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昨日は人智学サイエンスの講座で、古巣の街へ。2016年まで住んでいたストラウド近隣エリアは、コッツウォルズの南西に位置する。丘がたくさんあって起伏があって、平坦なイギリスにしてはめずらしい地形。そこにはちみつ色の建物が可愛らしく並ぶ。

ネイルズワースという小さな街にある、ラスキンミル・カレッジは、人智学系カレッジ。(上の写真は、カレッジのキャンパスです)アンガス・ゴードンというカリスマ的な人智学者が率いるラスキンミル・トラストは、ここ、ラスキンミル・カレッジと、バーミンガム近くのグラスハウス・カレッジ、それからマンチェスターにもカレッジがある。私の母校であるカリフォルニアのシュタイナーカレッジも、今では形を変えてアンガスゴードンが率いる施設になっている。

ちなみに、アンガス・ゴードンはその功績を認められ、英国の勲章を受勲した・・・という、アントロだけではなく公的に認められた人物。背が低くてフレンドリーで笑顔が優しいおじさん。久しぶりに会ったけど、初めて会った20年前と変わっていなくて驚異的。

このエリアに住んでいたとき、日本人向けの留学ツアーを毎年企画していた。大人向けクラスでは、このラスキンミル・カレッジや、キャンプヒルビレッジ訪問ツアーなどを企画していた。

このカレッジは、発達特性があったり、犯罪歴があったりする青年たちが学ぶ場所。人智学、シュタイナー教育の手法で、芸術活動、工芸、農業などの作業を通して、人格形成し、一般社会に自信を持って出ていけるように教育するカレッジ。

バイオダイナミック農場があり、世界でも希少なバイオダイナミックの魚の養殖場がある。カフェは一般の人も利用可能。そこではバイオダイナミックの農産物を使ったランチが、ぜったい利益ないでしょーーーと思われるような値段で提供されている。美味しい。笑

人智学の学びの場所にもなっていて、バイオダイナミック農業、各種トレーニング、セラピー養成などが行われている。それだけでなく、研究施設も。

ドイツやイギリスでは、一般の大学で人智学を元にした研究をしている教授も多い。人智学のゲーテ自然科学をベースにした生物学者、物理学者などが、一般の大学で活躍しているのです。

シュタイナーの著作を読んでシュタイナー研究をするのではなく、人智学をベースにした研究をして新たな成果を発表している研究者たち。このラスキンミルは、そうした研究者たちもいて、職業として研究をしている場所でもある。

つまりここは、人智学をベースに、実践、研究、教育がされている総合施設だ。

ここには、人智学のフローフォームがたくさんある。

フローフォームは、水がレムニスケート(8の字)を描きながらゆっくり流れるように設計されています。この流れが水を浄化するのです。

こちらの動画だと、水の流れが見えるかな。


日本だと、北海道のひびきの村にありますね。

このラスキン・ミルには、フローフォームの研究者もいて、制作活動もしています。そして、このフローフォームが、マスの養殖場にも据え付けてあり、浄化された水が常に養殖場に流れ込むようになっています。

このフローフォーム、見ているだけ、水音を聞いているだけでも癒しになるし、美しいものなので、けっこういろんなところに設置されています。ショッピングモールなどにも。

でも、本来の役割は、この、水の浄化。この機能を実際に農水産業に役立てているのです。

ちなみに私の母校でもある、カリフォルニアのルドルフ・シュタイナー・カレッジにも、このフローフォームがありました。バイオダイナミックガーデンの中にあって、横にベンチがあって、癒しの場所でした。

でも、ここだけの話・・・、水量が多すぎて、勢いがありすぎて、水はレムニスケートを描かず、ザーザーと滝のように流れていました。みんな、そんなことに気づかず、ただ癒されていただけだと思うけど、実は、実際の役割は果たしてなかったなあ。笑

余談でした。

ラスキンミルには、イギリスに戻ってから初めての訪問。人智学サイエンスの講座に丸一日出席してきました。ロンドンから片道2時間半の運転。日帰り。疲れたけど、懐かしい友人・知人にも会えた。ロンドンからいくと、まるで、世捨て人たちの場所とも思えるくらい隔世の地。まあ、ある意味「世捨て人」というのも当たってはいるとは思うけど。

また、その内容のお話は別の機会に。



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