けて、いっそ流氷に呑まれてしまおうかとか考えるほどに無理してた。本当の自分を犠牲にしてゴーストの指示するまま振る舞ってきた「昔のカンゴーム」のほうが好きだったよっていうのはさぁ……読んでる私自身の嫌らしさに向き合わざるを得ないよね。
「おまえ(宝石たち)は、私という読者を気持ちよくさせる存在であれ」と押し付けてるっつうか、自分の醜悪さを感じるじゃん……。自分の残酷さにオエッてなる。

誰かが「宝石の国を読むと、そこに映るのは読み手自身の顔」っていう趣旨のツイートしてたんだけど。まさしくだよ。おそろしいぜ市川春子御大。

そういえばユークレースがリーダーシップ発揮し始めた時もちょっと悲しかった。ユークは仲間が誰も欠けなければ目立つポジションに出張ってゆくタイプじゃなかったと思う。

フォスは救われることはないんだろうか?
先生を助けたいって思った純粋な子だから、先生の機能を継ぐしかないんだろうか?
そのために骨の髄まで利用されるしか道はないのか?
せめて、月にあるはずのフォスの西の浅瀬色の頭部が、救いから取りこぼされたフォスを救うかけらになってくれたらと思った。

第九十二話『夜』フォスとシンシャの激闘。

この回が心底つらかった。ダントツつらかった。最推しがシンシャなので、涙なしには無理だった。全身にヒビ入ったしシワ増えたわ。
宝石は破損すると記憶を失う。変わり果てたフォスのまえで、昔のフォスのすがたを毒液でつくってみせるシンシャが美しすぎてウッとなった。シンシャってこれまでも毒液フォスつくってるよね。物思いに沈むシンシャの憂い顔が好き。性格暗めのムーブが大大大好き!
激闘の決着がついたあと、シンシャ(の首)が笑ってみせるのも切なかった。その笑顔は昔のフォスが見たいと願ったものだぞ。つらい。

シンシャの毒液を浴びて、フォスは人間になった。
「おまえ誰ぞ?」ってかんじの、先生みたいな顔になる(ショック〜)

金剛先生のもとへ向かうため、回廊を進んでゆくフォス。そこで過去の自分の幻影が通り過ぎてゆくのだが、それが誰なのかフォスにはわからないのだ。「誰だろう かわいいね」って、親戚のおじさんみたいなこと言うの。かなしい。

「ほんとうの幸福」ってのは仏教的にいうと「無我の境地」らしい(と、宝石の国考察を調べてて見つけた)。
無我の境地って、自分のからだから自分が抜け出していくことなの? じゃあもうフォスはフォスじゃないの? 物語はじめのフォスは絶対に帰ってこないの?
うるうる…

エクメアは終戦と一万年の幸福を宣言した。くぅ〜、つくづく顔がいいよな!
エクメアのねらいがわかんなすぎて、そこは検索しないようにしてる。エクメアって本当の名前はエンマなんでしょ? 第三の目を持つ異形なのに、消滅願望があるとは思えないんだが。

月人になった宝石たち。
なかでも第九十六話、連載が再開してからの光景。さりげなく胸を抉られた。
アンタークとカンゴームとシンシャがおてて繋いで買い物してるッ!
フォスと濃厚な絡みのあった三人衆である。だけど当然そこにフォスはいないわけで。この三人の中にフォスがいないとか……ほんとなんなんだよぉ〜涙

地球を見つめるシンシャに一縷の希望を抱かずにおれない。

あとさ、月人になったルチルとパパラチアの仲が冷えてるの、ちょー気になるんですけど!!! そこにいたるまでのやりとり、すげー見たいよ!!!!
他の元宝石に見えない何かがパパラチアには見えてるのかも……とも思う。
ルチルはフォスにブチ切れたままなんかな?

はやく次の話が読みたいので私は宝石本誌派になると決めた。
次回が待ち遠しいよ〜コミックDAYSで待機します。

宵待ブックスの記事をお読みいただき、ありがとうございます。どの記事も無料なので好きな時にアクセスしてください。ズボラなのでコメントなどお気遣い不要です、読んでもらえたら嬉しいです!(ちなみに、ハートを押すと「月の異名」が飛び出します。)